NZ政策金利の予想(2021/8/17)

2021年8月18日11時に公表予定です。

NZ政策金利の予想(2021/8/17)

NZ政策金利の予想

明日18日(水曜日)午前11時にNZ中銀から政策金利が公表されます。

(市場の予想)
NZ準備銀行(中銀)政策金利(オフィシャル・キャッシュレート:OCR)
現行0.25%⇒0.50%で、0.25%の利上げ予想(レンジ:0.25〜0.75%)
(8月17日12時現在の予想値)

今回の政策金利は0.25%の利上げ実施の予想で、OCRは0.50%になっています。2020年3月にそれまでのOCR1.00%を一気に0.25%まで利下げして以来の金利変更になります。そしてCovid-19により世界的な金融緩和政策を実施してきた先進国で最初の利上げが行わるのか注目されています。
但し、市場では以下の点から、必ずしも利上げ一辺倒の予想とはなっていません。

(利上げの見方として)
@ 第2四半期(2Q)消費者物価指数が前年同期比+3.3%となり、第1四半期(1Q)+1.5%からインフレが高進したこと。
A 2Q失業率が4.0%まで下がり、1Qの4.6%から大幅に改善し、想定以上に労働市場がタイトになっていること。
B 1QのGDPが前期比で+1.6%(予想+0.5%)、前年比+2.4%(予想+0.8%)でかなり高く、9月16日発表予定の2Qも更に伸びる可能性が見込まれること。
C 住宅市場が活況で、住宅関連金利が既に上がっており、実勢に追随する可能性がある。

(据え置きの見方として)
D コロナウィルスのデルタ株が世界的に蔓延しており、先行き不透明であること。特に隣国豪州の感染拡大が懸念されること。(今日17日、NZ国内で新型株の感染確認が出てNZドルが売られています)
E 1Qや2Qの数値が一時的になる可能性もあり、少なくとも10月以降に利上げを先延ばし、今回は利上げ条件をある程度提示するに留める。

下表はエコノミストの来年までの利上げ予想になっています。前回7月14日の会合から僅か1ヶ月強で、大多数のエコノミストは先々の大幅な利上げ予想に変更してきています。一方で、レンジを見ると、下限を据え置く一部エコノミストも散見され、7月ほど利上げ一辺倒の見方とはなっていないようです。

エコノミストの利上げ予想

エコノミストの利上げ予想

もし条件なしで据え置いた場合のNZドル対米ドルの行方や、あるいは利上げ条件提示で据え置いた場合の相場がどうなるかを見たいと思います。

今回予想通りに利上げ実施した場合の、NZ(青)と米国(オレンジ)の政策金利推移

今回予想通りに利上げ実施した場合の、NZ(青)と米国(オレンジ)の政策金利推移

尚、前回会合の議事内容の記者発表要旨の一部を下記します。
(要旨の一部和訳)
金融政策委員会は、中期的に消費者物価や雇用目標を達成する為、現行の金融手段の刺激水準を引き下げることで合意した。

準備銀行は巨額債券購入プログラム(LSAP:Large Scale Asset Purchase programme)の下での追加資産購入を2021年7月23日までに停止する。委員会はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を0.25%、貸出プログラムのための資金提供(Funding for Lending Programme)をそれぞれ据え置くこととした。

世界経済見通しは、NZの輸出商品に対する継続的な価格支援を伴いながら、改善を続けている。世界的な金融・財政策は、経済活動回復の支援のため、まだ緩和的である。多くの国でワクチン接種率の上昇は更なる経済的な刺激をもたらしている。しかしながら、幾つかの地域でCovid-19拡散防止措置を復活させる必要性が、ウィルスによりもたらされた世界的な健康や経済リスクを目立たせている。

最近のデータを見ると、国際的な国境制限の継続的な影響にも関わらず、NZ経済が強い状態を保っていることを示している。全ての経済活動がCovid-19以前よりも超えている。家計消費や建設活動は高水準になり、成長を続けている。企業投資は稼働圧力や労働不足に対応しており、経済信頼感の指標は改善を続けている。

委員会は6月末・9月末期の消費者物価インフレが短期的に急上昇することを繰り返し述べている。これらは、本質的に1回限りの要因、例えば高い原油価格や、この期間内の一時的要因、例えば供給不足や輸送コストの上昇などの影響を反映している。

委員会は、今後更なる厳しい経済的ショックが無ければ、国内の稼働圧力の高まりや労働不足の上昇により、消費者物価インフレ圧力が次第に高まってくると予想することで合意した。しかしながら、委員会は、とりわけ過少労働利用率に関する報告、緩やかな賃金の伸び、確りと(金融政策により)繋ぎ留められた期待インフレ等、中期インフレに向かうコストに関しそのペースやその大きさに関する不確実性が依然として残っていることを指摘した。

委員会は、幾つかの現行の継続的金融支援が無ければ、中期インフレや雇用が移行中の目標を下回ったままになろうと指摘した。しかしながら、委員会は金融刺激策の水準が、使命を満たさないリスクを最小限に抑えることができると合意した。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP

NZドル米ドル相場は、昨日のシカゴポジション295内で、0.6940〜0.7050レンジで収斂続き、明日の金融政策次第としましたが、今日オークランドで新型コロナウィルスの感染が確認されたとの報に、16日終値0.7016付近からNZドルは大きく売られ0.6943の底値を付け、上記レンジの下限まできています。利上げを睨んだ短期NZドルロングの調整売りと思われます。この水準で、明日の金融政策を迎えると、利上げ実施にも反応し易くなりそうです。

尚、次回の金融政策は2021年10月6日(水)に予定されています。
(8月17日14:30、1NZ=0.6950米ドル)    

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る