トルコリラ週報:『年初来安値更新後に反発するも戻りは鈍い。来週はCPIコアに注目』(10/2朝)

トルコリラの対円相場は9/1に記録した約4ヵ月ぶり高値13.34円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、約1年ぶり安値となる12.43円まで急落しました。

トルコリラ週報:『年初来安値更新後に反発するも戻りは鈍い。来週はCPIコアに注目』(10/2朝)

『年初来安値更新後に反発するも戻りは鈍い。来週はCPIコアに注目』

〇トルコ円、中銀の独立性懸念、米土関係悪化懸念等に週初12.43まで下落
〇売り一巡後はリスク選好回復と、ドル円の急上昇で週後半にかけ12.64まで反発
〇トルコ円テクニカルの地合い弱くファンダメンタルズも下落意識させる材料増える
〇トルコ円下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):12.30ー12.70

今週のレビュー(9/27−10/1)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初12.46円で寄り付いた後、@トルコ中銀による追加利下げ観測や、A中銀の独立性への不信感(トルコ中銀は先週、エルドアン大統領に配慮する形で利下げを実施)、Bエルドアン大統領による「ロシア製地対空ミサイルS400を追加購入する意向がある」との発言(米ートルコ関係の悪化懸念)が重石となり、週明け早々に年初来安値12.43円(昨年9/29以来、約1年ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C中国恒大集団を巡るデフォルト懸念の後退や、D上記Cを背景としたリスク回避ムードの後退、Eトルコ9月経済信頼感指数(結果102.4、前回100.8)の良好な結果、Fドル円相場の急上昇(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高の波及経路。事実対ドルでは9/30に史上最安値更新)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値12.64円まで反発しました。もっとも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、週末にかけては再び反落。本稿執筆時点(日本時間10/2午前5時15分現在)では、12.53円前後で上値重く推移しております。

来週の見通し(10/4−10/8)

トルコリラの対円相場は9/1に記録した約4ヵ月ぶり高値13.34円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、約1年ぶり安値となる12.43円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、90日移動平均線や21日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て「地合いは弱い」と判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ経済の先行き不透明感や、A米国との関係悪化懸念(エルドアン大統領は今週、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を実施。ロシア製地対空ミサイルS400の追加購入の意向を改めて発表→米トルコ関係が更に悪化する恐れあり)、Bトルコ中銀による追加利下げ観測(年末・年始に向けて毎月50bp程度の利下げを続ける可能性あり)、C中銀の独立性に対する不信感(トルコ中銀がエルドアン大統領の圧力に屈したとの見方から国内から国外への資本流出圧力が強まる恐れ)など、トルコリラ円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は10/4に予定されているトルコ9月消費者物価指数、トルコ9月生産者物価指数に注目が集まります。トルコ中銀は金融政策を決定するにあたって重視すべき指標を従来までの消費者物価指数から消費者物価コア指数に変更することを表明している為、来週発表される消費者物価コア指数が市場予想を下回る結果となった場合には、トルコ中銀による追加利下げ観測の高まりを通じて、トルコリラに下落圧力が加わることが想定されます(次のターゲットは昨年11/6に記録した史上最安値12.04円)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.30ー12.70

注:ポイント要約は編集部

『年初来安値更新後に反発するも戻りは鈍い。来週はCPIコアに注目』

トルコ円日足

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