2回目の停戦協議を注目、果たして進展は
〇本日のドル円、高値圏で推移し16時現在は115.65-70
〇ロシアとウクライナの2回目の停戦協議、本日中に実施見込み
〇パウエル議長「3月の利上げは適切」と積極的な利上げを示唆する強気のコメント
〇本日は2月ISM非製造業景気指数や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.30-116.20、レンジ上限115.80が最初の抵抗
〇移動平均21日線(115.20-35を)割り込めば115円割れ、1日安値114.70がターゲット
<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場はドルが小高い。ただ上値は重く、115円後半では上げ渋りの様相を呈している。
ドル/円は115円半ばで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。30ポイント程度の値動きにとどまったが、そのなかでもドルは高値圏で推移する時間帯が長かった。ただ、先月末高値の115.79円にはとどかず、ドルは上値の重さを再確認した感も。16時現在では115.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、タス通信が「2日に行う」と報じていたロシアとウクライナの2回目の停戦協議は結局実施されず。そののち、ウクライナ高官から一日順延された「3日に行う」とのコメントが発せられており、本日中には実施される見込みだ。しかしながら、ロシア軍はウクライナの首都キエフのインフラに対する攻撃を一段と激化させるなど、着々と侵攻作戦を進めており、話し合いがスムーズに進むとは思えないといった悲観的な見方をする向きも少なくない。
対して後者は、発表された2月のADP雇用統計が予想よりも好数字となるなか、半期の一度の議会証言でパウエルFRB議長から「3月の利上げは適切」との発言が聞かれていた。また、ウクライナ情勢を不確実要因に挙げながらも、「インフレが高過ぎる状態が続けば、より大幅な利上げの可能性を閉ざさない」などと指摘。積極的な利上げを示唆する、強気のコメントが目に付いている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、大局的にはレンジ内ではあるものの引き続き落ち着かない動き。115円を挟み、上下に振れるなかなか荒っぽい変動をたどっている。足もとは、過去2週間程度推移する114.40-115.80円の上限を意識した動きだが、果たして「しっかり」と超えられるのかにまずは注目だ。ただ、一時的に上抜けても失速、再びレンジ内へとブルバックするとの見方も一部で取り沙汰されていた。
とくに新味はなかったものの、それでもパウエルFRB議長から「3月の利上げは適切」とのコメントが聞かれるなど、米利上げ観測がさらに強く裏打ちされたと言えそうだ。しかし、同時に「ウクライナ情勢を不確実要因」に挙げられており、金融市場でも直接、間接の両面で影響が注視されている。本日は、実施される2回目の停戦協議に注目で、またウクライナ情勢について開催が検討しているとされる日米とインド、豪州という4ヵ国首脳による「クアッド」のオンライン協議にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は115円を挟んだレンジ内での往来相場。値動き自体はなかなか激しいのだが、方向性はいまだ乏しい状況だ。ドルはこのまま続伸し、レンジ上限の115.80円を超え116円台回復を期待する声も少なくないが、いわゆるダマシも多い相場だけに一筋縄ではいかないと警戒感を抱く向きが多い。一方、昨日回復してきた移動平均の21日線(115.20円台)をクリアに下回れば、114円台突入も否定できなくなりそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には「ロシアに五輪終了までのウクライナ侵攻延期を要請していた」と米紙で報じられた「中国情勢」、本日午後7時から岸田首相が会見し「まん延防止」の諮問方針を説明すると発表のあった「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月のISM非製造業景気指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、昨日に続きパウエルFRB議長の議会証言も予定されている。また、先で指摘した「停戦協議」をはじめとするウクライナ関連のニュースなどにも引き続き注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.30-116.20円。レンジ上限にあたる115.80円が最初の抵抗。上抜けると2月11日以来の116円台回復も。
対するドル安・円高方向は、昨日まで抵抗だった移動平均の21日線(115.20-35円)をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと115円割れ、1日安値の114.70円がターゲットに。
ドル円足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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