トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値7.87レベル・高値8.10レベルと予想レンジ内で比較的底堅い値動き
〇週前半は利上げの可能性をみて若干強含みの展開であったが、週末に向け若干押して引ける流れ
〇3/17トルコ中銀は政策金利現状維持を発表、高インフレが放置されたことに対して失望売り
〇エルドアン大統領、プーチン大統領と電話会談、トルコ国内でウクライナとの首脳会談実施を提案
〇3/24NATOサミット開催予定、それまでは主要通貨・新興国通貨ともに積極的に動きにくい流れ続くか
〇今週トルコリラ円は、7.85レベルをサポートに8.15レベルをレジスタンスとみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「前週安値圏7.70レベルをサポートにレジスタンスラインの水準である8.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.87レベル、高値が8.10レベルと、予想レンジ内で比較的底堅い値動きを見せた一週間となりました。
先週のトルコリラは、週前半は17日のトルコ中銀の会合に向けて高いインフレ率が続いていることから利上げの可能性もあるのではといった見方もあったようで、トルコリラは対ドル、対円とも若干強含みの展開となっていました。しかし結果は当然現状維持となり、トルコリラは週末に向けて若干押して引けたという流れです。
エルドアン大統領の顔色を窺う中銀総裁が利上げに動くということは今後も考えにくいと思いますが。ドル円が週後半に円安進行した中でトルコリラ円が下げたということはドル円以上にトルコリラ安の流れであったことになりますので、そうした点では中銀会合の現状維持で高インフレが放置されたことに対して失望売りということになります。
またエルドアン大統領は先週17日にロシアとウクライナとの停戦について首脳会談が必要であるとプーチンと電話会談を行いました。プーチンとゼレンスキー大統領の会談の場をトルコ国内のアンカラかイスタンブールで行う提案をしたそうで実現は難しそうではあるものの、今後もトルコは両国を仲介する立場として重要な役目を担う可能性があり、展開次第ではトルコリラにとって好材料視されるかもしれません。
今週はNATOサミットが24日に開催され、NATOのメンバーでもあるトルコはその場で17日の会談についての報告と今後の対応についての話をすると思われます。同時に緊急G7サミットも開催されウクライナ情勢について対応を協議することとなっていますので、24日はひとつの節目となり、それまでは主要通貨も新興国通貨も積極的には動きにくい流れが続きそうです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
これまでのレジスタンスラインはまだ効いているものの既に週初の時点のレートが同水準となっていることから、今週は同ラインは考慮しないほうが良さそうです。ここ1か月のレンジを青い水平線で示し、その半値も示してありますが、現在は半値水準をもみあいの中心とした展開を継続しやすいと見てよいでしょう。
今週は半値水準となる8.03を中心に先週同様のレンジを続けると考え、7.85レベルをサポートに8.15レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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