南アランド週報:『ファンダメンタルズ主導の反落リスクに要警戒。上値余地は限定的』(12/18朝)

南アランド円相場は安値圏から持ち直すも、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます。

南アランド週報:『ファンダメンタルズ主導の反落リスクに要警戒。上値余地は限定的』(12/18朝)

『ファンダメンタルズ主導の反落リスクに要警戒。上値余地は限定的』

〇今週の南ア円、週央に7.00まで下落するも週末にかけて7.17まで反発
〇FOMC通過での材料出尽くし、フィッチによる格付け見通し上方修正等が支援
〇南ア円上方にテクニカルポイント並びここからの上昇容易でない
〇ファンダメンタルズも南ア円売り材料多い
〇南ア円反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.95ー7.25

今週のレビュー(12/13−12/17)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.09円で寄り付いた後、@新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る警戒感の高まり(南アフリカ国内における1日あたりの新規感染者数が前回第3波を超えて過去最多を記録。南アフリカのラマポーザ大統領も新型コロナウイルス検査で陽性判定)、A上記@を背景とした南アフリカ経済の先行き懸念、B米FOMCを控えた警戒感が重石となり、週央にかけて、週間安値7.00円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると(心理的節目7.00円をバックに押し目買い圧力が強まると)、C米FOMCを通過したことに伴う材料出尽くし感(米FOMCはタカ派な結果となったものの、米金融政策を巡る先行き不透明感払拭を好感)や、Dリスク回避ムードの後退、E格付会社フィッチによる南アフリカの格付け見通しの上方修正(弱含み→安定的)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.17円まで反発しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/18午前4時15分現在)では7.15円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア11月消費者物価指数、同コア指数は共に市場予想通りの結果となりました(南ア11月消費者物価指数:結果+5.5%、予想+5.5%、南ア11月消費者物価コア指数:結果+3.3%、予想+3.3%)。

来週の見通し(12/20−12/24)

南アランド円相場は安値圏から持ち直すも、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます。@アップサイドに複数のレジスタンスポイント(一目均衡表基準線や雲下限、90日移動平均線や200日移動平均線など)を控えている他、A強い売りシグナルを示唆する三役逆転や、Bダウ理論の下落トレンド形成も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております(買い一巡後の反落リスクに要警戒。11/26に記録した約10ヵ月ぶり安値6.93円が射程圏内)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカにおける新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大懸念(過去最多を記録)や、A上記@を背景とした南アフリカ経済の先行き不透明感(世界各国による南アフリカへの渡航禁止措置)、B国営電力会社エスコムによる計画停電・長期化リスク、C与党・アフリカ民族会議の求心力低下(南アフリカの高等裁判所は12/15に病気治療のために仮釈放されていたズマ前大統領の再収監を命令→ズマ派による暴動に発展する恐れ)、D主要国中銀によるタカ派スタンスへの転換(米FRBや英BOEによるタカ派スタンス明確化→新興国から先進国への資本流出懸念)など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(尚、来週は南アフリカの経済イベントに乏しいことから、新型コロナウイルス・オミクロン株やズマ前大統領の再収監に係るヘッドライン、米主要株価指数や米長期金利を睨みながらの神経質な展開を想定)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.95ー7.25

注:ポイント要約は編集部

『ファンダメンタルズ主導の反落リスクに要警戒。上値余地は限定的』

南アフリカランド円日足

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