トルコリラ円見通し 引き続き膠着状態、来週の1月CPIまで動意薄いか(22/1/28)

8.50円台では戻り売りにつかまり、8.30円前後への下落は買い戻される狭いレンジでの持ち合いが続いている。

トルコリラ円見通し 引き続き膠着状態、来週の1月CPIまで動意薄いか(22/1/28)

トルコリラ円見通し 引き続き膠着状態、来週の1月CPIまで動意薄いか

〇トルコリラ円、狭いレンジでの持ち合い続く、1/27は8.48から8.39の取引レンジ
〇来週の1月トルコ消費者物価上昇率の発表までは、決め手に欠き持ち合い継続と思われる
〇対ドルでも膠着状態続くが、1/20高値13.31以降はドル高リラ安の動きで安値切り下げ基調
〇米FOMC金融政策発表からドル全面高の様相、トルコリラもドル高リラ安圧力が増しやすい状況か
〇8.43以上での推移中は上昇余地ありとし、8.50超えからは8.50台中盤を目指すとみる
〇8.43割れからは下向きとし、8.39割れからは8.30台前半を試すとみる

【概況】

トルコリラ円の1月27日は8.48円から8.39円の取引レンジ、28日早朝終値は8.45円で前日終値の8.44円からは0.01円の円安リラ高だった。
12月の暴落と急反騰、その後の揺れ返しで1月3日に8.13円まで下げた後は1月3日高値9.00円を超えずに新たな安値更新も回避して8円台での持ち合いを継続している。1月20日にトルコ中銀が政策金利を現状維持として5会合ぶりに追加利下げを見送ったところで8.61円まで一時的に戻したものの勢いは続かず、その日以外は8.50円台では戻り売りにつかまり、8.30円前後への下落は買い戻される狭いレンジでの持ち合いが続いている。
1月27日早朝の米FOMC声明発表からのドル全面高によりドル円が115円台回復へ上昇していることはトルコリラ円には支えとなっている。
来週の2月3日に1月のトルコ消費者物価上昇率の発表があり、それまでは決め手に欠いて持ち合いの継続と思われる。

【対ドルでも持ち合い範囲で膠着状態続く】

ドル/トルコリラの1月27日は13.67リラから13.55リラの取引レンジ、28日早朝の終値は13.62リラで前日終値の15.58リラからは0.04リラのドル高リラ安となった。
12月の暴落と一時的な急騰が一巡した後は13リラ台中心の持ち合いが続いており、27日もその範囲内でさらにレンジを狭める動きにとどまった。
しかし1月20日にトルコ中銀が利上げを見送ったところで上昇してつけた高値13.31リラ以降はドル高リラ安の動きで安値の切り下げ基調が続いており、1月24日の13.53リラ、25日の13.57リラ、27日の13.67リラと若干ドル高リラ安基調となっている。

1月27日早朝の米FOMC金融政策発表からユーロドルが一段安、ポンドや豪ドル、NZドルも一段安に入りドル全面高の様相となっているが、南アランドも1月24日朝以降はドル高ランド安基調、メキシコペソも1月17日からはドル高ペソ安基調で推移しており、米連銀による引き締め姿勢の強化とウクライナ情勢による地政学的リスクを背景にメジャー通貨以外の資源通貨、新興国通貨も下落基調が鮮明になり始めているため、ドル/トルコリラでもドル高リラ安圧力が増しやすい状況にあると思われる。

【トルコ中銀の年末インフレ率予想は23%】

1月27日にトルコ中銀が発表した中銀の2022年末におけるインフレ率予想は23.2%とされ、前回の11.8%から引き上げられた。中銀は12月に36%に達した消費者物価上昇率は1月に50%へ迫り5月には55%でピークを付け、その後は低下に転じてゆくというシナリオを示した。さらに2023年末には8.2%、2024年には5.0%まで低下すると予想した。またトルコの高インフレは世界的な傾向を反映したものでトルコ中銀による利下げが原因ではないとも強調した。
原油価格の高騰が収まり、人手不足とモノ不足によるサプライチェーン停滞が解消すればインフレも収まる可能性があるが、米連銀が「インフレは一時的」としてきた見方を撤回してインフレ対策を急ぐように引き締め強化へ進んでいること、原油価格は今週も一段高しておりウクライナ情勢や中東情勢の地政学的リスクも増大していること、南米の天候不順の影響も踏まえて穀物相場も高騰基調にあることを踏まえれば、トルコ中銀の見通しも楽観過ぎる印象であり、9月から12月までの4会合連続の利下げがリラ暴落を招いて通貨インフレ上昇圧力を増したことは否定できないと思う。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月20日夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしてきたが、27日午前時点では既に26日夜高値をサイクルトップとして新たな弱気サイクル入りしている可能性があるとした。
1月27日午後に再び8.40円をわずかに割り込んでから切り返して26日夜高値を上抜いているため、現状は1月24日深夜と27日午後の両安値をダブルボトムとした強気サイクル入りとする。トップ形成期は26日夜高値を基準として31日夕から2月2日夜にかけての間と想定するが、戻りは短命の可能性もあるとみて8.43円割れからは弱気転換注意とし、27日午後安値割れからは弱気サイクル入りとして2月1日午後から3日午後にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では先行スパンを上抜き返して遅行スパンも好転しているため、遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落するところからは弱気転換注意として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は50ポイント割れからの切り返しで60ポイント台へ乗せているので、45ポイント以上での推移中は上昇継続として70ポイントを試すとみるが、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント割れへ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)8.43円を下値支持線、8.50円を上値抵抗線とする。
(2)8.43円以上での推移中は上昇余地ありとし、8.50円超えからは8.50円台中盤(8.53円から8.57円)を目指すとみる。8.55円以上は反落注意とするが、8.43円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)8.43円割れからは下向きとし、8.39円割れからは8.30円台前半(8.35円から8.30円)を試すとみる。8.30円以下は反騰注意とするが、8.43円以下での推移なら週明けも安値試しへ進みやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月28日
 16:00 1月 経済信頼感指数 (12月 97.6)
1月31日
 16:00 12月 貿易収支 (11月 -54億ドル)
 16:00 10-12月期 観光収入 (7-9月 114億ドル)
 17:00 12月 観光客数 前年比 (11月 111.5%)
2月01日
 16:00 1月 イスタンブール製造業PMI (12月 52.1)
2月03日
 16:00 1月 消費者物価指数 前月比 (12月 13.58%)
 16:00 1月 消費者物価指数 前年比 (12月 36.08%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前月比 (12月 13.2%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前年比 (12月 31.9%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前月比 (12月 19.08%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前年比 (12月 79.89%)
 20:00 週次 外貨準備高 



注:ポイント要約は編集部

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