南アランドWeekly 8.29円の雲上限に迫る上昇、経済持ち直し期待や投資資金流入期待が追い風(24/9/23)

先週のランドは、4年ぶりに南アフリカ準備銀行(SARB)が利下げを実施したことで、南ア経済持ち直し期待が高まり、8月20日以来の8.269円水準まで買われた。

南アランドWeekly 8.29円の雲上限に迫る上昇、経済持ち直し期待や投資資金流入期待が追い風(24/9/23)

8.29円の雲上限に迫る上昇、経済持ち直し期待や投資資金流入期待が追い風

【先週の南アフリカ・ランド】

先週のランドは、4年ぶりに南アフリカ準備銀行(SARB)が利下げを実施したことで、南ア経済持ち直し期待が高まり、8月20日以来の8.269円水準まで買われた。

19日、SARBは定例の金融政策委員会において政策金利(レポ金利)を0.25%引き下げて8.00%とした。今年は3月下旬から半年近く計画停電が行われておらず、国営電力公社(エスコム)は、半年程度は計画停電が回避可能との見方を示すなど電力需給を巡る状況は最悪期を抜け出しつつある。4-6月の実質GDP成長率は前期比年率+1.78%と景気の持ち直しが確認された。

中銀が公表した声明文では、「電力需給の改善を受けて見通しは上方修正するが、投資の低迷が足かせとなる形で潜在成長率を下回る伸びに留まる」とした上で、物価動向について「短期的には一段の鈍化が見込まれるほか、2026年まで中銀目標の中央値(4.5%)以下に留まると示唆される」との見通しを示した。

先行きの政策運営について「来年には中立金利に向かって7%をやや上回る水準で安定する」と複数回の利下げを見込む一方、「インフレ期待を固定しつつ、物価の低位安定の実現と景気回復の下支えを目指す」との考えを示したことで、景気回復期待が強まりランドは上昇。8月20日以来となる8.3円台手前まで買われた。


ランド・円(東京時間:9月16日―9月20日)
※Investing.comの日足を参照

始値:7.9304円
高値:8.2698円
安値:7.9019円
終値:8.2725円 

【先週と今週の重要指標】

※時間は東京時間

9月18日
17時00分、8月消費者物価指数(CPI)(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.2%、結果:0.1%
17時00分、8月消費者物価指数(CPI)(前年比)、前回:4.6%、市場予想:4.5%、結果:4.4%
20時00分、7月小売売上高(前年比)、前回:4.1%、市場予想:2.8%、結果:2.0%
9月19日
22時07分、政策金利、前回:8.25%、市場予想:8.00%、結果:8.00%
9月26日
18時30分、8月生産者物価指数(PPI)(前月比)、前回:−0.2%
18時30分、8月生産者物価指数(PPI)(前年比)、前回:4.2%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のランドは、26日の8月PPIが先週のCPI同様、順調に低下しディスインフレの流れが確認できるかが注目されよう。ランドは戻り基調が強いことから、8月PPIも落ち着いた数字だった際、反発基調はより強まりそうだ。

先週のランド上昇の要因には、米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利下げを実施したことも影響したと考える。SARBを上回る利下げ実施となったことや、FRBによる来年の中立金利見通しがSARBの見通しよりも大幅に引き下げることなどを受けて、ドルからランドに投資資金が向かうとの思惑が高まったようだ。

まだ思惑先行に留まっているだけかもしれないが、4年半ぶりにFRBが利下げに転じたことから、投資資金の大きな変化はこれから本格化を迎えるだろう。南アフリカへの投資資金が今後増えれば、南ア経済には大きなプラス材料となる。連立政権の安定運営や各地の小規模停電など見極め材料は多々あるが、南アフリカの追い風が少し強まってきた様子だ。

テクニカルでは、20日移動平均線を一気に上抜けた後は、日足の一目均衡表の雲上限である8.29円水準突破を試す展開を迎えている。転換線が基準線を上回る可能性が高まっているほか、遅行スパンもそろそろ実線を上回りそうな状況だ。まだ上昇トレンドが強まっているとは言えないが、もう少し反発が続けばトレンドが好転する可能性も十分ある。

8.29円の雲上限に迫る上昇、経済持ち直し期待や投資資金流入期待が追い風

南アフリカランド円日足

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