欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
(2022年2月3日木曜日:東京時間21時45分、ラガルド総裁記者会見は22時30分)
開催中のECB金融政策会合の要旨が本日記者発表されます。その後はラガルド総裁の記者会見が予定されています。 今回のECB会合に際しては、前回に続き全てのエコノミストが政策金利やその他の金利に関する政策は据え置きを予想し、レンジ幅もありません。
(1)欧州中央銀行政策金利予想
(2月3日9時00分現在)
今回の注目点は
@ 昨年末からオミクロン株の感染拡大による経済鈍化がみられ、ECB委員のタカ派とハト派の見方が混在しており、今回は先行きの経済動向を注視する内容に留まるのではないか。
A その経済見通しは次回3月10日の会合となり、それを踏まえて、その時点で先行き政策を決定するのではないか。
B 昨日発表の1月HICPコアはECBのインフレ目標値越えにはなったが、12月よりも下がっており、2022年ECB見通しの3.2%(下表)の違いに言及するか否か。
ほぼ無風の見通しですので、何らかの新しい議論が出た場合は、相場の材料になりそうです。
尚、前回12月時のユーロスタッフによるGDP見直し、HICPインフレの予想は以下になって
います。
GDP見直し、HICPインフレの予想
(出所:ECB HP)
(2)最近のECB関係者の発言
1月21日 ラガルドECB総裁 「インフレを抑制できない状況は想定していない」
「経済の回復は予想よりも強い」
1月20日 ラガルドECB総裁 「データ次第ではインフレに対処する用意がある」
1月13日 デギンドス副総裁 「4Qの経済は僅かながらも勢いを失った」
「インフレは想定よりも一時的でない可能性がある」
1月11日 独連銀総裁 「インフレ高進は、一時的とは言えない」
1月11日 ECBレーン専務理事 「インフレは今年低下し、来年以降はECB目標の2%を下回る」
1月5日 ラトビア中銀総裁 「インフレ見通しが上昇すればECBは行動する」
「必要であれば緩和策縮小や利上げの用意ある」
1月5日 フランス中銀総裁 「インフレはピークに近い可能性がある」
(3)前回のECB記者発表の一部抜粋
前回(12月16日)会合の記者発表要旨の一部(債券購入に関する項目のみ)は以下になっています。
(記者発表要旨)
(資産購入プログラム)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:ECB HP)
下図はユーロドルの週足チャートです。6月初旬の高値からの抵抗線A(=1.1430)に抑え込まれてユーロが下落しています。ここから平行に下したB(=1.1080)でユーロ安トレンドになっています。このBは昨年11月に一度下抜けましたが、今回の底値1.1121もこのBで止められています。週足はここ2週間でダイナミックな動きをしており、直近サポートC(=1.1330)を抜けた後の急落⇒急上昇になり、現在はCが抵抗線になっています。もし今日以降のECBや明日の雇用統計を材料にして、CからB方向になるのか、あるいは上抜けてAまでの戻り高を試すのか分岐点にいます。もしAを越えれば、上値はD(=1.1520)、E(=1.1710)、そして高値からの抵抗線F(=1.2100)が視野に入ります。
尚、ECBの発表に先立ち、英国中銀の金融政策が発表されます。昨年12月16日にそれまでの政策金利0.1%を0.25%へ利上げを実施しており、今回の市場予想も0.5%の連続利上げ予想になっています。ECBより45分早い21時に公表予定になっているので、相場には要注意です。万一利上げ実施すると、ユーロも対米ドルでは買いになりそうで、対ポンドでは売りに反応しそうです。
(2022年2月3日10:40、1ユーロ=1.1298ドル)
オーダー/ポジション状況
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