本日も材料乏しい、レンジ取引続く公算
〇本日のドル円、一時109.70まで値を崩すがその後ドル買い優勢で続伸、109.95前後へ値を上げる
〇豪中銀は政策金利据え置き、「テーパリングの予定を変更しない」との見解を示す
〇本日の欧米時間もそれほど大きな材料なくレンジ取引が続くと予想、110円挟みの往来相場か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.40
〇ドル安・円高方向は先週末安値109.59が最初のサポート、割り込めば109.41が意識される
<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場はドルが小高い。値幅的には30ポイントに満たず、決して大きくはなかったが終盤に掛けてドルはやや買い進められた。
ドル/円は109.80-85円で寄り付いたのち、揉み合いながら日中安値を示現。109.70円割れまで一時値を崩している。しかし、そののちは逆にドル買いが優勢となり、夕方に掛けてさらに続伸。109.95円前後へと値を上げ、16時現在ドル/円はそのまま日中最高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、前日にバブル期以来「31年ぶり高値水準」を記録した東証株価指数は本日も大幅高。また、日経平均株価も続伸、クローズベースで250円ほど上昇するなど堅調裡だった。
一方、材料的に注視されていたものは、「日本の政局」と「豪金融政策」について。
前者は、菅氏の後継者争いとなる自民党総裁選において、有力候補のひとりと目されている石破元幹事長が「不出馬を検討」などと報じられ話題に。ちなみに石破氏、不出馬の場合には河野行革相の支持に回る予定だという。また、その河野氏は「今週後半にも正式に総裁選への出馬表明する方向で調整中」と伝えられていた。
対して後者は、今週豪加欧による中銀会合がそれぞれ実施されるが、その皮切りとなる7日・豪中銀政策会合を前に、ブルームバーグが「債券購入のテーパリングを先送りするかどうか再検討する見通し」と報じ、一部で話題に。しかし、豪中銀はそののち政策金利を据え置くとともに「テーパリングの予定を変更しない」との見解を示したことで、為替市場において一時乱高下を誘発している。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日はレーバーデーでNYが休場となったこともあり為替市場は全般小動き。その流れを本日も継いでおり、ドル/円もここまでレンジ内での値動きだ。予断を許さないが、本日の欧米時間もそれほど大きな材料はないことで、レンジ取引が続くと予想する市場参加者は多い。110円挟みの往来相場をたどる可能性もある。
米ファンダメンタルズならびに、金利動向への関心が高いという状況に変化ないが、早期テーパリング開始期待は一時期よりも後退した感を否めないだろう。そうしたなか、引き続き米経済指標への注目度は高いものの、本日も目立った米経済指標の発表は予定されていない。また、米金融当局者の講演などの予定もなく、手掛かり材料難の状況だ。ただ、ナスダックを中心に米株は依然として高値圏で推移しているだけに、その動きは波乱要因となりかねず、本日も注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き109.41-110.41円という1円レンジ内での動き。いま少しレンジ取引が続く可能性もあるが、気が付くと早くも3週間近くになる。日柄的にはそろそろ保ち合い放れにも注意すべきかもしれない。ただし、仮に「小レンジ」を放れても109.11-110.80円といった「中レンジ」にはとどまりそうで、明確な方向性が示されるのはまだまだ先になりそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には、国内企業への締め付けから経営環境の不透明感が増しているともいわれる「中国情勢」のほか、次期自民党総裁候補からの具体的な政策はあまり聞こえてこない「日本の政局」、「新型コロナ変異種(デルタ株・ミュー株)」−−などが注視されている。
一方、昨日に続き本日も、米経済指標の発表はとくに予定されていない。また、米地区連銀総裁などの講演もないものの、米財務省による3年債の入札は実施される見込み。ただ、材料は全般的に乏しい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.40円。109.95円前後、昨日高値をめぐる攻防にまずは注目だ。上抜ければ110.10円前後、そして110.41円を目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の109.59円レベルが最初のサポート。8月31日もちょうど同じ水準で下げ止まっている。割り込めば109.41円が意識されそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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