ドル高傾向続く、115円に向けた続伸も(10/18夕)

週明け18日の東京市場はドルが小高い。先週末高値114.47円に面合わせしたものの、抜けていくことは出来なかった。

ドル高傾向続く、115円に向けた続伸も(10/18夕)

ドル高傾向続く、115円に向けた続伸も

〇本日のドル円、高値圏でのもみ合いで先週末高値114.47に面合わせするも抜けられず
〇低金利政策から脱却できない円を積極的に買い進められず、ドル高円安傾向はまだ続く見込み
〇衆院選なども円の弱材料、調整によるドル安進行は逆に絶好の押し目買いチャンスか
〇ドルの上値メドは114円半ばや114.70前後、超えればいよいよ115円台乗せがみえてくる
〇本日は9月鉱工業生産や10月NAHB住宅市場指数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.90

<< 東京市場の動き >>

週明け18日の東京市場はドルが小高い。先週末高値114.47円に面合わせしたものの、抜けていくことは出来なかった。

先週末は、「恒大集団」を中心とした幾つかの中国情勢が引き続き思惑を呼ぶなか、暗号資産(仮想通貨)ビットコインが6万の大台に再び乗せたことも話題となっていた。
そうした状況下、ドル/円は114.25円前後で寄り付いたのち、高値圏での揉み合い。114.00-45円といったレンジ取引をたどるなか、先週末高値114.47円に一時最接近。面合わせを記録したが、上抜けていくには至らなかった。16時現在では、寄り付きとほぼ同じ114.30円前後で推移し欧米市場を迎えている。
なお、円全面安傾向は本日東京でも続いたが、ドル/円同様にクロスも上値は重い。たとえば豪ドル/円は6月初旬以来となる81円台を一時回復したものの続かず、逆に高値圏で上げ渋りの様相を呈していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「日本の政治情勢」について。
前者は、まず「不動産リスク」に関する話が相次ぐ。実際、中国地産集団が2.26億ドルの社債償還出来ず、「デフォルトした」ことを明らかに。またロイターは、恒大集団の夏最高経営責任者(CEO)が「香港で投資銀行や債権者とリストラや資産売却などの可能性について協議している」と報じ物議を醸していたようだ。それとは別に、英紙FTが「8月に核搭載可能な極超音速兵器の実験を行った」と指摘。「米加軍艦が台湾海峡を通過」したことに、中国軍が「台湾海峡の平和と安定に深刻な危害を与える」と非難する談話を発表したことも発表されている。

対して後者は、始まった秋季例大祭に合わせ安倍元首相や菅前首相が靖国神社を参拝。また岸田首相は参拝そのものを見送ったが真榊の奉納を行っている。一方、そうしたなか週末から本日に掛けての幾つかの岸田発言が話題に。たとえば、「福島原発の海洋放出は先送りできない」、「任期中の金融所得課税、取り組みが早く進めばあり得る」、「原油価格高騰をめぐり閣僚に対応を指示」、「非常時の財源として国債を思い切って使うべき」−−などが、それぞれ思惑を呼んでいたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日東京時間に一度も114円を割り込めず。ドルの下値は堅く、またリスクがドル高方向に高いことは間違いないものの、先週高値114.47円に面合わせまでしたにもかかわらず、超えられなかったというのは少し引っ掛かる。改めて指摘するまでもなく、ポジションの偏りは顕著になっていることもあり、一時的な調整の動きにも一応要注意。
米金利動向への関心が高いという状況にいまだ変化なし。日米金利差を考えれば、いまだ超低金利政策から脱却できない円を積極的に買い進めることなどできず、ドル高・円安傾向はまだまだ続く見込みだ。また短期的には、月末に予定されている日本の衆院選、つまり日本の政局不安が一部海外勢のあいだで懸念されているとされ、円の弱材料になっているという。調整によるドル安進行があれば、そこは逆に絶好の押し目買いのチャンスであるのかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は直近安値からの上昇幅が5円を超えてきたこともあってか、やや荷もたれ感がうかがえるものの、一方で下値も堅い。1ヵ月足らずに5円超というような急スピードではなく、緩やかなものとなりそうだが、それでもドル高傾向はまだしばらく続く見込みだ。そんなドルの上値メドは114円半ばや114.70円前後など。それらを超えればいよいよ115円台乗せがみえてくる。

材料的に見た場合、中長期的には、実際にデフォルトする先も散見されるなど、「不動産リスク」がいよいよ待ったなしとなった「中国情勢」のほか「新型コロナ関連」、衆院選の票読みなども取り沙汰されはじめた「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月の鉱工業生産や10月のNAHB住宅市場指数が発表されるほか、ミネアポリス連銀総裁などによる講演も実施される見込みだ。そのほか米ステートストリートなどの決算発表も予定されており、合わせて要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.90-114.90円。先週末から少なくとも2度抜けられなかった114円半ばが目先の抵抗。超えると114.70円や115円を目指す。
対するドル安・円高方向は、114円レベルが時間足など短期ではサポートとして育ちつつあるうえ、割り込んでもかなり底堅いイメージだ。すでに112円はかなり遠くなった感を否めない。

ドル高傾向続く、115円に向けた続伸も

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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