ドル円、約3年ぶり高値圏で一進一退。米金利や米株を睨みながらの神経質な展開
〇ドル円、日経平均反落や中国のGDP等の指標不冴えに、アジア時間に114.01まで下落
〇その後米長期金利の急上昇で欧州時間に114.46まで反発、米指標不冴えで再反落し114.30レベルで推移
〇ユーロドル、中国指標不冴えと米長期金利上昇に1.1571まで下落後米指標不冴えで1.16台回復
〇ドル円約3年ぶり高値圏で底堅い、テクニカル、ファンダメンタル両面の好材料がドル円を下支え
〇一時的なポジション調整リスク孕むも、引き続き短期、中長期ともドル円上昇を予想
〇本日の予想レンジ:114.00ー114.80
海外時間のレビュー
週明け18日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@日経平均株価の3営業日ぶり反落や、A中国経済の先行き不透明感(中国第3四半期GDP、中国9月鉱工業生産、中国9月固定資産投資が市場予想を下回る不冴な結果)、B上記@Aを背景としたリスク回避の円買い圧力、C本邦輸出筋によるドル売り観測が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値114.01まで下落しました。しかし、心理的節目114.00をバックに下げ渋ると、D米長期金利の反転上昇(米10年債利回りは再び1.60%の大台を回復し、一時1.62%まで急上昇)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値114.46まで上昇しました。もっとも、先週末金曜日に記録した約3年ぶり高値114.47をバックに伸び悩むと、E米経済指標の冴えない結果(米9月設備稼働率、米9月鉱工業生産)や、F米長期金利の上昇幅縮小、G米主要株価指数の軟調推移が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/19午前5時35分現在)では、114.30前後まで小反落する動きとなっております。
週明け18日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@中国経済指標の不冴な結果や、A上記@を背景としたリスク回避のドル買い圧力、B米金利上昇を背景としたドル買い圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.1571まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると、C米経済指標の冴えない結果(ドル売り)や、D米金利の上昇幅縮小、E短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1623まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/19午前5時35分現在)では、1.1610前後で推移しております。尚、スパーン独保険相は「11/25に緊急事態を終了することに賛成」と発言しましたが、市場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は約3年ぶり高値圏で底堅い動きが続いております。@日米金融政策の方向性の違いを背景としたドル買い・円売り圧力や、A資源価格高騰に伴う日本経済の脆弱性露呈(エネルギー自給率の乏しさに着目した円売り圧力)、B世界的なインフレ高進に伴う新興国から米国への資金流出懸念(ドル買い圧力)、C底堅さを取り戻した株式マーケット(リスク選好の円売り圧力)、D強い買いシグナルを示唆する三役好転、E強気のパーフェクトオーダーなど、ファンダメンタルズ的な側面、テクニカル的な側面双方での好材料がドル円を下支えしていると考えられます。オシレータ系インジケータの過熱感点灯や、IMM通貨先物市場における円ショートの急拡大など、一時的なポジション調整リスクを孕んではいるものの、当方では引き続き、短期的にも中長期的にも、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(今週は、2017/11/6高値114.74や、2017/3/15高値114.91、心理的節目115.00を試す展開を想定)。
尚、本日は、米主要経済指標(米9月住宅着工件数、米9月建設許可件数など)に加えて、米当局者発言(フィラデルフィア連銀ハーカー総裁、サンフランシスコ連銀デイリー総裁、ボウマンFRB理事、アトランタ連銀ボスティック総裁)や、米企業決算(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、プロクター・アンド・ギャンブルなど)も予定されている為、特に米国時間帯は、米長期金利、米主要株価指数を睨みながらの神経質な展開が予想されます。
本日の予想レンジ:114.00ー114.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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