ドル円、米長期金利の急上昇を背景に、約1週間ぶり高値圏へと続伸
〇ドル円、米10年債利回りの急上昇など背景に約1週間ぶり高値圏110.32まで上昇
〇ユーロドル、1.18台前半で伸び悩み、独経済指標の不冴え、欧米株の下落などが重石
〇米失業保険上乗せ給付終了を踏まえ雇用V字回復との見方が台頭、早期テーパリング観測再燃
〇ドル円は米長期金利の上昇に連れる形で心理的節目110.00を突破
〇本日ニューヨーク連銀総裁講演、ベージュブックに注目、タカ派的内容でのアップサイドリスクに注意
〇本日の予想レンジ:110.00ー110.60
海外時間のレビュー
7日(火)のドル円相場は急上昇。@日経平均株価の続伸を背景としたリスク選好の円売り圧力や、A本邦解散総選挙を控えた期待感(追加緩和期待)、B中国の8月輸出入統計の市場予想を上回る結果(中国経済を巡る悲観論の後退)、C米長期金利の急上昇(米10年債利回りは7/14以来、約2ヵ月ぶり高水準となる1.38%まで急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値110.32(約1週間ぶり高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時55分現在)では、110.31近辺で推移しております。
7日(火)のユーロドル相場は下落。アジア時間朝方にかけて高値1.1885まで上値を伸ばすも、前日高値1.1888をバックに伸び悩むと、@ドイツ9月ZEW景況感調査(結果26.5、予想30.0、前回40.4)の冴えない結果や、A米長期金利の急上昇(米10年債利回りは7/14以来、約2ヵ月ぶり高水準となる1.38%まで急上昇)、B欧米株および商品市況の下落を背景としたリスク回避のドル買い圧力、C9/9のECB理事会を控えたポジション調整(急ピッチで進んだユーロ高の反動)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1838まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時55分現在)では、1.1842近辺で推移しております。
尚、オーストラリア準備銀行(RBA)は昨日、債券買い入れ額をこれまでの週50億豪ドルから週40億豪ドルに減額(テーパリング開始)する一方、上記ペースでの債券買い入れを少なくとも2022年2月半ばまで延長することを明らかにしました(テーパリングと期間延長を組み合わせることで、ハト派なテーパリングを演出)。
本日の見通し
ドル円は米長期金利の上昇に連れる形で心理的節目110.00を突破しました(約1週間ぶり高値となる110.32まで急伸)。8/27に発表されたハト派寄りのパウエルFRB議長講演、9/3に発表された不冴な米雇用統計を背景に、米早期テーパリング観測・米早期利上げ観測後退→米ドル売りの流れが強まりましたが、レーバーデー明けとなる昨日は、米8月雇用統計の大幅な下振れは新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う一時的なノイズであり、米失業保険の上乗せ給付が9/4付けで期限切れとなったことを踏まえれば、来月はV字回復を遂げる可能性が高いとの見方が台頭し、一転して米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の流れが強まりました。
こうした中、本日はニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁講演やベージュブックに注目が集まります。タカ派的な内容が確認されれば、米長期金利上昇→米ドル高の経路で、ドル円がもう一段上昇する可能性もある為、本日はアップサイドリスクに注意が必要でしょう(日米金融政策の方向性の違いを背景としたドル買い・円売りが進むと予想。但し、米長期金利上昇→米ドル高→株安・商品安→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路には要注意)。
本日の予想レンジ:110.00ー110.60
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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