豪州中銀金融政策記者発表(22/3/1)

2022年3月1日開催分

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豪州中銀金融政策記者発表(22/3/1)

豪州中銀金融政策記者発表

昨日開催の豪州中銀金融政策は従前の予想通り、キャッシュレート(OCR)などの金利面では据え置きを決定しました。また、保有債券の縮小に関する内容はありませんでした。前回会合でこの議論は5月会合と述べていますので、次回にはそのさわり程度は出るかもしれません。また、オミクロン株の影響はあるものの豪州経済は堅調推移と述べています。次回の金融政策は4月5日(火曜日)に予定されています。

(金融政策決定)

本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を10ベーシスで、為替決済残高に関してはゼロ%で維持することを決定した。

世界経済はパンデミックから回復を継続している。しかしながら、ウクライナの戦争が新たな不確実性の主要源となった。世界各地のインフレは、エネルギー価格の急騰や強い需要時に供給チェーンの混乱があり急激に上昇した。多くの商品価格はウクライナの戦争で一段と上昇した。債券のイールドは先月に上昇し、将来の政策金利の期待が高まっている。

豪州経済は依然として活発であり、支出はオミクロン株の停滞で持ち直している。家計や企業のバランスシートは全般的に良好な状態で、企業投資の増加も進行中であり、大規模なパイプライン建設が完了しつつある。マクロ経済政策も成長を支えている。

経済の回復力は労働市場で証明されている。失業率は14年振りの最低水準である4.2%になっている。不完全雇用もまた2008年以来で最も低い数値である。オミクロン株の影響で1月の労働時間は大きく減少したが、感染率の低下や高水準の求人は、今後数ヶ月で大きく立ち直ることを示している。中銀の中央見通しでは失業率が年末に4%以下まで下がり、来年には4%以下で推移すると見ている。

賃金の伸びは回復したが、全体ではパンデミック前に良かった時の低い割合と同じ位である。更なる賃金の伸びや労働コストのより広範な対策が労働市場のタイト化と共に期待されている。歴史的に低い失業率の状況で労働コストの動態に不確実性があるが、この持ち直しはまだ緩やかであると予想される。

インフレは中銀が予想していたものより早く上昇した。しかし、他の多くの国よりはまだ低いままである。総合消費者物価に対する中央見通しは次の数4半期で3.25%まで上昇すると見ている。その後、供給サイドの問題が解決され消費パターンが正常化すれば 2023年にかけて2.75%まで下がる見込みである。CPIインフレ率は、地球規模の進展から起因するより高い原油価格により、これより高くなる。供給チェーンの混乱解決にどの位の時間がかかるのかはインフレ見通しを勘案する上で、世界のエネルギー市場の動向と同様に、不確実性の重要な要因である。

豪州の金融情勢は依然として高度な緩和状態が続いている。最近幾つかの固定金利が上がっているが、金利は非常に低い水準のままである。豪ドルの為替レートは過去1年近辺で低いところにいる。住宅価格は、上昇率が幾つかの都市で緩んではいるものの、猛烈に上昇した。金利は歴史的に低い中、貸出基準が維持され借り手は適切な余力をもっていることが重要である。

委員会は、豪州内での完全雇用や目標と一致するインフレに向かうことを達成するため、高度な金融支援状態を維持することを約束している。委員会は実質のインフレが持続的に目標とする2〜3%レンジに収まるまではキャッシュレートの引き上げはしない。インフレは上昇しているが、目標バンド内に持続的に推移していけるかを結論付けるには時期尚早である。世界的なエネルギー市場の最近の動きや進行中の供給問題もあるが、インフレ上昇がいかに持続的になるかについては不確実性がある。同時に、賃金の伸びはまだ緩やかであり、労働コストの伸びが目標内に持続的に収まるインフレと一貫した割合になるまでにはまだ時間がかかるだろう。委員会は豪州内のインフレに与える様々な要因がどの様に進化するか監視するために忍耐強い準備ができている。

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP

豪州中銀の金融政策は予想通りの内容になりました。発表前は1豪ドル=0.7250ドル付近でしたがほとんど動かず、夕方にかけ0.7290まで買われましたが、NY引けは0.7250〜55付近まで緩んで終了しています。
今日の第4四半期GDPは予想を上回りましたが、10ピップス程度豪ドルが買われただけで、0.7260付近で小動きとなっています。
昨日のGDP見通しで添付した抵抗線B(=0.7280)付近で上値止められていますが、金融政策の内容や予想以上のGDPに売りも出てきません。上値は0.7280〜90を越えれば0.7310〜20方向トライになりそうです。下値は0.7230、0.7200〜10、0.7150〜60の順にサポートあり、最初のサポートを下抜けて終わると下押しが継続しそうです。
(2022年3月2日10時00分、1豪ドル=0.7263米ドル)

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