トルコリラ円見通し ウクライナ情勢緊迫によるドル高とクロス円の円高に圧迫される(22/2/15)

トルコリラ円の2月14日は8.55円から8.46円の取引レンジ、15日早朝の終値は8.48円で先週末2月11日終値の8.53円からは0.05円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し ウクライナ情勢緊迫によるドル高とクロス円の円高に圧迫される(22/2/15)

トルコリラ円見通し ウクライナ情勢緊迫によるドル高とクロス円の円高に圧迫される

〇トルコリラ円、2/14午前のドル円反発時に8.55まで戻すも、夜のドル円失速と共に8.46まで下落
〇その後露外相が西側との協議継続姿勢示すと一時8.52まで戻すが勢い続かず、8.50円を割り込む
〇対ドル、ドル高に圧迫される形で2/14深夜に13.61へ安値を切り下げる
〇対円、1/12以降下値支持線切り上がり、上値抵抗線切り下がるレンジ縮小型三角持ち合いの様相
〇8.52超えからは、8.55前後への上昇を想定する
〇8.46割れからは、8.40台序盤(8.43から8.40)を試すとみる

【概況】

トルコリラ円の2月14日は8.55円から8.46円の取引レンジ、15日早朝の終値は8.48円で先週末2月11日終値の8.53円からは0.05円の円高リラ安となった。
2月3日に8.40円まで下げたところから持ち直しに入り2月11日未明に8.61円まで上昇してきたが、1月後半からは8.60円を超えるところでは戻り売りにつかまるパターンを繰り返しており、11日未明の8.60円超えも戻り売りにつかまった格好だ。
ドル円は2月10日夜に116.33円まで上昇した後も116円を挟んで確りしていたがウクライナ情勢の緊迫化からリスク回避感が強まったため、12日早朝に115.00円まで急落となり、トルコリラ円もドル円の急落に圧迫されて12日早朝には8.51円まで失速していた。

2月14日午前にドル円が反発したところでトルコリラ円も8.55円までいったん戻していたが、14日夜にドル円が114.99円まで失速した場面では8.46円(ベンダーによっては8.44円や8.38円の安値提示も見られた)まで安値を切り下げた。ロシアのラブロフ外相が西側との協議継続姿勢を示したことでドル円が反発してトルコリラ円も8.52円まで再び戻したものの、ウクライナ情勢の緊迫感を助長する報道も相次いだために勢いは続かずに8.50円を割り込んだ。

【対ドルでは2月8日からのジリ高基調続く】

ドル/トルコリラの2月14日は13.61リラから13.49リラの取引レンジ、15日早朝の終値は13.58リラで先週末2月11日終値の13.51リラからは0.07リラのドル高リラ安となった。
2月8日夜安値13.66リラへのドル高リラ安が一巡して揺れ返しの上昇に入り、2月11日には13.43リラまで高値を伸ばしてきたが、ウクライナ情勢の緊迫感が増したことで11日夜からはドルストレートでのドル高、クロス円での円高と風向きが変わり、トルコリラも対ドルで下落に転じて13.50リラ台へ失速した。

2月14日もウクライナ情勢での緊張感は継続、露外相による協議継続姿勢をプーチン大統領が了承したとの報道で一時的に緩む場面もあったが、ウクライナのゼレンスキー大統領が2月16日にはロシアが侵攻してくる可能性があると発言したことや米大使館機能が首都キエフから移動し始めたことなどから緊張感はさらに増しており、米連銀高官による利上げを急ぐ姿勢等も重なって15日早朝にかけてはユーロドルが一段安となるなどドルストレートでのドル高が継続、トルコリラもドル高に圧迫される形で14日深夜には13.61リラへ安値を切り下げた。 トルコのエルドアン大統領は2月3日にウクライナを訪問し、軍事ドローン生産ライセンスで合意するなど武器輸出でロシアを刺激している。ロシアとの仲介姿勢を示したものの実現はせず、かえってウクライナ情勢にとっては火に油を注ぐ立場と思われる。

【1/12以降の三角持ち合い支持線を試す】

トルコリラ円は1月3日安値8.13円から当日高値9.00円までいったん戻した後はこの高安レンジ内での推移を続けている。12月20日への大暴落と12月23日への急反騰及びその後の反落という大きな変動を伴った乱調な展開の後のため、日足チャートで見れば8円台でほぼ横ばいの推移となっている。
その中においても、1月10日安値以降は底上げ基調にあり、1月14日安値8.32円から1月27日安値8.39円、2月3日安値8.40円と安値ラインは切り上がってきた。一方で戻り高値は1月12日の8.70円から1月31日の8.67円と切り下がり、2月11日夜高値も8.61円にとどまって切り下がり基調の範囲にとどまり、下値支持線がやや切り上がりつつ上値抵抗線が切り下がるレンジ縮小型の三角持ち合いの様相といえる。
また1月14日以降で見れば、1月31日高値を中心として両サイドの1月20日高値8.49円と2月11日高値8.61円があり、これら3つの高値で三尊型=トリプルトップを形成しつつある。

これらの状況を踏まえると、8.45円を割り込む場合は底上げ基調にある三角持ち合いの下値支持線を割り込むこととなり、さらに2月3日安値8.40円を割り込むと持ち合いの中における三尊天井型を形成することとなり下落感が強まる可能性が考えられる。2月3日安値割れを回避して8.55円以上へ切り返せば下値支持線の底上げ基調は維持されるので三角持ち合い上放れへ向かう可能性も残るが、8.40円以下での推移が続き始める場合は年初からの8円台での持ち合いからも転落する可能性が高まると警戒される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月8日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして2月9日夜から11日深夜にかけての間への上昇を想定してきたが、11日夜高値で8.61円を付けたところでサイクルトップを付けて弱気サイクル入りしている。
安値形成期は8日夕安値を基準とすれば11日夕から15日夕にかけての間と想定されるため、15日夜に14日夜反発時の高値8.52円を超えれば強気サイクル入りとして16日夜から18日夜にかけての間への上昇を想定するが、14日夜反発時の高値を超えられずに安値更新が続く場合は、14日夜安値を直近のサイクルボトムとして底割れからの新たな弱気サイクル入りとして17日夜から21日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、2月11日夜からの下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。遅行スパン好転からは先行スパン突破を試す上昇を想定するが、先行スパンを突破できずに遅行スパンが悪化するところからは下げ再開と考える。

60分足の相対力指数は2月14日夜に30ポイント割れまで低下してからやや下げ渋りだが、50ポイントに届かない範囲にとどまっているのでもう一段安余地ありとみる。強気転換は50ポイント到達からとしその際は60ポイント台前半への上昇を想定するが、50ポイントを超えた後に40ポイントを割り込む場合は下げ再開と考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)8.46円を下値支持線、8.52円を上値抵抗線とする。
(2)8.52円超えからは8.55円前後への上昇を想定する。8.55円以上は反落注意とみるが8.50円以上での推移が続く場合は16日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)8.46円割れからは8.40円台序盤(8.43円から8.40円)を試すとみる。8.42円以下は反落注意とするが、8.46円以下での推移が続く場合は16日の日中も安値試しを継続しやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月15日
 17:00 1月 財政収支 (12月 -1457.4億リラ)
2月17日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 14.00%)
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 2/11時点 (2/4時点 757.2億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 2/11時点 (2/4時点 163.3億ドル)
2月18日
 16:00 2月 消費者信頼感指数 (1月 73.2)
2月21日
 17:00 1月 観光客数 前年比 (12月 170.6%)
 23:30 1月 中央政府債務 (12月 2兆7477億リラ)
2月22日
 16:00 2月 製造業景況感 (1月 109.5)
 16:00 2月 設備稼働率 (1月 77.6%)



※ポイント要約は編集部

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