『計画停電再開と米金利上昇が南アランドの重石』
〇今週の南ア円、週明け早々に週間安値7.37円まで下落
〇その後は南ア政府にのコロナウイルス第4波の終了宣言や、米当局者のハト派発言等に7.55まで上昇
〇テクニカルには転換線や基準線、21日線、90日線を上抜け、3役好転も点灯、地合い強い
〇但し、上方には200日移動平均線が控え、ここからの続伸は容易では無い
〇ファンダメンタルズも、米FRBによるタカ派スタンス、南ア経済の先行き不透明感等売り材料目立つ
〇引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55
今週のレビュー(1/31−2/4)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.38円で寄り付いた後、@米FRBによるタカ派転換や、A上記@を背景とした米長期金利の上昇圧力(米ドル高→新興国から米国への資本流出圧力)が重石となり、週明け早々に週間安値7.37円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B南アフリカ政府による新型コロナウイルス第4波の終了宣言や、C米当局者による相次ぐハト派発言(市場の過度な織り込みを牽制→米長期金利低下→リスクオフ後退→新興国通貨上昇)、D南ア1月製造業PMI(結果57.1、前回54.1)の良好な結果、E南ア1月Naamsa自動車販売(結果+19.5%、前回▲3.5%)の力強い結果が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.55円まで上昇しました。もっとも、200日移動平均線をバックに伸び悩むと、F米雇用統計の力強い結果や、G上記Fを背景とした米長期金利の急上昇、H国営電力会社エスコムを巡る計画停電の実施(2/2ー2/7まで計画停電の実施発表)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/5午前4時45分現在)では7.40円前後まで反落する動きとなっております。
来週の見通し(2/7−2/11)
南アフリカランド円相場は、11/26に記録した約9ヵ月ぶり安値6.93円をボトムに反発に転じると、1/27にかけて、約2ヵ月半ぶり高値となる7.57円まで急伸しました(今週末も一時7.55円まで上昇)。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も点灯するなど、テクニカル的に見て地合いの強さを印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、上方には市場参加者に意識される200日移動平均線が控えているため、余程強い南アランド買い材料が出てこない限り、ここからの続伸は容易では無いと考えられます。事実、直近3週間で計9回200日線をトライするも、いずれも終値ベースでの同ライン突破には至っておりません。
ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの明確化(今週は市場の過度な織り込みを和らげる目的で米当局者によるハト派的な発言が相次ぎましたが、米中間選挙を控える2022年はインフレ退治への政治的圧力が加わりやすく、市場による催促相場はすぐに再開する見通し)や、A上記@を背景とした南アフリカから米国への資金流出圧力、B南ア経済の先行き不透明感(国営電力会社エスコムによる計画停電再開も南ア経済のネガティブ要因)、C南ア中銀による追加利上げ観測後退(先週の利上げは全会一致ではなく4対1で決定。ハニャホ総裁も記者会見で、25bp以上の利上げについては議論しなかったとハト派的な発言に終始)など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(来週は2/10に予定されている南ア12月製造業生産に注目。市場予想を下回る場合は、南ア経済の先行き懸念を通じて、南アランドに下押し圧力を加える可能性あり)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55
南アランド円日足
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