欧州中央銀行(ECB)政策金利発表(22/3/10)

開催中のECB金融政策会合の要旨が本日記者発表されます。

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表(22/3/10)

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表

(2022年3月10日木曜日:東京時間21時45分、ラガルド総裁記者会見は22時30分)

開催中のECB金融政策会合の要旨が本日記者発表されます。その後はラガルド総裁の記者会見が予定されています。 今回のECB会合でも前回に続き全てのエコノミストが政策金利やその他の金利に関する政策は据え置きを予想しレンジ幅もありません。

(1) 欧州中央銀行政策金利予想(3月10日9時00分現在)

(1)	欧州中央銀行政策金利予想(3月10日9時00分現在)

今回の注目点は
2月央まで高いインフレ率の傾向にECBも引き締め気味の運営をしていくことが予想されていました。しかしながら、北京オリンピック後にロシア軍がウクライナに侵攻し、前提条件が大きく狂い始めています。

@ 今回はウクライナでの戦争に対して、経済に与える影響をどの程度反映するのか。
A 商品価格高騰に伴い、今後のインフレの高まりの影響が出ますが、従来通りインフレは一時的と見做すのか。
B その意味で、今回は先行きのGDPとHICP見通しが公表予定になっていますが、下表にある12月時予想に対して上方修正されるのか、あるいは下方修正されるのかを注目したいと思います。
C ウクライナ問題そのものに関し、下記(2)でECB関係者の一部が言及していますが、その具体的考察がどの様になるかも注目したいと思います。
D また現状で、エコノミストは今年第4四半期に最初の利上げを予想している向きが多いですが、これを裏付ける内容になるのかも見たいと思います。

尚、今回はユーロスタッフによる経済見通しが公表される予定になっています。特にHICPコアの見通しがどの様に変化するかを注目したいと思います。
前回12月時のユーロスタッフによるGDP見直し、HICPインフレの予想は以下になっています。

(1)	欧州中央銀行政策金利予想(3月10日9時00分現在) 2枚目の画像

(出所:ECB HP)

(2)最近のECB関係者の発言

3月3日 レーンECB専務理事 「ウクライナでの戦争がもたらす経済への影響を注視」
                「経済回復に必要な措置を取る用意」
3月2日 デギンドスECB副総裁 「2月のインフレはネガティブサプライズ」
               「戦争によるエネルギー価格への影響はインフレ圧力を増す」
2月28日 ギリシャ中銀総裁  「短期的にはスタグフレーションの可能性ある」
2月28日 バネッタECB専務 「政策調整は緩やかで慎重なステップを踏むべき」
               「緩和策の解除が市場の混乱に繋がらないことが必要」
2月28日 ポルトガル中銀総裁 「金融政策は段階的に忍耐強くするべき」
               「中立的な移行が必要であり、それは歓迎」
2月25日 ラガルドECB総裁 「包括的な評価は3月10日に行われる」
「安定に必要ならいかなる措置も講じる用意」
2月25日 シュナベールECB専務理事 「現在の例外的な措置を撤回することでインフレ圧力が緩和される可能性ある」「戦争の衝撃が世界経済の見通しを曇らせる」

(3)前回のECB記者発表の一部抜粋

前回(2月3日)会合の記者発表要旨の一部は以下になっています。パンデミック債は終了になりましたので、APP債の項目から下記しています。

(3)前回のECB記者発表の一部抜粋

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(3)前回のECB記者発表の一部抜粋 2枚目の画像

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図はユーロドルの週足チャートです。2020年3月中旬底値からのサポートラインA(=1.2100)は既に下抜けており、現在はユーロ安トレンド内にいます。さて3月に入りユーロは乱高下しており、そのトレンドラインはどこにあるかを探ると、今回は底値を結んだサポートラインB(=1.0780)とそこから平行に上げたC(=1.1160)とD(=1.1340)が形成されています。現状ではまだBとC内のユーロ安下での戻り高トライにいますが、Cを越えた場合はDが目安になります。
また、一度下抜けたE(=1.0960)のサポート内に回帰してきました。このまま週末にE以上で終わると、そこから平行に上げたF(=1.1670)で大きなレンジのユーロ安が形成されます。このライン上限までの戻りをやるか、そのまま再下落するかはCとDがポイントになります。
今日のECBの金融政策の行方やウクライナの問題がありますので、ユーロは乱高下が予想されます。この大きなレンジを目安にして売り買いになりそうです。

(3)前回のECB記者発表の一部抜粋 3枚目の画像

(2022年3月10日10:45、1ユーロ=1.1045ドル)

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