『CPI鈍化と南ア中銀の利下げ決定を好感する形でランドが急騰。続伸に期待』
〇今週の南ア円、早々に週間安値7.90まで下落するも、週末にかけて、週間高値8.25まで上昇
〇南ア指標の改善、南ア中銀利下げ実施による株価上昇等が背景
〇テクニカルには、主要テクニカルポイント上抜け、売りシグナルも消失、地合い改善期待させる形状
〇南ア経済復調期待、政治安定化期待、金・プラチナ価格の大幅上昇等が下支え
〇引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.10ー8.40
今週のレビュー(9/16−9/20)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.93円で寄り付いた後、早々に週間安値7.90円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)南ア7ー9月期BER消費者信頼感(結果▲5、前回▲10)の前回比改善や、(2)南ア8月消費者物価指(結果+4.4%、予想+4.5%)および、同コア指数(結果+4.1%、予想+4.2%)の市場予想を下回る結果(インフレターゲットレンジの中央値である4.5%を下回ったことを市場が好感)、(3)南ア中銀による約4年ぶりとなる25bpの利下げ決定(8.25%→8.00%)、(4)上記3を好感した南ア主要株価指数の大幅上昇(外国人投資家による資金流入期待)、(5)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)が支えとなり、週末にかけて、週間高値8.25円まで上昇しました(対ドル相場は年初来高値更新。2023年2月以来、約1年7カ月ぶり高値圏)。
引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/21午前5時00分現在)では、8.24円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア7月小売売上高(結果+2.0%、予想+2.8%)は市場予想を下回る結果となりましたが、南アランド売りでの反応は限定的となりました。
来週の見通し(9/23−9/27)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、9/11に記録した安値7.85円をボトムに切り返すと、週末にかけて一時8.25円まで反発しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、200日移動平均線、一目均衡表転換線、基準線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けした他、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転も消失するなど、テクニカル的に見て、地合いの改善を強く期待させるチャート形状となりつつます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の復調期待(インフレ鈍化で南ア中銀が利下げサイクル突入→南ア経済を下支え)や、(2)南ア政治の安定化期待(連立政権の中に親ビジネス路線の最大野党・民主同盟が含まれていることを市場が好感)、(3)国営電力会社エスコムによる計画停電回避期待、(4)上記1、2、3を背景とした外国人投資家による資金流入期待、(5)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の大幅上昇(南アフリカの交易条件改善期待、金価格は週末にかけて史上最高値更新)、
(6)米FRBによる50bpの大幅利下げ実施(米FRBによるハト派化は新興国通貨の上昇要因)など、南アランドの上昇に繋がる材料が増えつつあります。対ドル相場が約1年7カ月ぶり高値圏へ上昇していることも、対円相場の下支え要因として寄与すると見られることから、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は8/30高値8.26円や、8/20高値8.31円を試すシナリオを想定)。尚、来週は南ア8月生産者物価指数に注目が集まります(今週のCPI同様、PPIの鈍化が確認できれば、インフレ鈍化を好感する形で、南アランドがもう一段上昇する可能性あり)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.10ー8.40
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.11
ドル円週間見通し 米大統領選後の円売り一巡で急騰幅の4分の3を削る
9日早朝にかけてては下げ渋ったが153円には届かず、152円台での小動きにとどまった。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.09
南アランド円週報:『約4ヵ月ぶり高値を更新するなど堅調な値動き。上昇トレンドの継続を想定』(11/9朝)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、一時8.86円まで上昇するなど、約4カ月ぶり高値を更新しました(週末にかけて値を崩すも下値は堅い)。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.09
トルコリラ円週報:『テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも上昇トレンド継続を示唆』(11/9朝)
トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週後半にかけて一時4.53円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.09.23
南アランドWeekly 8.29円の雲上限に迫る上昇、経済持ち直し期待や投資資金流入期待が追い風(24/9/23)
先週のランドは、4年ぶりに南アフリカ準備銀行(SARB)が利下げを実施したことで、南ア経済持ち直し期待が高まり、8月20日以来の8.269円水準まで買われた。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.09.16
南アWeekly 中銀イベントで思惑先行の地合いに、SARB声明次第では8.1円水準のリバウンドも(24/9/16)
先週のランドは、17−18日のFOMCや19日の南ア準備銀行理事会、19−20日の日銀金融政策決定会合の開催を前に様子見姿勢が強まり8円手前でのもみ合いとなった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。