トルコリラ円見通し 2月3日からジリ高基調だが、中勢では8円台の持ち合い範囲(22/2/10)

トルコリラ円の2月9日は8.54円から8.48円の取引レンジ、10日早朝の終値は8.52円で前日終値の8.51円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 2月3日からジリ高基調だが、中勢では8円台の持ち合い範囲(22/2/10)

2月3日からジリ高基調だが、中勢では8円台の持ち合い範囲

〇トルコリラ円、10日早朝の終値8.52で前日から0.01円の円安リラ高
〇株高によるリスク選好感とウクライナ情勢及びインフレ進行感を背景に新興国通貨買われる
〇トルコリラも対ドルでやや上昇、ドル円が上昇基調維持でトルコリラ円も下支えられる
〇本日は米1月消費者物価上昇率発表、為替市場全般が動きやすいと注意
〇8.56を超える場合は8.58台から8.60にかけてのゾーンへの上昇を想定
〇8.50割れから続落なら弱気転換注意、8.48割れからは下落期入りとして8.43前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の2月9日は8.54円から8.48円の取引レンジ、10日早朝の終値は8.52円で前日終値の8.51円からは0.01円の円安リラ高だった。ベンダーによっては安値で8.44円等のレートも見られた。
2月9日は欧米の重要指標発表はなく、トルコの独自材料にも欠けて手掛かり難だったが、上海総合株価指数やNYダウが3連騰となり株高によるリスク選好感とウクライナ情勢及びインフレ進行感を背景に豪ドルや南アランド等資源輸出国通貨や新興国通貨が買われたためにトルコリラも対ドルでやや上昇し、ドル円も日米長期金利差の拡大基調を背景に上昇基調を維持していることでトルコリラ円も下支えられた。
今夕はトルコの12月失業率、夜には週次の外貨準備高の発表がある。

【対ドルでやや上昇】

ドル/トルコリラの2月9日は13.60リラから13.49リラの取引レンジ、10日早朝の終値は13.52リラで前日終値の13.55リラからは0.03リラのドル安リラ高だった。
2月4日早朝に13.27リラまでドル安リラ高となったところから2月8日夜には13.66リラまでドル高リラ安の揺れ返しとなっていたが、13.60リラ台ではリラの買い戻しも入って持ち直した。1月18日の13.67リラや1月27日の13.66リラでも買い戻されて反騰入りしており、1月13日以降は13リラ台序盤で売られ13.70リラ前後では買い戻されるレンジ相場となっているため、目先はややドル安リラ高へ進みやすいところかもしれないが、積極的にリラ買いを仕掛けるきっかけには欠ける印象だ。
今晩は米1月消費者物価上昇率の発表があるので為替市場全般が動きやすいと注意したい。

【株高と資源通貨高】

米連銀による3月FOMCにおける利上げ予想と共に主要国中銀による金融引き締め姿勢も強まっているため、為替市場におけるドルの強弱はややまちまちなところがあるが、2月9日はユーロドルが2月4日への上昇一服で横這い程度の動きだったものの豪ドルや南アランド等の上昇が目立った。
豪ドル米ドルは2月9日深夜に0.7194ドルへ上昇して1月28日夜安値からの上昇も二段上げ型に発展して継続している。NZドル米ドルも同様に1月29日未明安値以降の高値を更新した。
対ドルでの南アランドも2月8日夕刻まで反落していたところから切り返しに入り1月28日深夜以降の高値を更新、メキシコペソも対ドルで20.40ペソ台へ上昇して1月28日深夜安値以降の高値を更新した。
NYダウが2月7日から3連騰となり、8日と9日は前日比で300ドル高を超える連騰だったこと、上海総合株価指数も春節の大型連休前へ下落していたところから連休明けに3連騰と切り返しに入っていることで、株高からのリスク選好感が資源通貨、新興国通貨への買い意欲を回復させている印象だ。

NY原油は2月4日に93.17ドルまで上昇して2014年10月以来の高値水準となり2020年4月底以降の最高値を更新してからは上昇一服となっているものの90ドルを挟んだ水準で確りしており、ウクライナ情勢も踏まえて100ドル台を目指す可能性も指摘されている。
世界規模の感染拡大はやまない状況にあるがウィズコロナ政策による景気回復基調は継続しており、人手不足とモノ不足によるインフレ進行感が強まっていることが国際原材料相場の高騰を招き、資源輸出国通貨には押し上げ要因となっている。こうした状況はトルコリラにとって高インフレの継続感でマイナス要因ではあるものの、資源通貨や新興国通貨の上昇によりドル高圧力が弱まるという側面ではトルコリラには多少の下支えとなっているのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月4日夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、2月8日夕刻安値からの反騰で2月4日夜高値を上抜いたため、2月9日午前時点では2月8日夕安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りとして9日夜から11日深夜にかけての間への上昇を想定した。
2月9日夕刻へ小反落したものの8.50円割れを買い戻されて10日早朝へ高値を切り上げているのでまだサイクルトップ形成中とみるが、前回サイクルトップから3日を経過しているので8.50円割れを弱気転換注意とし、8.48円割れからは弱気サイクル入りとして11日午後から15日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、2月8日夜の反騰で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いたが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月9日夕刻への下落時に50ポイントを割り込んだものの切り返して10日午前には60ポイント台中盤へ上昇している。このため50ポイント以上を維持するうちは70ポイント台への上昇余地ありとみるが、2月9日早朝から10日早朝への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行の気配が見られるため60ポイント割れを弱気転換注意とし、50ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)8.48円を下値支持線、8.56円を上値抵線とする。
(2)8.50円以上での推移か一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとし、8.56円を超える場合は8.58円台から8.60円にかけてのゾーンへの上昇を想定する。8.58円以上は反落注意とするが、8.50円以上での推移なら11日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)8.50円割れから続落の場合は弱気転換注意とし、8.48円割れからは下落期入りとして8.43円前後への下落を想定する。8.43円以下は反騰注意とするが、8.48円以下での推移なら11日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月10日
 16:00 12月 失業率 (11月 11.2%)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 2/4時点 (1/28時点 716.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 2/4時点 (1/28時点 105.3億ドル)
2月11日
 16:00 12月 鉱工業生産 前月比 (11月 3.3%)
 16:00 12月 鉱工業生産 前年同月比 (11月 11.4%)
 16:00 12月 小売売上高 前月比 (11月 1.3%)
 16:00 12月 小売売上高 前年同月比 (11月 16.3%)
 16:00 12月 経常収支 (11月 -26.81億ドル)
2月15日
 17:00 1月 財政収支 (12月 -1457.4億リラ)
2月17日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 14.00%)
 20:30 週次 外貨準備高 2/11時点

注:ポイント要約は編集部

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