NYダウなど注視しつつ基本はレンジ継続か
〇本日のドル円、堅調な日米株価などを背景に一時114円近くまで値を上げる、ドルが強含みの展開
〇今後しばらくは113.42-114.69といったレンジ内で一進一退をたどる可能性、目先はドル高調整局面
〇テーパリング開始が予想される来週のFOMCを前に、ポジション調整先行との見方も
〇本日は10月消費者信頼感指数・リッチモンド連銀製造業指数発表の他、IT系を中心に米決算発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.50-114.50、先週末高値114.20レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は、113.50-60のサポートをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場はドルが強含み。値幅は狭いが右肩上がりで、「寄り付き安・大引け高」の様相を呈している。
ドル/円は、寄り付いた113.65-70円を日中安値にじり高推移。緩やかな右肩上がりをたどると、終盤に掛けては114円近くまで一時値を上げている。堅調な日米株価などを受け、為替市場も全般的に円が売られる展開をたどっていた。16時現在、ドル/円は113.90円前後と、そのままドルの高値圏を維持し欧米市場を迎えている。
なお、前述したように東京は円全面安の様相。クロス円もこぞって上値を試す展開となり、ここのところ冴えなかったトルコリラも一時12円近くまで続伸していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、習国家主席が演説で台湾の国際機関参加拡大をけん制する発言を行うなか、不動産開発の当代置業(モダン・ランド・チャイナ)が「流動性の問題」を理由に、25日期限社債の元本・利払いを実施しなかったことを明らかにしている。やはり中国の不動産リスクは要注意だ。そうしたなか、イエレン米財務長官が中国の劉副首相とオンライン会談を行い、「懸念事項を率直に提起した」という。
対して後者は、ロシア当局が以前から「28日に首都モスクワがロックダウンへと入る」ことを明らかにしている環境下、昨日はロイターが「ロシアの過去24時間のコロナ新規感染者数が3万7930人と過去最多に達した」と報じ話題に。また、それとは別に原油などエネルギー価格の高騰が続くなか、米高官から「ロシアは天然ガスを政治的手段として活用する路線に傾きつつある」と指摘したことが思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は20日に114.69円まで上昇し、目先の高値を示現。その後はドルの下押し圧力が強まり113.42円まで下落するも、同レベルが当面の底値になったのだろう。つまり、今後しばらくは113.42-114.69円といったレンジ内で一進一退をたどる可能性もある。ドル高基調のなかの調整局面ながら、価格ではなく時間調整を見込む向きもある。
米金利動向への関心はいまだ高く、来週予定されている11月のFOMCでテーパリングが開始されるとの見方が市場のコンセンサス。単純に日米金利差を考えると、積極的なドル売り・円買いには動きにくい状況だが、来週FOMCを前にポジション調整が先行するとの見方もあり、ドル/円の上値を抑制しそうだ。なお材料的には、発表される米経済指標の内容とともに連日で高値を更新しているNYダウ、そして波乱含みである原油価格動向を警戒する声が多くなっている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は115円台乗せに向けた中期的なドル高傾向継続も、目先はその調整局面。ただ、価格調整ではなく時間調整の色彩が日に日に強まりつつあるようだ。市場で大いに注視されているものは来週の米FOMCで、それをにらみつつ、先でも取り上げたようにしばらくは113.42-114.69円といった1.3円ほどのレンジ取引をたどる可能性も否定できない。
材料的に見た場合、中長期的には、来年2月に開催される北京冬季五輪に関する話も色々と取り沙汰され始めている「中国情勢」のほか、ロシアを含めた欧州を中心とした感染の再拡大懸念が高まりつつある「新型コロナ」、「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、10月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、米財務省による2年債の入札などが実施される見込みだ。また米決算発表も、アルファベットやマイクロソフトなどIT系を中心に注目の企業が目白押しで、その内容には一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.50-114.50円。先週末高値114.20円レベルが目先の抵抗で、超えれば114.69円なども再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、113.50-60円が少しずつサポートとして育ちつつある感。まずはその攻防に注目だ。底堅いイメージながら、さらなる続落にも注意。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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