米1月消費者物価指数(CPI)予想(22/2/10)

本日(10日)、米国1月消費者物価指数(CPI)が公表されます。

米1月消費者物価指数(CPI)予想(22/2/10)

米1月消費者物価指数(CPI)予想

本日(10日)、米国1月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回12月分は予想をやや上回り、インフレ懸念の高まりを示しました。今回1月は更に上昇見込みとなっています。特に前月比ベースでは全体よりもコアの数値の伸びが高くなっているので、食品・原油以外の物価高に響いているようです。そして注目のCPIコア年率は5.9%まで上昇する予想となっています。
尚、前回のCPI時相場はインフレが高いにも関わらず、ほぼ予想通りの結果に10年債利回りが発表前の1.75〜76%付近から1.73%に下落したことで、ドル円もポジション調整のドル売りになりました。今回は昨日の10年債終値が1.93%絡みで、8日高値の1.97%台からはやや利回りが軟化しています。3月のFOMCで0.25%の利上げを見込み、約1ヶ月で20ピップス程度の10年債利回り高を、市場はどの様に見るか注目されます。

米1月消費者物価指数(CPI)予想

2022年2月10日9時現在予想

(1)	米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(1) 米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャート(1)を見ると、オレンジ色の移動平均線は、過去の高値を結んだ青(0.6%)に絡む動きを続けていましたが、今回予想通りなら2ヶ月連続で軟化傾向を辿ります。FRBは2022年にインフレは現状より軟化するも高止まりの予想を見ており、この軟化傾向が続けられるかの判断となります。
一方で、下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=PCEコア)となっています。青が昨年12月に公表されたFRBの2022年末見通し2.7%で、これを遥かに上回っています。昨年末のPCEコア(オレンジ色)が4.9%で、黒の横線を引いていますが、これをも今回は上回ります。少なくともこの黒の線をいつ下回るかがインフレ懸念を判断する材料の1つになりそうです。尚、今回CPIコアが予想通りの数値になると、2月25日発表予定のPCEコアも黒を越えて一段と上昇する見込みになります。

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒は2021年末PCEコア4.9%、青は2022年末FOMC予想値2.7%、緑の矢印は今回予想値)
注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。

下図はドル円の週足チャートです。高値を結んだ抵抗線A(=117円20銭)とそこから平行に下したサポートB(=112円10銭)でドル高トレンドを形成しています。このレンジ間で、9月22日底値からのサポートC(=114円05銭)で目先のドル高サポートを作っています。上値はD(=115円70銭)の横抵抗線で止められており、今週、貿易収支時の日足チャートでも115円45銭〜55銭に抵抗線が集まっているとしましたが、今日のCPIまでこれに絡んだ動きを続けています。今日のCPIでDを抜いて、前回高値の116円40銭付近までトライするのか、前回CPIと同じ様にドル高調整し、今回はC方向に行くのかを見たいと思います。日足では115円55銭を越え始めているので、ややドル高方向に傾き始めていますが、明日の週足でD越えの確認をしたいと思います。

米1月消費者物価指数(CPI)予想 2枚目の画像

(2月10日10:20 1ドル=115円51銭)

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