豪州中銀金融政策記者発表
本日開催の豪州中銀金融政策は従前の予想通り、これまでの緩和策を全て据え置くことを決定しました。豪州経済は順調な回復を辿っているものの、デルタ株の拡大で一部地域が困難に直面しており、不確実性が残っていると分析しています。年内には回復の端緒が見え始めると予想しているので、次回11月の会合でテーパリングについての議論が出るか否かとなりそうです。
次回の金融政策は11月2日(火曜日)に予定されています。
(金融政策決定)
本日の会合で、委員会は下記を決定した。
・キャッシュレート(OCR)の目標を10ベーシスで、為替決済残高に関してはゼロ%で維持する。
・豪州国債2024年4月満期に対し、10ベーシス目標で維持する。
・週40億豪ドルの割合で国債購入し、少なくとも2022年2月央までこの割合で購入を続ける。
デルタ株突発発生により、豪州経済の回復は腰を折られ、GDPは9月末期で大きく下がることが予想されている。突発発生は経済の多くの分野に影響を与えたが、その影響は不均一であり、幾つかの地域では非常に厳しい状況に直面している。一方、その他地域は力強い成長を続けている。
経済拡大に対するこの後退はほんの一時的と予想されている。ワクチン接種率が一段と上昇し、制限が緩和されれば、経済は戻ることが予想される。多くの企業は制限緩和に向けた計画を立てており、その自信は十分にみなぎっている。しかしながら、そのタイミングや戻りのペースに関しては不確実性がある。おそらく、年初の想定よりは遅れるだろう。多くは活動制限の中身やタイミングによるだろう。我々の最近のシナリオでは、経済が12月末四半期には再び伸び、来年下半期にはデルタ前の道のりに戻れると予想している。
活動制限は労働市場には大きな影響を与えた。労働時間−現時点での労働市場の状況に関する最良指標で、これは8月には4%近くまで下がった。先を見ると、求人に関する中銀の支店やデータでは、多くの企業が10月や11月に期待される活動再開前に、労働者の雇用を求めている。
豪州の賃金や物価圧力はまだ低いままである。基礎的には、インフレは約1.75%で推移しており、賃金価格指標により算出された賃金は丁度1.7%まで上昇した。世界的な供給チェーンの混乱が幾つかの商品価格に影響を与えている一方で、全般的なインフレ率への影響は限定されている。
住宅価格は、ウィルスが発生した幾つかの地域では反落したけれども、上昇を続けている。(以下、住宅関連は略)
歴史的な低金利、国債購入、イールド目標あるいはTerm Funding Facilityの元で用意された資金などの中銀の金融政策パッケージは豪州経済に対して、実質的かつ継続的な支援を提供している。借入金利は歴史的に低く、ソブリン債のイールドも非常に低い水準である。そして豪ドルの為替は最近数ヶ月で安くなっている。豪州政府・州・あるいは地域政府による財政支援は家計や企業のバランスシートを下支えする上で歓迎すべき援助を提供している。
委員会は豪州内の完全雇用、目標と一致するインフレを達成するために、高度な金融支援状況を維持することを約束している。実質インフレが目標とする2〜3%内に持続的に達成されるまで、OCRを引き上げないつもりである。中央シナリオではこの状況が2024年前には来ないと見ている。この条件を満たすには、労働市場が現状よりも大幅に高い賃金の伸びを生み出すのに十分タイトであることが要求される。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP)
豪ドル・米ドルは公表後、予想通りの内容に0.72台後半で小動きとなっています。現状では明日のNZ中銀の金融政策で利上げあるか無いかを見極め、その後の豪ドル対NZドルで左右されそうです。
(2021年10月5日16時00分、1豪ドル=0.7261米ドル)
オーダー/ポジション状況
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