豪州中銀金融政策記者発表
(出所:豪州中銀HPから)
本日開催の豪州中銀金融政策は従前の予想通り、これまでの緩和策を全て据え置くことを決定しました。そして債券購入期間を前回の11月央から来年2月央まで延長しました。以下は委員会で決定した9月の金融政策内容です。
尚、次回の金融政策は10月5日(火曜日)に予定されています。
(金融政策決定)
本日の会合で、委員会は下記を決定した。
・キャッシュレート(OCR)の目標を10ベーシスで、為替決済残高に関してはゼロ%で維持する。
・豪州国債2024年4月満期に対し、10ベーシス目標で維持する。
・週40億豪ドルの割合で国債購入し、少なくとも2022年2月央までこの割合で購入を続ける。
デルタ株突発発生よりも前に、豪州経済はかなりの勢いを持っていました。GDPは6月末四半期に0.7%伸び、年率ではほとんど10%に近い伸びでした。企業投資は上昇し、労働市場は強まりました。失業率は5%を下回り、求人は高水準でした。
しかしながら、豪州経済の回復はデルタ株の突発発生とそれに伴う活動制限により腰を折られた。GDPは9月末四半期にはかなりの下落が予想されている。失業率は今後数ヶ月で上昇が見込まれる。この発生により経済の大部分に影響を与える一方で、その影響は不均一であり、一部地域は非常に困難な状況に直面しているが、その他の地域は力強い成長を続けている。
経済拡大に対するこの後退はほんの一時的と予想されている。デルタ株発生は景気回復を遅らせるが、脱線させる程ではないと見ている。一層のワクチン接種率の上昇が制限の緩和により、経済は立ち直るだろう。しかしながら、そのタイミングや立ち直りペースには不確実性があり、おそらく年初想定よりも遅くなるようである。この多くは健康状態や活動制限の緩和状況に依存している。我々の中央シナリオでは、経済は12月末四半期には再び拡大し、来年の下半期にはデルタ前の道のりに戻ると予想している。
デルタ前の強い経済や労働市場の成果にも関わらず、賃金や物価は依然として低いままである。6月末四半期での年率ベースで、賃金価格指数は丁度1.7%の伸びとなっている。
住宅価格は、一部地域でウィルス発生により売り上げが下落しているが、上昇を続けている。住宅信用の伸びは、居住所有者や投資家の強い需要もあり、上昇している。住宅価格上昇と低金利の環境下で、中銀は住宅借入に関し、注意深く見守っており、貸出基準を維持することは重要である。
非常に緩和的な金融状況は豪州経済回復を下支えしている。借入金利は歴史的に低水準であり、為替レートはここ数ヶ月で安くなっている。豪州政府、州、あるいは地域政府による財政支援は、家計や企業のバランスシート下支えする上で歓迎すべき援助を提供している。
少なくとも来年2月まで週40億豪ドルの債券購入を延長した委員会の決定は、経済回復の遅れや、デルタ株発生に関連した増大する不確実性を反映している。委員会は経済状況や健康状態、及び完全雇用とインフレ目標に向け予想される進展への影響を勘案しながら、債券購入プログラムの見直しを続けている。低水準のOCR、イールド目標、あるいはTerm Funding Facilityの下で用意された資金に加え、これらの債券購入が、豪州経済に実質的かつ継続的な支援を提供している。
委員会は豪州内の完全雇用、目標と一致するインフレを達成するために、高度な金融支援状況を維持することを約束している。実質のインフレが目標とする2〜3%内に持続的に達成されるまで、OCRを引き上げないつもりである。中央シナリオではこの状況が2024年前には来ないと見ている。この条件を満たすには、労働市場が現状よりも大幅に高い賃金の伸びを生み出すのに十分タイトであることが要求される。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP)
豪ドル・米ドルは公表後、緩和内容が債券購入期間を延長しただけに留まったため、0.7468付近まで買われました。その後は緩和状態継続の内容に反落し、15時現在では0.7422〜24付近で推移しています。昨日のシカゴポジョション298内で今週は0.7350〜0.7500の収斂相場内で、どちらに抜けるかを確認する相場としました。今日の金融政策でも今のところレンジ抜けがありませんが、この3角保合いは週末には0.7420〜80まで収斂するので、抜け易くなります。
(2021年9月7日15時15分、1豪ドル=0.7420米ドル)
オーダー/ポジション状況
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