レンジ放れなるか、米雇用統計に注目(11/5夕)

5日の東京市場はドル上げ渋り。一時113.80円台まで上昇するも続かず、寄り付きレベルまで押し戻されている。

レンジ放れなるか、米雇用統計に注目(11/5夕)

レンジ放れなるか、米雇用統計に注目

〇本日のドル円、一時113.80台へ上昇するもその後ドル売り優勢に、寄り付き下回る113円半ばへ軟落
〇2週間以上113.25-114.69レンジにとどまる、注目材料の雇用統計で次の方向性示されるか注目
〇本日発表の10月雇用統計、改善傾向を予想する傾向強い、発表前後の動きに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-114.20、114.28や114.44などをめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は113円半ばが最初のサポート、割り込むと113.25や113円がターゲット

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場はドル上げ渋り。一時113.80円台まで上昇するも続かず、寄り付きレベルまで押し戻されている。

ドル/円は113.70-75円で寄り付いたのち、日中高値である113.85-90円へと小幅に上昇。週末ゴトー日ということで仲値不足が喧伝されており、ドル買いに寄与していたようだ。しかし、仲値決定前後から流れが変わると、一転してドル売り優勢に。寄り付きを下回る113円半ばへと軟落。その後は低位揉み合いをたどるなか、16時現在では113.65円前後で推移、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、豪ドルやNZドルなどオセアニア通貨が小安い。豪中銀は発表した金融政策に関する四半期報告で、22年のインフレ見通しを引き上げたものの、ロウ総裁は「22年に利上げを実施する可能性は極めて低い」との見解を示しており、豪ドル買いには繋がらず。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「日米貿易問題など」について。
前者は、ドイツ衛生当局が「一日の新規コロナ感染者、昨年春の流行拡大以降最多を更新」と発表。また、WHO欧州事務局長も「欧州各国はさらなる感染拡大を抑制する取り組みを強化する必要がある」と危機感を募るコメントを発していた。ロシアや英国などを含めた欧州のコロナ感染がさらに強まると、為替市場においてもユーロなど欧州通貨の上値抑制に一役かっている感を否めない。
対して後者は、時事通信が「岸田首相は11月中にも米国を訪問する方向で調整に入った」と報じるなか、米商務長官からトランプ政権が発動した「対日鉄鋼関税を撤廃したい」との発言も。また、それとは別に「米国務次官補、7-10日の日程で就任後初めて日本を訪問する」ことが明らかになったほか、萩生田経産相はレモンド米商務長官と40分間の電話会談を行ったと発表されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日も上下に振れるなかなか荒っぽい変動をたどるも、終わってみればやはりレンジ内。114円を中心とした枠の中から放れることはできなかった。113.25-114.69円レンジはすでに2週間を超えているほか、今週といったさらに短いスパンで見ると114±50銭といった動きに過ぎない。本日の欧米時間は、米雇用統計という注目材料が発表されるなか、次なる方向性が明確に示されるのかにも注目だ。
今週は、米英豪の中銀がそれぞれ金融政策についての発表を実施。政策を精査するとそれぞれ違いはあるものの、多少なりとも「利上げに前向き」で、依然としてデフレから脱却できない日本の金融政策との違いはさらに鮮明となった。金利差だけが為替の決定要因ではないが、いわゆる金利差を考えると、やはり円を積極的には買いにくい。そうしたなか、本日は注目の米雇用統計発表を控えており、その内容が注視されている。仮に、失望を誘う内容でもドル/円の下値は限られる展開か。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高基調続くなかの時間調整。114円を中心とした往来相場が続いている。もちろん、そんなレンジ取引が続く可能性も否定できないが、度々指摘しているように、このあと重要材料である米雇用統計の発表を控えていることを考えると予断を許さない。調整局面を終え、次なる方向性が明確に示される可能性もあり、いずれにしても米雇用統計発表前後の動きにはしっかりと注意を払いたい。

材料的に見た場合、中長期的には、欧州議会議員団の訪問をめぐり台湾でピリピリしたムードが強まりつつある「中国情勢」、経口薬実用化の動きも注視されている「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月の雇用統計が発表される見込みだ。ちなみに、もっとも注視されている非農業部門雇用者数の予想値はプラス45万人で、前月の2倍増以上になるもよう。つまり、改善傾向を予想する向きが多いようだが実数値は果たして如何に。期待外れ、悪化した場合の影響により注意との見方もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-114.20円。手前にも弱い抵抗は存在するが、強いものとなると昨日高値114.28円や114.44円などとなる。攻防に注目。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでは少なくとも2度下げ止まっている113円半ばが最初のサポート。割り込むと113.25円や113円ちょうどなどがターゲットに。

レンジ放れなるか、米雇用統計に注目

ドル円日足


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