ドル円、高値圏から反落するも下値は堅い。日銀金融政策決定会合に注目(3/18朝)

17日(木)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、高値圏から反落するも下値は堅い。日銀金融政策決定会合に注目(3/18朝)

ドル円、高値圏から反落するも下値は堅い。日銀金融政策決定会合に注目

〇ドル円、FOMC後の材料出尽くし感と米長期金利急低下に米国時間午後にかけ118.36まで下落
〇その後は複数の米指標の好調に持ち直し、118.61前後まで持ち直す動き
〇ユーロドル、米国時間午後にかけて、3/2以来、約2週間ぶり高値となる1.1138まで急伸
〇ドル円、ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側で推移、買いシグナルも複数点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも地政学リスクの継続、日米金融政策の方向性の違い等ドル買い要因多い
〇本日、日銀金融政策決定会合、黒田総裁記者会見に注目
〇本日の予想レンジ:118.20ー119.20

海外時間のレビュー

17日(木)のドル円相場は上値の重い展開。@アジア時間早朝に発表された米FOMCがタカ派的な結果となったことで、直後は米金利上昇・米ドル高の流れが加速し、2016年2月3日以来、約6年1ヵ月ぶり高値となる119.11まで急伸しました。しかし、急ピッチで上昇した反動から利食い売りが強まると、A米FOMCを通過したことに伴う材料出尽くし感や、B上記Aを背景とした米金利の急低下(米ドル売り)、Cロンドンフィキシングに絡むドル売りフローが重石となり、米国時間午後にかけて、安値118.36まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、D良好な米経済指標(昨日発表された米2月住宅着工件数、米2月建設許可件数、米3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米新規失業保険申請件数は軒並み良好な結果)を受けた楽観ムードや、E米主要株価指数の堅調推移(リスクオンの円売り)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間3/18午前5時00分現在)では118.61前後まで持ち直す動きとなっております。

17日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。@米FOMCを通過したことに伴う材料出尽くし感や、A上記@を背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは米FOMC直後に約2年10ヵ月ぶり水準となる2.24%まで急上昇するも、昨日は一時2.11%まで急低下)、Bロシア・ウクライナを巡る停戦協議の進展期待、C欧州株の底堅い動き、D対英ポンドでのユーロ買い圧力(昨日発表された英中銀金融政策決定会合でBOEは政策金利を0.50%から0.75%に予想通り引き上げたものの、カンリフ副総裁が金利据え置きを主張していたことが判明した他、声明文においても、金融政策の先行き部分の表現を「追加利上げの可能性が強い」から「追加利上げの可能性がある」へトーンダウン→英ポンド売りが活発化)、

Eオランダ中銀クノット総裁による「年内2回の利上げも排除しない」とのタカ派的な発言、Fイタリア中銀ビスコ総裁による「金融政策を緩やかに正常化することは最も適切」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、3/2以来、約2週間ぶり高値となる1.1138まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間3/18午前5時00分現在)では、1.1095前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円はタカ派な米FOMCを材料に一時119.11(2016年2月3日以来、約6年1ヵ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、その後は戻り売りに押される形で118.36まで反落しました(ローソク足は8営業日連続陽線引けの後、昨日は久々の陰線引け)。但し、ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側で推移している他、強い買いシグナルを示唆する「三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」も継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(昨日の下落はあくまで急ピッチで進んだドル高・円安のポジション調整→一巡後の再上昇に警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの継続(週末に向けて停戦期待が剥落する恐れがある他、ブリンケン米国務長官はウクライナで米国民が死亡したと発表→米露関係の更なる悪化懸念→有事のドル買い)や、A米FRBのタカ派傾斜観測(前日発表された米FOMCで年内残り6回の利上げと早期バランスシート圧縮開始を示唆)、B日銀による金融緩和の長期化観測(本日発表される日銀金融政策決定会合で黒田総裁はハト派的なスタンスを再度強調する可能性あり)、C上記ABを背景とした日米金融政策の方向性の違い(キャリートレード再開の思惑→円独歩安の恐れ)、D米主要株価指数の堅調推移(米FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は「米経済は極めて好調。

D米主要株価指数の堅調推移(米FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は「米経済は極めて好調。向こう1年間のリセッションの確率は高くない」と発言→株式市場急伸→リスク選好のクロス円買い→ドル円連れ高)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はロシア・ウクライナを巡るヘッドラインに加えて、日銀金融政策決定会合や黒田総裁記者会見に注目が集まります(足元の円安進行を受けて黒田総裁がどのようなスタンスを示すかに注目。円安容認姿勢を示す場合にはドル円がもう一段上昇する恐れあり)。

本日の予想レンジ:118.20ー119.20

注:ポイント要約は編集部

ドル円、高値圏から反落するも下値は堅い。日銀金融政策決定会合に注目

ドル円日足

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