トルコリラWeekly トルコ中銀が「ややハト派」に転換、史上最安値からのリバウンドへ(24/9/23)

先週のトルコリラは、トルコ中央銀行が金融政策委員会にて、「タカ派」から「ややハト派」に転じたことから景気への安心感が意識されて、4.2円台まで上昇した。

トルコリラWeekly トルコ中銀が「ややハト派」に転換、史上最安値からのリバウンドへ(24/9/23)

トルコ中銀が「ややハト派」に転換、史上最安値からのリバウンドへ

【先週のトルコリラ】

先週のトルコリラは、トルコ中央銀行(トルコ中銀)が金融政策委員会にて、「タカ派」から「ややハト派」に転じたことから景気への安心感が意識されて、4.2円台まで上昇した。

トルコ中銀は、19日に開催した定例の金融政策委員会において政策金利(1週間物リバースレポ金利)を6会合連続で50.00%に据え置く決定を行った。会合後に公表した声明文では、足下の物価動向について「目にみえる形で基調的な変化は示されていない」とあったものの、「内需鈍化の動きが物価動向に影響を与えており、先行きはサービス物価の改善も見込まれる」とし、「インフレ期待と価格決定行動がディスインフレプロセスのリスクになる」との認識を示している。

その上で、「金融引き締めに向けた断固とした姿勢が内需の減速、リラ相場の上昇、インフレ期待の改善を通じてインフレ基調の改善を促し、ディスインフレプロセスが進む」との見方を示した。そして、先行きの政策運営について「インフレリスクに注意を払いつつインフレ基調が大幅かつ持続的に低下し、インフレ期待が予想範囲に収束するまで維持する」との従来からの考えを示した。

一方、これまでは「インフレの大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合」を巡って「引き締める」と表現してきたが、今回は「政策手段を効果的に用いる」と「タカ派」姿勢から「ややハト派」姿勢に転換。将来的な利下げの可能性に言及したことで、トルコ経済の底入れにつながるとの見方が強まり、史上最安値を更新していたトルコリラは上昇。9月9日以来の4.23円台まで値を戻した。


トルコリラ・円(東京時間:9月16日―9月20日)
※Investing.comの日足を参照

始値:4.1515円
高値:4.2368円
安値:4.1019円
終値:4.2075円 

【先週と今週の重要指標】

※時間は東京時間
9月19日
20時00分、政策金利、前回:50.00%、市場予想:50.00%、結果:50.00%
9月20日
16時00分、9月消費者信頼感指数、前回:76.40、結果:78.20
9月24日
16時00分、9月設備稼働率、前回:75.4%
9月27日
16時00分、8月貿易修正、前回:−72.9億ドル

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のトルコリラは、トルコ中銀の「ややハト派」姿勢が明確になったことを材料視した買戻しが進むと考える。史上最安値更新の弱い地合いだったことから、9月戻り高値水準の4.35円台まで値を戻す可能性もあろう。高いインフレ収束に対する大統領府とトルコ中銀との見通しのズレなど懸念材料は引き続き残るものの、政策金利引き下げ期待に伴い、過度な景気減速警戒は後退したことで、対ドル、対円で史上最安値を更新していたトルコリラは持ち直すと考える。

もう一つの懸念事項である中東情勢は、イスラエルが戦闘終結と引き換えに、イスラム組織ハマス側が人質全員を一括して解放することをメインとした新提案を示したと伝わっている。ハマスは拒否するとの見方だが、ハマス壊滅まで戦闘を続けるとしていたネタニヤフ首相の姿勢が軟化したようだ。エルドアン大統領による親ハマス、親パレスチナ姿勢への警戒感が一服しつつあるなか、中東情勢が落ち着くとトルコリラの安心材料となろう。

テクニカルでは、上値抵抗線である20日移動平均線を捉えている。日足の一目均衡表では、転換線を上回り、横ばい推移の基準線を意識した格好にある。下落トレンドはまだ継続しており、予断を許さない状況ではあるが、日銀金融政策決定会合後の円が主要通貨に対して売り優勢となっていることは追い風だ。今しばらく日米中銀会合の結果を見極める必要はあるが、トルコリラは反発を強めそうな雰囲気である。

トルコ中銀が「ややハト派」に転換、史上最安値からのリバウンドへ

トルコリラ円日足

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