トルコリラ円見通し 今夕のトルコ1月消費者物価上昇率に注目(22/2/3)

トルコリラ円の2月2日は8.59円から8.42円の取引レンジ、3日早朝の終値は8.49円で前日終値の8.57円からは0.08円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し 今夕のトルコ1月消費者物価上昇率に注目(22/2/3)

トルコリラ円見通し 今夕のトルコ1月消費者物価上昇率に注目

〇トルコリラ円、2/2夜8.42まで一段安に、ドル円下落と対ドルでのリラ安重なる
〇対ドル、13リラ台での持ち合い続く、ドル安効果もトルコリラには限定的
〇本日16時トルコ1月物価上昇率に注目集まる、高インフレ落ち着かない限り追加利下げ急がないか
〇8.53以下での推移中は一段安警戒とし、8.42割れからは8.30円台後半を試すとみる
〇8.53超えからはいったん戻しに入るとみて、8.60を目指す上昇を想定する

【概況】

トルコリラ円の2月2日は8.59円から8.42円の取引レンジ、3日早朝の終値は8.49円で前日終値の8.57円からは0.08円の円高リラ安となった。
1月24日から27日にかけて8.40円割れを試したところからリラ買い優勢となり1月31日に8.67円まで戻して1月20日にトルコ中銀が利下げを見送った際に付けた8.61円を上抜いたものの、2月1日早朝に8.54円まで下げてからの反発も8.67円にとどまって2月1日夜には1日早朝安値を割り込んでダブルトップ型からの下落期入りの様相となっていたが、2日夜はドル円の下落と対ドルでのリラ安が重なって8.42円まで一段安となった。
トルコ政府によるリラ預金キャンペーンや観光収入改善等が1月31日の上昇要因となったが、2月1日はトルコ製造業PMIの悪化から売られ、2日夜もドル円が114円台序盤へ一段安したことに圧迫された。
2月3日午前序盤に入ったん8.50円台を付けたものの勢い付かずにいる。

【対ドルでは13リラ台での持ち合い続く】

ドル/トルコリラの2月2日は13.58リラから13.36リラの取引レンジ、3日早朝の終値は13.45リラで前日終値の13.37リラからは0.08リラのドル高リラ安だった。
昨年12月20日の史上最安値18.36リラから12月23日に10.05リラへ反騰し、その揺れ返しで1月10日に13.93リラへ下落した後は13リラ台でほぼ横ばいの持ち合いが続いている。1月28日に13.66リラへ下げたところから2月1日高値13.25リラまでやや戻し気味の推移だったものの勢いは続かずにリラ安がややぶり返し気味の推移となっている。
米連銀FOMC直後のドル高が一巡し、米連銀が金融引き締め姿勢を強化したとの受け止めによるドル高は過剰反応だったとしてユーロやポンド、豪ドル等が反騰入りしており、ユーロやポンドはFOMC前の水準を超えてきているが、トルコリラにとってはドル安効果も限定的だ。

【今夕の1月トルコ消費者物価上昇率が焦点】

2月3日16時にトルコの1月物価上昇率の発表がある。消費者物価上昇率の前月比については12月の13.58%から1月は9.80%へ減速するのではないかと予想されているが、前年同月比は12月の36.08%から46.68%へとさらに加速すると見込まれている。消費者物価のコア指数については市場の事前予想はまとまっていないが、12月は前月比が13.2%、前年同月比は31.9%だった。生産者物価上昇率の前年比についても12月の79.89%から1月は100%を超えるのではないかとみられている。
トルコ中銀は12月に4会合連続で利下げを強行した時にしばらくは様子を見るとし、1月20日のトルコ中銀金融政策決定会合では主要政策金利が据え置かれた。エルドアン大統領も利下げ政策の継続を強調しつつも金利の低下は緩やかに進むとして追加利下げを急がない姿勢を示し、トルコ財務相が1-3月期は様子を見るとの姿勢を繰り返し表明していることから、当面は高インフレ状態が落ち着かないことには次の利下げへ進まないだろうと市場は見ている。

次回のトルコ中銀金融政策決定会合は2月17日でまだ間がある。今夕の物価上昇率が落ち着いた数字になれば4-6月期ないしはそれまで待たずに利下げ再開の可能性が浮上し、予想以上に物価上昇率が加速するなら市場は利下げ政策ではなく利上げ要求としてリラ売り攻勢を仕掛ける可能性も考えられる。

2月2日にはブラジル中銀が政策金利を1.50%引き上げて10.75%としたが、1%を超える利上げは5会合連続となった。世界規模でのインフレ進行がやまないこと、米連銀が3月利上げへ向かい、英中銀は2月3日夜のMPCで2会合連続利上げが予想される等、主要国の引き締め化とともに新興国も引き締め姿勢を強いられている。そうした中で利下げを追求するトルコ中銀の姿勢は異様さが一層目立つ状況ともいえる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月1日早朝安値を割り込んだために1月31日夕刻高値と2月1日午前高値をダブルトップとした弱気サイクル入りとして2月4日未明から8日未明にかけての間への下落を想定した。
2月2日夜へ一段安してからやや戻しているものの8.50円前後で抵抗感がみられるのでまだ一段安余地ありとし、強気サイクル入りには8.53円を超える反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では2月1日午前高値からの反落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみるが、先行スパンを上抜き返せないうちはその後に遅行スパンが悪化するところからは下げ再開とみる。

60分足の相対力指数は2月2日夜に30ポイント割れへ低下してから戻したものの50ポイントに届かずにいる。50ポイント以下での推移か一時的に超えても維持できないうちはもう一段安余地ありとみる。2月2日夜安値を割り込む際に指数のボトムが切り上がる場合は強気逆行からの反騰入り注意とするが、強気転換には55ポイントを超えてその後も50ポイント以上で推移する反騰が必要と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)8.42円を下値支持線、8.53円を上値抵線とする。
(2)8.53円以下での推移中は一段安警戒とし、8.42円割れからは8.30円台後半(8.40円から8.35円)を試すとみる。8.35円以下は反騰注意とするが、8.50円以下での推移が続く場合及び直前の安値から0.07円以上の反騰に入れないうちは4日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)8.53円超えからはいったん戻しに入るとみて8.60円を目指す上昇を想定する。8.57円以上は反落注意とするが、8.53円を超えた後も8.50円以上での推移なら4日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

2月03日
 16:00 1月 消費者物価指数 前月比 (12月 13.58%、予想 9.80%)
 16:00 1月 消費者物価指数 前年比 (12月 36.08%、予想 46.68%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前月比 (12月 13.2%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前年比 (12月 31.9%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前月比 (12月 19.08%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前年比 (12月 79.89%)
 20:00 週次 外貨準備高 グロス 1/28時点 (1/21時点 708億ドル)
 20:00 週次 外貨準備高 ネット 1/28時点 (1/21時点 92.7億ドル)
2月07日
 23:30 1月 財務省現金残 前月比 (12月 -920.9億リラ)
2月10日
 16:00 12月 失業率 (11月 11.2%)


注:ポイント要約は編集部

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