南アランド円週報:『CPI鈍化と南ア中銀の利下げ決定を好感する形でランドが急騰。続伸に期待』(9/21朝)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、9/11に記録した安値7.85円をボトムに切り返すと、週末にかけて一時8.25円まで反発しました。

南アランド円週報:『CPI鈍化と南ア中銀の利下げ決定を好感する形でランドが急騰。続伸に期待』(9/21朝)

『CPI鈍化と南ア中銀の利下げ決定を好感する形でランドが急騰。続伸に期待』

〇今週の南ア円、早々に週間安値7.90まで下落するも、週末にかけて、週間高値8.25まで上昇
〇南ア指標の改善、南ア中銀利下げ実施による株価上昇等が背景
〇テクニカルには、主要テクニカルポイント上抜け、売りシグナルも消失、地合い改善期待させる形状
〇南ア経済復調期待、政治安定化期待、金・プラチナ価格の大幅上昇等が下支え
〇引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.10ー8.40

今週のレビュー(9/16−9/20)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.93円で寄り付いた後、早々に週間安値7.90円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)南ア7ー9月期BER消費者信頼感(結果▲5、前回▲10)の前回比改善や、(2)南ア8月消費者物価指(結果+4.4%、予想+4.5%)および、同コア指数(結果+4.1%、予想+4.2%)の市場予想を下回る結果(インフレターゲットレンジの中央値である4.5%を下回ったことを市場が好感)、(3)南ア中銀による約4年ぶりとなる25bpの利下げ決定(8.25%→8.00%)、(4)上記3を好感した南ア主要株価指数の大幅上昇(外国人投資家による資金流入期待)、(5)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)が支えとなり、週末にかけて、週間高値8.25円まで上昇しました(対ドル相場は年初来高値更新。2023年2月以来、約1年7カ月ぶり高値圏)。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/21午前5時00分現在)では、8.24円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア7月小売売上高(結果+2.0%、予想+2.8%)は市場予想を下回る結果となりましたが、南アランド売りでの反応は限定的となりました。

来週の見通し(9/23−9/27)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、9/11に記録した安値7.85円をボトムに切り返すと、週末にかけて一時8.25円まで反発しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、200日移動平均線、一目均衡表転換線、基準線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けした他、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転も消失するなど、テクニカル的に見て、地合いの改善を強く期待させるチャート形状となりつつます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の復調期待(インフレ鈍化で南ア中銀が利下げサイクル突入→南ア経済を下支え)や、(2)南ア政治の安定化期待(連立政権の中に親ビジネス路線の最大野党・民主同盟が含まれていることを市場が好感)、(3)国営電力会社エスコムによる計画停電回避期待、(4)上記1、2、3を背景とした外国人投資家による資金流入期待、(5)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の大幅上昇(南アフリカの交易条件改善期待、金価格は週末にかけて史上最高値更新)、

(6)米FRBによる50bpの大幅利下げ実施(米FRBによるハト派化は新興国通貨の上昇要因)など、南アランドの上昇に繋がる材料が増えつつあります。対ドル相場が約1年7カ月ぶり高値圏へ上昇していることも、対円相場の下支え要因として寄与すると見られることから、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は8/30高値8.26円や、8/20高値8.31円を試すシナリオを想定)。尚、来週は南ア8月生産者物価指数に注目が集まります(今週のCPI同様、PPIの鈍化が確認できれば、インフレ鈍化を好感する形で、南アランドがもう一段上昇する可能性あり)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.10ー8.40

注:ポイント要約は編集部

『CPI鈍化と南ア中銀の利下げ決定を好感する形でランドが急騰。続伸に期待』

南アランド円日足

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