ドル下押し一服も、米株の動きなどに注意
〇本日のドル円、日経平均下落でリスク回避のドル買いに、夕方111.20-25まで値を上げる
〇本日東京時間午前中岸田首相とバイデン大統領、初の日米首脳電話会談を実施
〇しばらくは111円台中心のレンジ取引、方向性が示されるのは週末の米雇用統計発表後か
〇本日は8月貿易収支や9月ISM非製造業総合指数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.70-111.60、昨日高値111.30が目先の抵抗
<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場はドルが小高い。前日に続き本日も株安が進行したものの、円買いは限られ、むしろドルは全面高の様相だった。
ドル/円は110.90円前後で寄り付いたものの、しばらくは揉み合い。上値は重く111円になかなか乗せられなかったが、超えてくると緩やかな右肩上がり。夕方に日中高値である111.20-25円まで値を上げている。
なお、日経平均株価が終値ベースで600円超の下げを記録したが、リスク回避として志向された通貨は円よりも米ドル。その結果ドルは対円以外でも強含みで全面高の様相を呈したほか、16時現在でもドル/円は日中高値圏をキープし、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「日本の政局」と「中国情勢」について。
前者は、昨日第100代目の首相として岸田自民党総裁が選出され、新内閣も発足した。そうしたなかバイデン米大統領のほか、プーチン氏など中露の首脳からも岸田氏へ祝電、祝意が寄せられていたという。なお、本日東京時間午前中に、岸田氏とバイデン氏による初の日米首脳電話会談が実施され、ホワイトハウスの発表によると「強固な同盟関係を改めて確認した」ようだ。
対して後者は、米USTR代表が「近日中に中国の劉副首相と通商協議再開の意向」を示したことが話題に。一方、それとは別に、過去最多の中国軍機56機が台湾の防空識別圏に侵入したことが判明。米国防総省などから進入を批判する声明などが発表されたものの、中国サイドは逆に、同国外務省を通じ「台湾の独立に向けたいかなる動きも粉砕する」とし米国などへの警告を発していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日110.82円まで下落し直近安値を更新するも、その後は逆に底堅い推移をたどっており、本日東京時間には111.20円台まで上値を伸ばしている。まだ予断を許さない状況ながら、先日年初来高値112.08円を示現したのちの調整的な下押しは一巡したのかもしれない。週末に発表される米経済指標、雇用統計をにらみつつ、しばらくは111円台を中心としたレンジ取引が続く可能性もある。
米金利動向への関心が高いという状況が依然として続くなか、足もと発表される米経済指標にも一応要注意。ちなみに、本日は9月のISM非製造業総合指数が発表される見込みだ。内容次第では一時的にせよ、乱高下をたどっても不思議はない。そうしたなか気掛かりなのは、NYダウをはじめとする米株の行方。新型コロナ関連の話や米債務上限問題のほか、OPECプラス会合で従来の生産計画を維持する方針が示されたこと受けた原油市況、昨日4日期限の2億ドルが返済できなったことを発表した中国の不動産開発会社「花様年控股集団」リスクなど、注意すべき要因はてんこ盛りとなっている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は前回安値109.11円を起点に112.08円まで3円近い上昇をたどったのち、1円を超える下落を経たことでドル下押しの第一波も終了か。ここからは価格調整ではなく、時間調整の色彩を帯びることになるとの見方も少なくないようだ。しばらくは111円台を中心に上下50ポイント程度のレンジ取引が続く可能性も取り沙汰されていた。次に方向性が示されるのは、週末の米雇用統計発表後ということになるのかもしれない。
材料的に見た場合、中長期的には、「恒大集団」に続く不動産リスクが新たに発覚した「中国情勢」のほか、日本株を見ていると金融市場的には厳しい船出となった岸田新内閣をはじめとする「日本の政局」や「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の貿易収支や9月のISM非製造業総合指数が発表されるほか、ラガルドECB総裁やクオールズFRB副議長などによる講演やイベント参加が見込まれており、しっかりと注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.70-111.60円。昨日高値111.30円が目先の抵抗。超えても111円半ばが抵抗となりそうで、112円台は若干遠くなった感も否めない。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の110.82円めぐる攻防に注目。下回るとフィボナッチポイントの110.60円などがターゲットに。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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