米雇用統計に注目、レンジ放れへの期待感も(2/4夕)

4日の東京市場はレンジ取引。115円挟み、20ポイント強の値動きにとどまり、動意は米雇用統計が発表されるNY時間に持ち越されている。

米雇用統計に注目、レンジ放れへの期待感も(2/4夕)

米雇用統計に注目、レンジ放れへの期待感も

〇本日のドル円、NY時間に発表の米雇用統計控え、115円挟み、20ポイント強の値動きにとどまる
〇短期的に1/28の115.68を目先高値、2/2の114.16を目先下値とした1.5円レンジを形成
〇注目の米雇用統計発表の後、足もとのレンジを放れると予想する声が優勢
〇欧米は利上げに積極的な姿勢、基本的にはドルが買われやすい地合い
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.40-115.60、115.05レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は114.70-80の攻防にまずは注目、しっかり下回ると114.16が視界内に

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場はレンジ取引。115円挟み、20ポイント強の値動きにとどまり、動意は米雇用統計が発表されるNY時間に持ち越されている。

ドル/円は114.95円前後で寄り付いたものの、「春節(旧正月)」で中国市場が引き続き休みだったことに加え、NY時間に米雇用統計が発表されるとあって売買は手控えムード。時間外で取引されているNYダウなどが一時大きく上昇したこともあり、115円台に乗せる局面も見られたが勢いは続かなかった。結局、115円挟みのレンジ取引を脱することができないまま、16時現在では寄り付きと同じ114.95円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英欧の金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、英中銀が3日に政策金利を0.25%引き上げて年0.5%にすると発表。昨年12月の前回から2会合続けて利上げを実施している。それに対しECBは同日、政策金利の据え置きを発表しており、対応はわかれる結果となったものの、ラガルド総裁が記者会見で「インフレは高止まりし、予想以上に長期化する公算が大きい」と述べるなど方向性としては利上げにバイアスが掛かっていることは間違いないようだ。問題は、その次の一手が「いつなのか」ということになろう。
対して後者は、フランスのマクロン大統領とロシアのプーチン大統領、仏露首脳が1週間で3回目となるウクライナ情勢をメインとした電話協議を実施したほか、中露外相は対面式で会談を行ったと伝えられている。ただ、進展といった意味ではとくに目立ったニュースはなく、むしろ米国務省報道官からは「ロシアがニセ情報によるプロパガンダ映像の制作を進めている」といった内容、危機がさらに間近に迫っていることを喚起したコメントが聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は短期的にみて、1月28日の115.68円を目先高値、今月2日の114.16円を同下値とした1.5円レンジを形成している感。本稿執筆時に推移している115円手前は真ん中に近い水準で非常に居心地が良い。したがって、そんなレンジ取引がいましばらく続く可能性も否定できないが、本日NY時間には注目の米雇用統計発表が予定されている。上なのか、それとも下なのか方向性は別にして、足もとのレンジを放れていくだろうと予想する声が優勢だ。
「利上げに積極的」なのは米国だけにとどまらず、先で指摘したように英国やECBも方向性はそちらサイド。対して、改めて指摘するまでもなく日本は「利上げに消極的」という異質な存在だ。実際、本日も黒田日銀総裁からは「強力な金融緩和粘り強く続けて景気回復をサポートし、賃金上昇の後押しするのは重要」との発言が聞かれていた。ともかく、基本的にはドルが買われやすい地合いをたどるなか、本日まずは発表される米雇用統計の内容をしっかりと見極めたい。「新型コロナ・オミクロン株の影響で数字はよくない」といった見方も少なくないが果たして結果は如何に。

テクニカルに見た場合、ドル/円は足もと推移している114.16-115.68円というレンジをめぐる動きに注目だ。つまり、まずはレンジを抜けていくのか否か、そして抜けていくなら方向性は果たして上なのか下なのかが注視されている。「米雇用統計が悪い数字になる」といった見方が有力視されていることからすれば、好数字になった場合のポジティブサプライズにより上方向のリスクが幾分高い気もする。ちなみに、115.68円を超えれば116円台回復も。

材料的に見た場合、中長期的には本日いよいよ北京五輪が開幕、また政治イベントとしては中露首脳会談も実施される見込みの「中国情勢」、昨日WHO高官が「欧州にコロナの安定期が来る可能性」と発言したことが一時好感されていた「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月の雇用統計が発表される予定となっている。市場の関心がもっとも高い非農業部門雇用者数はプラス13万人程度が予想されているものの、前記したようにそれよりやや悪い数字になるとの見方も有力だ。もちろん数字次第とはいえ、悪い数字への耐性はある程度ついているようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.40-115.60円。本日東京で示現した115.05円レベルが目先の抵抗。超えれば前回高値115.68円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、東京安値も含めた114.70-80円の攻防にまずは注目。しっかり下回ると114.16円が視界内に。

米雇用統計に注目、レンジ放れへの期待感も

ドル円日足


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