ドル円、急ピッチな上昇の反動で下落するも下値は堅い。米ドルショートのアンワインドが続くか(9/24朝)

週明け23日(月)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、急ピッチな上昇の反動で下落するも下値は堅い。米ドルショートのアンワインドが続くか(9/24朝)

急ピッチな上昇の反動で下落するも下値は堅い。米ドルショートのアンワインドが続くか

〇ドル円、米国時間朝方にかけて、安値143.16まで反落
〇急ピッチな上昇に対する反動売り、自民党総裁選候補者による追加利上げ牽制発言等が重石
〇その後FRB関係者のタカ派的発言、米指標好調等に一時144.35まで反発するも144円台前半に戻す
〇ユーロドル、欧州圏指標不冴え等に1.10を挟んで上値重い
〇ドル円、日足が一目均衡表転換線や21日移動平均線の上抜けに成功、買いシグナルも点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレードの再開期待、株式市場の堅調推移等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:142.50ー144.50

海外時間のレビュー

週明け23日(月)のドル円相場は上値の重い展開。(1)日銀による過度な追加利上げ期待の剥落(植田日銀総裁が前週末金曜日に開催された金融政策決定会合後の記者会見で「年初以降の円安に伴う物価の上振れリスクは相応に減少している」「政策判断にあたり、海外経済の状況などを確認していく時間的余裕はある」と発言)が支えとなる中、アジア時間朝方にかけて、高値144.45まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)前週末金曜日に記録した高値144.50を背にした戻り売り圧力や、(3)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)、(4)自民党総裁選に出馬している高市早苗経済安全保障担当相による「金利を今上げるのはあほやと思う」との追加利上げに対する牽制発言、(5)短期筋(俄かロング勢)のロスカットが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値143.16まで反落しました。

その後は、(6)日経平均先物の堅調推移や、(7)ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「利下げについて今後は小幅なステップを見込む」との慎重な発言、(8)アトランタ連銀ボスティック総裁による「今会合での50bp利下げは将来の利下げペースを確定させるものではない」との慎重な発言、(9)米9月総合PMI速報値(結果54.4、予想54.3)の市場予想を上回る結果を背景に、一時144.35まで上値を伸ばす場面も見られましたが、一巡後に伸び悩むと、(10)シカゴ連銀グールズビー総裁による「今後1年でさらに多くの利下げを予想する」とのハト派的な発言や、(11)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間9/24午前4時00分現在)では、143.40前後まで値を崩す動きとなっております。

週明け23日(月)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間午後にかけて、高値1.1168まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)フランス9月製造業PMI速報値(結果44.0、予想44.2)および、同9月非製造業PMI速報値(結果48.3、予想53.1)の大幅悪化(※非製造業PMIは6カ月ぶり低水準)や、(2)ドイツ9月製造業PMI速報値(結果40.3、予想42.3)および、同9月非製造業PMI速報値(結果50.6、予想は51.0)の冴えない結果、(3)ユーロ圏9月製造業PMI速報値(結果44.8、予想45.7)および、同9月非製造業PMI(結果50.5、予想52.3)の冴えない結果、(4)上記1、2、3を背景としたECBによる追加利下げ観測再燃(欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.1083まで下落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/24午前4時00分現在)では、1.1115前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は前週末金曜日に記録した高値144.50をトップに反落に転じると、昨日は一時143.16まで反落しました。但し、日足ローソク足が一目均衡表転換線や21日移動平均線の上抜けに成功していることや、4時間足ベースで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転、21MAと90MAのゴールデンクロス)が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、続落リスクは小さい(下値余地は乏しい)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落や、(2)日銀による過度な利上げ期待の剥落、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(5)対ユーロでのドル買い圧力(欧州経済の先行き不透明感を背景に、これまでドル売りの受け皿となっていたユーロが下落→今後はユーロ売りの受け皿として米ドルが選好される公算大)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

本日予定されている米経済指標(米7月S&Pケースシラー住宅価格指数、米9月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、米9月リッチモンド連銀製造業指数)が市場予想を上回る場合や、欧州経済指標(ドイツ9月IFO景況観指数)が市場予想を下回る場合には、ドル買い・円売りの流れが再び強まる可能性もあるため、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:142.50ー144.50

注:ポイント要約は編集部

急ピッチな上昇の反動で下落するも下値は堅い。米ドルショートのアンワインドが続くか

ドル円日足

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