南アランド週報:『約9ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。但し上値追いには要注意』(3/19朝)

南アランド円相場は昨年11/26に記録した直近安値6.93円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて約9ヵ月ぶり高値となる7.99円(昨年6/16以来)まで急伸しました。

南アランド週報:『約9ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。但し上値追いには要注意』(3/19朝)

『約9ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。但し上値追いには要注意』

〇今週の南ア円、商品価格の軟調推移に週初7.76まで下落
〇その後は株価の堅調、南ア指標好調、商品市況の持ち直しに9ヶ月ぶり高値7.99まで急伸
〇南ア円、主要テクニカルポイント上抜け。複数の買いシグナルも点灯テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズは資源価格上昇、追加利上げ観測と米タカ派傾斜、スタグフレーション懸念等が背反
〇短期的な南アランド上昇を想定しつつも、続伸余地は限られるか
〇3/23の南ア2月消費者物価指数、3/24の南ア中銀金融政策決定会合に要注目
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10

今週のレビュー(3/14−3/18)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.78円で寄り付いた後、@米FOMCを控えた警戒感や、A米金利上昇を背景とした資金流出圧力、Bコモディティ価格の軟調推移(同国の主要産品である金やパラジウムの下落)が重石となり、翌3/15にかけて、週間安値7.76円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C株式市場の持ち直し(リスク回避ムード後退→リスク選好の円売り圧力)や、D南ア1月小売売上高(結果+1.5%、予想▲0.3%、※前月比)の良好な結果、E貴金属市場の持ち直し(金やパラジウム価格の反発→南アフリカの交易条件改善期待)、F注目された米FOMCを通過したことに伴う材料出尽くし感、G昨年10/20に記録した直近高値7.95円の上方ブレイクが支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.99円(昨年6/16以来、約9ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/19午前4時20分現在)では7.97円前後で推移しております。

来週の見通し(3/21−3/25)

南アランド円相場は昨年11/26に記録した直近安値6.93円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて約9ヵ月ぶり高値となる7.99円(昨年6/16以来)まで急伸しました。この間、主要テクニカルポイント(一目均衡表雲下限や雲上限、一目均衡表転換線や基準線、90日移動平均線や200日移動平均線)を軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転や、強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクに端を発した資源価格の急上昇(南アフリカの主要産品である金やパラジウム価格の高騰→交易条件改善)や、Aインフレ昂進に伴う南ア中銀による追加利上げ観測が支援材料になると見られ、短期的には底堅い動きが継続すると考えられます。但し、B米FRBによるタカ派傾斜が中長期的に南アランドの重石となり得る他(米長期金利上昇→新興国から米国への資金流出圧力)、C国営電力会社エスコムによる相次ぐ計画停電(慢性的な電力不足→南ア経済への下押し圧力)、D過去最大規模の失業率を背景とした南アフリカ国内の政情不安、

Eロシア・ウクライナからの輸入価格上昇に伴うスタグフレーション懸念など、南アランド円相場の反落を連想させる材料も増えつつあります。以上を踏まえ、当方では短期的な南アランド上昇を想定しつつも、その続伸余地は限られると予想いたします(上値追いには要警戒)。尚、来週は3/23に発表される南ア2月消費者物価指数に加えて、3/24の南ア中銀金融政策決定会合に注目が集まります。南ア財務省が2022年のインフレ見通しを従来までの5.0%から5.5%へ上方修正したことから(南ア中銀のインフレターゲットレンジ3%ー6%の上限付近に近づきつつあることから)、市場では南ア中銀が3/24の会合で25bpの利上げに踏み切るとの見方が市場コンセンサスとなっております。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10

『約9ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。但し上値追いには要注意』

南アランド円日足

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