ドル円、ウクライナ情勢を睨みながらの神経質な展開。本日は米雇用統計に注目(3/4朝)

3日(木)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。

ドル円、ウクライナ情勢を睨みながらの神経質な展開。本日は米雇用統計に注目(3/4朝)

ドル円、ウクライナ情勢を睨みながらの神経質な展開。本日は米雇用統計に注目

〇ドル円、米国時間午後にかけ安値115.39まで反落
〇停戦協議での不首尾、仏マクロン大統領に示したプーチン大統領の強硬姿勢、米指標不冴えが重石
〇WTI原油先物相場は116.57ドルまで急伸後、イランが核合意受け入れ報道に106.43ドルに急落
〇ユーロドル、米国時間午後にかけて、約1年9ヵ月ぶり安値1.1034まで下落
〇ドル円、転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日線を上抜けテクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも有事のドル買い、日米金融政策の方向性の違いがドル円上昇材料
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日は米2月雇用統計に注目
〇本日の予想レンジ:115.00ー116.00

海外時間のレビュー

3日(木)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。@ロシア・ウクライナの第2回停戦協議(ポーランド国境に近いベラルーシ西部で開始)への期待感や、A株式市場の堅調推移(リスク回避ムード後退)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値115.82(2/15以来、約2週間ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Bロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの再燃(上記@の停戦協議で期待した結果が得られなかったことや、プーチン露大統領がマクロン仏大統領との電話会談の中で「いかなる状況でもウクライナにおける軍事作戦の目的を達成する」と強硬姿勢を示したこと)や、C米2月ISM非製造業景況指数(結果56.5、予想61.0、前回59.9)の冴えない結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値115.39まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/4午前5時00分現在)では、115.42前後で推移しております。尚、WTI原油先物相場は一時116.57ドルまで急伸するも、イランが核合意を受け入れるとの報道が流れたことで、一転して106.43ドル近辺まで急落する展開となりました。

3日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの継続や、A上記@を背景とした有事のドル買い圧力、B欧州経済のスタグフレーション懸念(原油や天然ガスなどエネルギー価格高騰に伴う欧州経済への下押し圧力。オランダTTF天然ガス先物はヒストリカルハイを更新。ハベック独経済相は「エネルギー価格高騰がドイツの景気回復を遅らせる見通し」と発言)、Cユーロ圏2月総合PMI(結果55.5、予想55.8)の冴えない結果、D欧州株の大幅下落が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1034(2020年5月以来、約1年9ヵ月ぶり安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/4午前5時00分現在)では、1.1061前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は2/24に記録した安値114.40をボトムに反発に転じると、昨日は一時115.82まで急伸しました(米国時間午後にかけて下落に転じるも下値は堅い。115円台を維持)。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダーやダウ理論の上昇トレンドも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。目先は1/4に記録した約5年ぶり高値116.36や、2/10に記録した高値116.35を試すシナリオが想定されます。ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した地政学的リスクの高まり(週前半までは「リスク回避の円買い」での反応が主流でしたが、週央以降は「有事のドル買い」での反応にシフト)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(バイデン米大統が一般教書演説の中で「インフレ抑制姿勢」を明確化させた他、パウエルFRB議長も半期に一度の議会証言の中で25bp利上げをメインシナリオとしつつも50bp利上げの可能性を排除しなかったこと)、

B日銀による金融緩和の長期化姿勢、C上記ABを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は今週のメインイベントでもある米2月雇用統計に注目が集まります。前哨戦として注目された米2月ADP雇用統計が力強い結果を示したことや、昨日発表された米新規失業保険申請件数が改善を示したことなどを踏まえると、今晩発表される米雇用統計がポジティブサプライズに繋がる可能性は十分あると考えられます。前月同様、良好な雇用情勢が示される場合などには、次回FOMCでのタカ派傾斜観測→米金利上昇→米ドル高の経路でドル円に強い上昇圧力が加わる可能性もあるため、今晩はドル円のアップサイドリスクに特に注意を要する1日となりそうです(3/15ー3/16に開催される米FOMCに向けて、明日3/5よりブラックアウト期間に突入)。

本日の予想レンジ:115.00ー116.00

ドル円、ウクライナ情勢を睨みながらの神経質な展開。本日は米雇用統計に注目

ドル円日足

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