トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値13.06レベル、高値13.30レベルでトルコリラが堅調な一週間
〇リスクオンの円安がクロス円全般に見られたこともトルコリラ円上昇の一要因
〇トルコ4〜6月期GDPが予想より強く9/1に一時13.30レベルの高値をつける
〇CPIが19.25%へ上昇し政策金利19.0%を超え、利上げ困難で週末にかけリラ売りやや強まる
〇CPIが高い状況での緩和なしというスタンスなら、反転下落という動きにはならない
〇今週は13.05レベルをサポートに13.35レベルをレジスタンスとする
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「日足のレジスタンス水準をトライするいっぽうで13円の大台割れでは買いが出てくると見て、12.95レベルをサポートに13.25レベルをレジスタンスとする一段高の週」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.06レベル、高値が13.30レベルとなり、予想レンジよりもやや強いトルコリラが堅調な一週間となりました。
新興国通貨にとっては、米国のテーパリングが年内に行われても利上げ自体はまだ先というパウエルFRB議長のジャクソンホール講演以降、底堅い動きを続けていますが、トルコリラはその前から強い地合いを維持していたこともあり、依然として押し目買いが出やすい地合いとなっています。
また先週は円要因として自民党執行部交代の動きが株式市場に好感され(詳細はドル円の週報参照)、リスクオンの円安がクロス円全般に見られたこともトルコリラ円上昇の一要因となりました。またトルコリラ要因として4〜6月期GDPが予想よりも強かったこともあって、9月1日に一時13.30レベルの高値をつけました。
しかし、3日のCPIが低下予想に反して19.25%へと上昇し、政策金利19.0%を超えてきたことで、トルコ中銀は引き締めスタンスを維持してはいるものの、エルドアン大統領の利下げ支持に反する利上げは困難という現実もあって、週末にかけてはトルコリラ売りがやや強まっての週末クローズとなりました。
ただ、前日のカブジュオール中銀総裁のコメントでは、今月と来月のCPIは予想以上に上昇する可能性があるものの、10月以降は落ち着いてくるとの見通しもあり、短期的にはこれ以上のトルコリラ売りにもつながらないという感じもします。現在のトルコ中銀は市場参加者から一定の信頼感を得ていますので、CPIが高い状況での緩和はしないというスタンスを貫くならば、ここで反転下落という動きにはならないでしょう。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
ピンクの平行上昇チャンネルは、先週の日足チャートで示した6月安値を起点としたサポートラインとそれに平行に引いたラインとの上昇チャンネルです。最近のレンジが狭いためにチャンネルの幅(約50銭幅)が広く感じますが、先週の高値も同チャンネルの上側のラインで止められていて有効なチャンネルと言えそうです。
また平行チャンネルの半値の位置(25銭幅)に薄紫色のセンターラインを追加しました。大きなチャンネルの中でサポート・レジスタンスとして効いていそうなので、上昇トレンドが継続している間はこれらのライン群を参考にしていきます。
今週もこの上昇チャンネル上半分を中心とした動きを想定し、13.05レベルをサポートに13.35レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。なお、幅が30銭なのは週初から週末にラインが上がっていくためです。
※ポイント要約は編集部
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