円安基調継続するも、ドル/円の上値重そう(3/17夕)

17日の東京市場でドルは強保ち合い。ただ、前日に一時乗せてきた119円台はやはり重く、ワンタッチするにとどまった。

円安基調継続するも、ドル/円の上値重そう(3/17夕)

円安基調継続するも、ドル/円の上値重そう

〇本日のドル円、119円台を一時回復するも続かず、118.60レベルまで振り落とされる局面も
〇本日米FOMCの結果公表、今年だけで0.25%の利上げ7回実施
〇利上げによる米株市場への悪影響が気になるが大きなドル安が進展する展開は予想しにくい
〇本日は米経済指標として2月鉱工業生産や新規失業保険申請件数などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは118.30-119.30

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場でドルは強保ち合い。ただ、前日に一時乗せてきた119円台はやはり重く、ワンタッチするにとどまった。

ドル/円は、118.75-80円前後を寄り付いたのち乱高下。レンジは40ポイント程度と決して広くなかったが、そのなかでなかなか激しい上下動を記録している。前日NYに続き、119円台を一時回復するも続かず、日中安値である118.60円レベルまで振り落とされる局面も観測されていた。16時現在、ドル/円は寄り付きと同水準で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、延長されていた「4回目の停戦交渉」が再開され、合意には至らなかったものの、複数報道で「大きな進展があった」などと伝えられている。たとえば英紙FTは「ウクライナ政府が中立化を宣言し、軍隊の制限を受け入れるなら、停戦しロシア軍が撤退する計画」などとかなり具体的な内容を報じていた。しかし、そうしたなかウクライナ当局が「ロシア軍は南部マリウポリで退避中の民間人車列を砲撃した」と非難するなど、現場レベルではまだまだ予断を許さない状況が続いている。

対して後者は、市場筋の期待が高かった米FOMCの結果が公表され、「0.25%の利上げ」が実施されたうえ、全体的なタカ派な内容に。とくにFOMCメンバーの考えが示された「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」は、今年だけで0.25%の利上げが7回実施されても不思議はないというものになった。また、その後のパウエルFRB議長会見でも「必要に応じて金融引き締めの動きを加速させることもありうる」と述べるなど、予想よりも強気の内容だったとの見方が有力だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日さらに続伸。2016年12月に記録した118.66円を超えると、ついに119円台へ。2016年2月以来のドル高値圏になる。一連のドル高の起点が2月末の114.40円としてもすでに4.7円ほど、大きな調整らしい調整もなくドル高が進展していることは気掛かりだが、リスクそのものはドル高方向か。一足飛びではないにせよ、120円方向に向けたドルの続伸を警戒する声も少なくないようだ。
先で指摘したように、FRBは昨日0.25%の利上げに踏み切っただけでなく、ドットチャートからすると、さらに0.25%の利上げが年内に6回実施されても不思議はない。対して日本は、引き続きデフレ警戒の様相で、利上げなど夢のまた夢。つまり、日米など金利差からすると、円を積極的に買う要因は乏しいと言わざるを得ない。利上げにともなうNYダウなど米株市場への悪影響が気になるところだが、大きく崩れることでもない限り、大きなドル安が進展する展開は予想しにくいだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は2016年2月以来の高値である119円台へと一時到達。2016年12月に記録した118.66円を突破しており、次の上値メドは以前にもレポートした2015年高値125.86円を起点に、2016年安値99円まで下落したことの76.4%戻しにあたる119円半ばレベルか。そのレベルも超えるようだと、いよいよ120円台乗せを否定できなくなりそうだ。
ただし、一本調子のドル高が進んでいるだけに、調整への動きも一応要注意。

材料的に見た場合、中長期的には新華社通信が「不動産税の試験導入を年内見送る方針」と報じ思惑を呼ぶ「中国情勢」、昨日岸田首相が「まん延防止法の21日全面解除」を表明し、日本もいよいよ平時に戻ることが明らかになった「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場への懸念」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月の鉱工業生産や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される。また、それらとは別にウクライナのゼレンスキー大統領がドイツ下院でビデオ演説を行うほか、英中銀による政策金利の発表も実施される見込みだ。こちらも注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは118.30-119.30円。昨日高値119.12円をめぐる攻防にまずは注目。抜けると119円半ばを意識した展開か。
対するドル安・円高方向は、118円半ばに弱いサポート。さらに118.20円前後もサポートとなるなど、なかなか底堅そうなイメージだ。

円安基調継続するも、ドル/円の上値重そう

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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