シカゴポジション(CME)324
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年03月01日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴは上記4通貨では豪ドルとユーロは米ドル売り、NZドルと円は米ドル買いになりました。しかしながら、先週の締日以降は、4通貨共にシカゴの相場観とは大きく違う方向に進んでおり、明日(3月8日締日)のポジション動向が大きく意味を持つと思います。
まず豪ドルですが、ややポジションを手仕舞いしていますが、締日以降に約200ピップスの豪ドル高になっています。ショートを積み上げ始めたのが0.76台からで、0.75割れ時にはまだ24,000枚のショートでした。その後は戻りで売ってもベストで0.73〜0.74絡みとなっています。その後は0.70割れもあったので上手く売り買いしても、現在のスポットとほとんど同じ水準の持ち値と思われます。またシカゴの豪ドルショート戦略開始は昨年6月初からですので、ほぼ10ヶ月経過しており、ポジション期間も長くなっています。過去には最大で2年間ショートで攻めた期間(1回)もありましたが、約6〜7ヶ月でネット1〜2万枚程度までポジション調整(利益確定)してから再積み上げしており今回とは様相が異なります。その意味で明日締日のポジション残高は重要です。これまでのパターンならショート減少と思いますが、もしここで再積み上げすれば、今回の豪ドル戻り高も一時的とシカゴは見ていることになります。
一方、NZドルはネットショートを積み増しした形になっていますが、もともとショートのコストが悪い(ショートメークは0.6750〜0.6800付近がベストの売りで、現スポットは含み損です)のでロングの利確、一部ショートの損切りした形です。豪ドル同様に先週締日以降140ピップスも上げているので、売り上がったのか、手仕舞いしたのか注目したいと思います。
ドル円は総枚数増やしてのネットドルロング増ですので、ドル先高観が強いままです。現状では過去と比べてドルロングの期間が長くなり過ぎていることが要注意になります。ユーロは更にユーロロング増となり、買い下がりが鮮明になりました。しかしながら、先週締日は1.1125の終値、木曜・金曜日で200ピップスのユーロ下落ですので、ここまで積み上げて損切りしたのか、まだ買い下がっているのか注目します。ここで増やしていればユーロ先高の相場観はかなり強いことになります。ショートのコストは完全に含み損と思われます。
先週のシカゴは、ロング6,800枚減、ショート4,200枚減で、ネット2,600枚のショートポジション増になりました。次の目安であった14,000枚〜15,000枚の水準まできました。内容はリスク減で、ロングポジションの利確、ショートの損切りになっており、持ち値は一層悪くなっています。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドラインは0.6750〜0.7100にありましたが、締日終値は0.6755ですので丁度掛かって終わりました。しかしながら、現在のスポットは0.6890台ですので、完全にレンジ内に戻っています。シカゴのショートコストは非常に悪いので、レンジ上限の0.7100まで売り上がる気合いを持っているのか疑問です。明日のポジションでショート積み増しか損切りかを見たいと思います。
さて実際の相場は、先週のNZドル高トレンドの0.6630〜0.6830レンジの上限を上抜けるNZドル高になりました。もう1本平行に上げた高値0.6990を上限にしたトレンドラインがあります。従いまして、現在は0.6830〜0.6990レンジのNZドル高トレンドで上値トライする流れにいます。逆にレンジ下限の0.6830を割った場合は0.6630方向の下押しになります。上値は0.6920、0.6960、0.6990の順に抵抗線あり、最後は0.70の大台代わりの心理的抵抗線も控えているので、ここでは一度止まる可能性高くなっています。(1NZドル=0.6900米ドル、3月7日14:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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