欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(22/2/4)

2022年2月2日・3日会合分

キーワード:

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(22/2/4)

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

昨日ECB金融政策会合後に要旨の記者発表がありました。政策金利や債券購入に関しては事前の予想通りになりました。また、その45分前に行われた英国中銀の金融政策でも、予想通りに0.25%から0.50%への利上げが実施されました。しかしながら、その後のラガルドECB総裁の記者会見などで、年内利上げの可能性ありとの市場観測にユーロが買われました。以下はECBの記者発表の要旨です。

記者発表要旨

運営審議会は、昨年の12月会合で決めた金融政策の決定を確認した。

PEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)

2022年第1・四半期に、運営審議会はPEPP下での純債券購入を、前四半期よりも低いペースで行っている。2022年3月末でPEPP下での純債券購入を終了するつもりである。

運営審議会は、PEPP下で購入され、満期来た債券の再投資は少なくとも2024年の終わり迄行う意向である。いかなる場合でも、PEPPポートフォリオの将来的な保有解消は適切な金融政策スタンスに支障がない様に管理される。

パンデミック債は、ストレスある環境下で、資産購入の設計と実施の柔軟性が金融政策の伝達に障害をもたらすものに対抗でき、より効果的に運営審議会の目標達成を行うのに役立った。
我々の使命の中で、ストレスある環境下、金融政策の伝達に対する脅威が物価安定を危険に晒す場合はいつの時でも、柔軟性は金融政策の必要な要素である。とりわけ、パンデミックに関連して、新たな市場細分化の状況になった時には、PEPP再投資は時間軸、資産クラス、その管轄地域を通じて、柔軟に調整される。(中略)、PEPP下での純購入は、パンデミックに関連してネガティブな衝撃に出会った場合、必要とあればいつでも再開できるだろう。

資産購入プログラム(APP)

2021年12月に決められた債券購入の段階的縮小に伴い、金融政策スタンスが中期的に運営審議会の目標とする安定的なインフレと一致し続けることを保証するため、APP下での毎月の純購入額が2022年の第2四半期で400億ユーロ、第3四半期で300億ユーロになる。10月以降、運営審議会はAPP下での純購入額を毎月200億ユーロのペースで維持するつもりである。期間は金融政策の緩和的な影響を強化するために必要な限りである。運営審議会は、この純債券購入が主要ECB政策金利を引き上げ始める直前に終了すると予想している。

また、運営審議会は、APP下で購入され、満期到来した債券の元本全額の再投資を継続していく意向である。これは主要なECB金利の引き上げ開始した日を過ぎてまで伸ばし、いずれの場合でも、好ましい流動性条件と十分な程度の金融緩和状況を維持するに必要な限りである。

主要なECB金利

主要な借り換え業務に関する金利や限界貸付金利、あるいは中銀への預金金利はそれぞれ0.00%、0.25%、▼0.50%で据え置いた。

対称的な2%インフレ目標と金融政策戦略に沿った支援では、運営審議会は、インフレが見通し期間の終わる前に十分2%に達するか、残りの予想期間でそのまま永続的になっているかであり、そしてインフレに基づくその進展が中期的に2%で安定したインフレと一致していると十分に進行しているのかを判断するまでの期間、主要ECB金利が現行水準かそれ以下で留まると予想している。これはまた、インフレが目標を緩やかに越える一時的な期間があることを含んでいる。

(借り換え業務TLTROVに関する項目は略)

運営審議会は、インフレが中期に亘り2%目標で安定出来ると確信するため、あらゆる手段を適切に調整する用意がある。
(以上)


(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

尚、以下は主なラガルド総裁記者会見内のインフレに関する項目です。
・物価見通しのリスクは上方に傾いている。
・先々のインフレに関しては、データに基づき評価を行い、そのデータは次回会合の3月に出て、そこで判断される。
・インフレが2023年や2024年に目標値2%上回る予想が出た場合はより早い債券縮小進める理由になるかの質問に対しては推測の段階で答えることはできない。
・現在のインフレ上昇の半分はエネルギー価格高騰による。

以上より、市場は英国中銀の利上げも確認した上で、ECBも年内に利上げする可能性が出てきたとの観測となり、昨日はユーロが高騰しました。

ユーロドル対米ドル相場は予想外(?)のラガルド発言に、ユーロが急騰し、欧州金利高から米10年債金利も連れ高になり、ナスダック中心に米株が大きく売られました。今日の米雇用統計も予想を大きく上回った時に金利高から株価続落するのかは注意が必要になります。

相場は昨日添付した週足チャートの抵抗線A(=1.1430)に掛かり止まりました。今日も1.1470付近までユーロ高になっているのでザラ場では上抜けています。今日のNY終値で、実体が上抜けるか、ヒゲだけになるかを見たいと思います。
狙いとしては上抜けで1.1520、更に1.1710方向を狙える形になるかを確認します。もし、今日NY終値が1.14未満になると、上ヒゲだけの抜けですので、ユーロは堅調ながらもまだ下押しの可能性を残します。サポートとしては1.1330になります。
(2月4日13:30、1ユーロ=1.1468ドル)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る