ユーロ圏1月消費者物価指数(HICP)速報値の予想(22/2/2)

日本時間2022年2月2日19時00分に発表予定です。

ユーロ圏1月消費者物価指数(HICP)速報値の予想(22/2/2)

ユーロ圏1月消費者物価指数(HICP)速報値の予想

本日、ユーロ圏の1月消費者物価指数(HICP)速報値が発表されます。前回12月は予想を上回り、米国に続き欧州圏もインフレ懸念が高まりました。特にHICPコアが+2.6%まで上昇し、中銀目標の+2.0%を2ヶ月連続で超えました。今回は2022年最初の数値ですが、予想では中銀目標値内に収まる+1.9%(下表)となっています。昨年最後のECB金融政策時に公表されたHICPコア見通しでは、2022年末が+3.2%予想(9月時の+1.7%から上方修正)で、2023年から目標値内に収まる予想ですので、もし今回予想通りになってもそれが一過性になると思われます。また、月曜日公表されたドイツ1月CPIでは前月比+0.4%(予想▼0.3%)でしたので、この辺りから類推しても一過性と思われます。
明日3日にECB金融政策が公表されるので、この1月数値の評価を確認する必要があります。もし12月時点の予想から何らかの下方修正ニュアンスが加わると、今年3月末で終了するPEPP債購入後の金利正常化プロセスの流れが遅れる可能性が出てきます。昨年末のドイツGDPのマイナスなどがありますが、ECB内での指標の捉え方に注目したいと思います。

今回予想

今回予想

(2月2日9時現在予想)

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移

(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)

上記チャートでは、オレンジのコアがECB目標である緑の2%内に僅かながらも収まっています。2022年末のECB予想が3.2%ですので、来月以降の数値が右肩上がりになるのかを注意したいと思います。2月、3月の数値次第では、3月のECB金融政策での見通しに修正が加わる可能性がでてきます。

下図はユーロドルの日足チャートです。ラインA(=1.1435)を抵抗線にして、ユーロ安トレンドを形成しています。先週はAから平行に下したB(=1.1145)を下ヒゲだけ抜けましたが、現在は戻しています。そして、昨日トレンド内の急激な抵抗線C(=1.1220)を越えてきました。現在はまだユーロの戻り高がどこまであるかを試す流れにいます。昨年11月中旬を底値にしたD(=1.1325)のサポートを切ってから急落していますので、まずはこのDが最初の戻り高になりそうです。これをクリアすればAまでの上値余地が広がります。一方で、下値はC以下になると再度B方向に流れ易くなります。
相場はユーロが回復途上にいますが、もしHICPコアで予想を下回り、予想レンジ下限以下になると、昨日までのユーロ買い戻しに影響がでそうです。

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移 2枚目の画像

(2月2日10:20 1ユーロ=1.1274ドル)

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