ユーロ、テクニカルは一段高を示唆するも上昇幅は限定的
今週の週間見通しと予想レンジ
今年最初の更新となります。本年もよろしくお願いいたします。
2021年最終週のユーロは、週前半はもみあいとなっていましたが、米国でのオミクロン株感染拡大を嫌気したドル売りがユーロドルで見られたこと、また月末実需でユーロ買いがあると見られるユーロ買いも出ていました。実際に年末のロンドンフィキシングではユーロ買いとなり1.1387レベルまで上昇し、そのまま高値圏でのクローズとなりました。
欧州でのオミクロン株感染拡大懸念が米国にも広がったこともユーロ買いとなりましたが、米国との景況感の差や金融政策の方向性の違いを考えると、このままユーロ買いになるというよりも調整の買い戻しの範囲内と見た方が良いように思えます。年明けは東京市場同様に月曜まで英連邦市場が休場となりますので、本格的なスタートは4日からとなりそうです。
また今週は米国雇用統計以外にもドイツ、フランス、ユーロ圏のCPI速報値が発表され、一時的にユーロが振れる材料となる可能性がありますが、強い数字が出てユーロが買われるようであれば、米国雇用統計前は戻り売りのきっかけとなりやすいと見ています。他には昨年末同様に株式市場の動きによってユーロ円がリスクオン・オフで動きやすいでしょうから株式市場の動きにも注意でしょうか。
テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
先週までのペナント内での動きを上抜けたことで現状は11月半ばの高値から水平に引いたライン(ピンクの太線)とで形成されるウェッジの中で底固めをしているパターンです。このウェッジの上側のラインを上抜けるとテクニカルには一段高の動きにつながりそうですが、少し上には9月高値からのレジスタンスライン(青)もあり、上値も限定的なものとなりそうです。
ペナントを上抜けた水準は1.1340レベルですが、週初に既に同水準へと押してきていますので、下値側は12月下旬のもみあいの中心となっていた1.13水準を考えておくとよさそうです。今週1.1300レベルをサポートにレジスタンスラインが位置する1.1430レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週はユーロ円の日足を見てみましょう。
ユーロドルが月末(年末)実需で底堅かったことに加え、強い米国株を見てのリスクオンからドル円、ユーロ円ともに円安に動いたことでユーロ円は131円台に乗せました。12月安値127.37レベルから4円近い上昇と、月を通してもドル円の円安が目立ったことが大きかった値動きとなりました。
ただ、テクニカルには10月高値と12月安値との61.8%戻しが131.14と131円台前半はいったん上昇が止まりやすい水準でもあります。年初も株式市場とドル円の動きに注目しながら、調整の売りが入る可能性にも注意したい水準となってきました。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
1月3日(月)
**:** 東京、NZ、豪州、中国、英国、カナダ市場休場 ☆
17:50 フランス12月製造業PMI
17:55 ドイツ12月製造業PMI
18:00 ユーロ圏12月製造業PMI
1月4日(火)
16:00 ドイツ11月小売売上高
16:45 フランス12月CPI速報値 ☆
17:55 ドイツ12月失業率
18:30 英国12月製造業PMI
1月5日(水)
16:45 フランス12月消費者信頼感
17:50 フランス12月サービス業PMI
17:55 ドイツ12月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏12月サービス業PMI
28:00 FOMC議事録公表 ☆
1月6日(木)
16:00 ドイツ11月製造業新規受注
18:30 英国12月サービス業PMI
19:00 ユーロ圏11月PPI ☆
22:00 ドイツ12月CPI速報値 ☆
1月7日(金)
16:00 ドイツ11月鉱工業生産、貿易収支
16:45 フランス11月鉱工業生産、貿易収支
18:30 英国12月建設業PMI
19:00 ユーロ圏12月CPI速報値 ☆、消費者信頼感
22:30 米国12月雇用統計 ☆
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
12月27日(月)
ユーロドルはロンドン市場が月曜火曜と休場となることもあって小動き、横方向のもみあいを続け1日のレンジも32pipに留まりました。ユーロ円は株高によるリスクオンからドル円とともに買われNY市場では130円の大台乗せ、後場には130.16レベルの高値をつけそのまま高値圏での引けとなりました。
12月28日(火)
ユーロドルはNY市場までは全く動きが見られませんでしたが、欧州での感染者拡大を懸念した売りにやや押される場面も見られました。ロンドン市場が引き続き休場だったことから取引自体は控えめでした。
12月29日(水)
ユーロドルは欧州市場前場には1.1274レベルの安値をつけていましたが、ロンドン勢が戻っても薄い取引が続く中で月末前の実需のユーロ買いが出たようでした。米国でのオミクロン株感染拡大で感染者数が過去最大となったことから対ユーロでのドル売りも出ていたため、NY昼前には1.1369レベルの高値をつけ引けにかけては若干下げました。
12月30日(木)
ユーロドルは東京市場では目立った材料が無い中で売りが先行、前日の買いに対してポジション調整の売りが出たと見られました。海外市場に移ってからは多少の上下の動きは見られたものの方向感は無く、1.13台前半でのもみあいが続きました。
12月31日(金)
ユーロドルは前日海外市場でのもみあいを続けNY市場まで横方向のもみあいとなっていました。NY市場では月末のロンドンフィキシングで実需のユーロ買いが見られ1.1387レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での年末クローズとなりました。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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