トルコリラ週報:『狭いレンジ内で上値重く推移。膠着相場からの下放れに要警戒』(2/19朝)

トルコリラの対円相場は狭いレンジ内での膠着相場が続いております

トルコリラ週報:『狭いレンジ内で上値重く推移。膠着相場からの下放れに要警戒』(2/19朝)

『狭いレンジ内で上値重く推移。膠着相場からの下放れに要警戒』

〇トルコ円、地政学リスクとフィッチによる格下げ実施が重石となり、週初週間安値8.40まで下落
〇その後トルコ中銀の政策金利据え置きに幾分持ち直すも、ウクライナ情勢再緊迫化で8.42前後に反落
〇トルコ円狭いレンジでの膠着続くも、ファンダメンタルズ悪く、早晩リラ安に転じるか
〇来週は膠着相場からの下放れに要警戒
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):8.20ー8.60

今週のレビュー(2/14−2/18)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初8.53円で寄り付いた後、早々に週間高値8.61円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、@ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まりや、A上記@を背景とした市場心理の悪化(リスクオフ再燃)、B格付け会社フィッチによる格下げ実施(トルコのソブリン格付けをBBマイナスからBプラスに引き下げ)が重石となり、翌2/15にかけて、週間安値8.40円まで下落しました。その後は、Cトルコ中銀による政策金利の据え置き(1週間物レポレートを14.0%に据え置くと共に、声明文もサプライズなし→トルコ中銀による利下げ観測後退)を受けて幾分持ち直す場面も見られましたが、Dエルドアン大統領によるサウジアラビア訪問の延期発表や、Eトルコ2月消費者信頼感指数(結果71.2、前回73.2)の冴えない結果、Fウクライナ情勢の緊迫化(エルドアン大統領は仲裁に乗り出すも実現できず→ロシアやウクライナからのトルコへの観光客減少懸念→トルコ経済の先行き不透明感)などが重石となると、本稿執筆時点(日本時間2/19午前3時20分現在)では8.42円前後で値を崩す展開となっております。

来週の見通し(2/21−2/25)

トルコリラの対円相場は狭いレンジ内での膠着相場が続いております(昨年後半にかけての大暴落の後、年末から足元にかけて8円台半ばを中心としたレンジ相場が継続中)。主要チャートポイントがローソク足近辺に密集している他、ボリンジャーバンドも急激に縮小するなど、テクニカル的に見てレンジ相場の継続が意識されます(市場全体がリスクオフに揺さぶられる環境下においても、トルコリラは不自然なほど低ボラティリティ環境が継続)。背景には、トルコ中銀が昨年12月に始めたリラ建て預金の米ドルペッグ措置(為替差損補填政策)や、外貨準備拡充を企図したUAEとの通貨スワップ締結、トルコ中銀による非公式な為替介入、市場参加者によるトルコ離れ(投資家によるトルコリラへの興味低下)の組み合わせ(複数要因)が挙げられます。

但し、こうした動きが長期化するとは考えにくく、今後は、@米FRBによるタカ派転換(トルコはGDP対比で対外債務が大きく、更に経常収支赤字と外貨準備高の乏しさも揃っているため、対外債務返済能力は極めて脆弱。つまり、米FRBによる金融引き締めはトルコに大きなダメージを与える恐れ)、Aトルコ中銀による追加利下げ観測(エルドアン大統領による追加利下げ圧力は残存)、B上記@Aを背景としたトルコから米国への資金流出圧力、Cトルコ経済の先行き不透明感(インフレ昂進を受けてトルコ政府は付加価値税の大幅減税に踏み切るも、市場では懐疑的な見方が大勢)、Dトルコ中銀による外貨準備の脆弱さなどを背景に再びリラ安に転じるシナリオが想定されます(現在の値動きは嵐の前の静けさと整理)。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(来週は膠着相場からの下放れに要警戒)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):8.20ー8.60

『狭いレンジ内で上値重く推移。膠着相場からの下放れに要警戒』

トルコ円日足

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る