トルコリラ週報:『狭いレンジ内で膠着商状。来週は膠着相場からの下放れに要警戒』(1/29朝)

トルコリラの対円相場は年初より方向感に欠ける値動きが続いております(8円台半ばを中心とした膠着相場が継続中)。

トルコリラ週報:『狭いレンジ内で膠着商状。来週は膠着相場からの下放れに要警戒』(1/29朝)

『狭いレンジ内で膠着商状。来週は膠着相場からの下放れに要警戒』

〇今週のトルコリラ円、週を通して8.31-59の狭いレンジ内で膠着
〇週初は21日移動平均線や一目均衡表基準線といった主要レジスタンスポイントに続伸を阻まれる
〇週末にかけては米FOMCのタカ派姿勢と米金利上昇、トルコ経済、金融政策の不透明感が重石に
〇トルコ円テクニカルには現在値付近に主要テクニカルポイント集まり。地合い中立化
〇ファンダメンタルズはエルドアン大統領の求心力低下、トルコ中銀追加利下げ観測等売り材料多い
〇来週はトルコ1月消費者物価指数に注目、来週の予想レンジ(TRYJPY):8.00ー8.75

今週のレビュー(1/24−1/28)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週を通して狭いレンジ内で膠着しました。週初8.45円で寄り付いたトルコリラ円相場は、週明け早々に週間高値8.59円まで上値を伸ばすも、21日移動平均線や一目均衡表基準線といった主要レジスタンスポイントに続伸を阻まれると、@米FOMC(連邦公開市場委員会)やパウエル議長記者会見のタカ派的な結果や、A上記@を背景とした金融市場のリスクオフ再開(米長期金利急上昇→リスクアセット下落→新興国通貨下落)、Bトルコ経済やトルコの金融政策を巡る先行き不透明感、Cネバティ財務相による「利上げを予想すべきでない」とのハト派的な発言が重石となり、週後半にかけて週間安値8.31円まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、Dトルコ1月経済信頼感(結果100.8、前回97.6)の良好な結果が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/29午前5時30分現在)では8.52円前後で推移しております。尚、トルコ中銀は今週、2022年末時点のインフレ率予想を従来の11.8%から23.2%へ引き上げると共に、インフレ率は5月に55%でピークを迎え、7月以降急低下するとの見通しを強調しました。

来週の見通し(1/31−2/4)

トルコリラの対円相場は年初より方向感に欠ける値動きが続いております(8円台半ばを中心とした膠着相場が継続中)。主要チャートポイントがローソク足近辺に密集し始めていることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が終了したことなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの中立化(レンジ相場入り)が確認されます(トルコ政府・トルコ中銀に対する不透明感が根強く、ロング・ショート共にポジションを傾けづらい時間帯)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@エルドアン大統領の求心力低下(来年の大統領選に向けて政局不透明感が高まる恐れ)や、Aトルコ中銀による追加利下げ観測(エルドアン大統領による利下げ圧力は継続)、B米FRBによるタカ派傾斜(1/27に発表された米FOMCでタカ派スタンスが明確化。トルコをはじめ新興国から米国への資金流出が活発化する恐れ)、Cトルコ経済の先行き不透明感(インフレ高進+景気低迷の組み合わせ。スタグフレーション懸念)、Dトルコ中銀による介入余力の脆弱さ(トルコの外貨準備高は2002年以来の低水準)など、トルコリラ円相場のダウンサイドリスクを意識させる材料が増えつつあります。

こうした中、来週は2/3に予定されているトルコ1月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、トルコリラの実質金利低下(トルコ中銀はエルドアン大統領の意を汲んでインフレ退治の利上げに消極的)を通じて、トルコリラに下押し圧力が加わる公算が大きいことから、来週はダウンサイドリスクに注意を要する1週間となりそうです(膠着相場からの下放れに要注意)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):8.00ー8.75

注:ポイント要約は編集部

『狭いレンジ内で膠着商状。来週は膠着相場からの下放れに要警戒』

トルコリラ円日足

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