ドル円 目先底堅いイメージだが、ドル上値も重そう(9/23夕)

週明けのアジア市場は揉み合い。東京休場のなか、144円挟みの一進一退に終始している。

ドル円 目先底堅いイメージだが、ドル上値も重そう(9/23夕)

目先底堅いイメージだが、ドル上値も重そう

〇アジア時間のドル円、東京休場のなか144円挟みのレンジ取引、16時現在、143.95-00で推移
〇ドル底堅く短期的には戻り歩調、21日線がサポートとして寄与すれば144円半ばの壁超え145円トライも
〇今週の自民総裁選、積極財政派の高市氏就任なら、再びドル高方向への流れ優勢となる可能性あり要注視
〇本日、8月シカゴ連銀全米活動指数や9月製造業PMI速報などの米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向、足もと割り込んでいる144円めぐる攻防に再び注目、超えれば144円半ばがターゲット
〇ドル安円高方向、143円半ばがサポート、下回ると143円目指し続落も
〇欧米時間のドル円予想レンジ:143.20-144.50

<< アジア市場の動き >>

週明けのアジア市場は揉み合い。東京休場のなか、144円挟みの一進一退に終始している。

先週末は、訪米した岸田首相がバイデン米大統領と最後の首脳会談を実施。また豪印を加えたクワッド首脳会談も開催されている。一方、延び延びになっていたフランスの新内閣がようやく発足。全体的に右派色の強い顔触れで、思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は143.90-95円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。東京休場のなか、新規材料も乏しく144円を挟み上下40ポイントほどの往来相場をたどっていた。市場では自民党総裁選の行方も為替市場に影響を落としかねないなどとし、注視している向きが少なくない。16時現在では、寄り付きに近い143.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治情勢」と「米国情勢」について。
前者は、日本の自民党総裁選が注目を集めている。これは総勢9名の候補者のうち当初3番手あるいは4番手などと目された高市早苗氏の支持が、そののち急拡大していることも大きいようだ。ちなみに、高市氏は「積極財政派」であり、日銀の金融政策についても「拙速な利上げは反対」などとしている。ドル/円相場は7月に161.96円を付けたのち、20円を超えるドル安・円高が一時進行したが、先で取り上げた一部の政策や基本的な考え方を見ただけでも、高市氏が自民党総裁そして次期日本国首相に就任した場合、再びドル高方向への流れが優勢となる可能性を否定できない。

後者は、大きく2つにわけられるなか、まずは日本同様の政治情勢、米大統領選の行方が注視されている。米CNNテレビが10月23日に主催する予定の討論会について、ハリス氏が受諾するなか、トランプ氏はこれを拒否。ちなみに、「期日前投票が始まっており、遅すぎる」ことを理由に挙げていた。また、それとは別に一部メディアのインタビューに応えたトランプ氏が「今回の選挙でハリス副大統領にたとえ敗れても、2028年大統領選に出馬はしない。これが最後になる」と述べ、背水の陣を示唆したことも一部で話題に。一方、月末に期限切れを迎え、一部政府機関の閉鎖懸念も取り沙汰されていたが、米連邦議会の与野党指導部が、12月20日まで予算執行を続ける「つなぎ予算案」で合意したと伝えられている。目先の最悪の事態は回避された格好だが、11月上旬の米大統領選終了後に再び問題視される公算は大きいと言えよう。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場の大きな流れは、先週初め140円割れを記録したようにドル安方向にバイアスがかかる。しかし、短期的には底入れした感もあり、しばらくは底堅く推移か。先週後半からの動きをみると、142円前後からはかなり底堅そう。しかし、だからといって勢いに乗ってドルが戻るかというとそれも微妙。先週末、そして本日アジア時間と144円半ばの壁を超えられておらず、まずはそれらをしっかりと超え145円台の定着が最初のミッションとなりそうだ。
注目された日米の金融政策が先週発表された。それを踏まえたうえで、すでに次回会合をにらんだ動きも観測されるが、まずは次回に向けてどんな経済指標が発表され、そして要人が発言をするのか、それらにまずは注目だ。そうしたなか、今週は別途重要な政治ファクターも多く予定されており、そちらを警戒する声も少なくない。たとえば、先で取り上げた日本の自民党総裁選も結果如何では、相場の波乱要因となる可能性がある。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドルに底堅さもうかがえ、短期的にはむしろ戻り歩調か。地合いが若干不安定だが、現在143円半ばに位置する移動平均の21日線がサポートとして寄与するようだと、ドルは目先の144円半ばの壁を超え145円トライも期待出来よう。
とは言え、21日線をザラ場ではなくNYクローズでしっかりと下回ってしまうと、その限りではない。まずは時間足ベース、短期的なサポートの143円を目指す動きも。

本日は米経済指標として、8月のシカゴ連銀全米活動指数や9月の製造業PMI速報などが発表される予定となっている。ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演など当局者の発言機会も多く、そちらも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.20-144.50円。ドル高・円安方向は、足もと割り込んでいる144円をめぐる攻防に再び注目。超えれば144円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線が位置する143円半ばが最初のサポートで、下回ると143円を目指しドルの続落も。ただし、短期的に基本ドルは底堅いイメージ。

目先底堅いイメージだが、ドル上値も重そう

ドル円日足


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