シカゴポジション(CME)295
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年8月10日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、上記4通貨共にドル買いでした。豪ドルは目安となる5万枚となりました。余程強い豪ドル安相場観をもっていない限り、暫く5万枚前後で推移すると思われます。その意味で、来週6万枚近くかそれを越える豪ドルショートを積み上げたなら、先々は8万枚方向になると思います。NZドルは小幅のショート増で、まだネット1,000枚のショートですので、方向感なく様子見です。円は6万枚越えになりました。前回の締日翌日(4日)に底値108円72銭があったので、ベストならここでのロング増ですが、もし雇用統計後の買いなら109円台後半になっています。現在のスポットはこの中間ですので、引き続きドルロングのコストはあまり良くない様です。しかもショートの残高枚数は目安の10万枚に近い97,000枚ですので、更に積み上げるなら相当ドル高円安の相場を持っていなければ押し目を拾えない感じです。ドルロングに大きく切り替えたのが3月16日締日の週でしたので、約5ヶ月経過しました。コストが悪いままロングを積み増していくのか注目されます。
ご参考までに、前回ドルロングからスクエアに切り替えたのが2020年3月10日のドル急落時(102円71銭)で、相場の流れからは損切りの可能性が高くなっています。その後は2週間に亘り円ロングを積み上げましたが、3月24日には111円71銭の高値を付けたので、シカゴは再度3週間後に円ロングを減らしています。ドル円に関してはここ2年近くあまり上手く対応できていない感じです。ユーロは押し目で引き続きドルロングを減らしてきました。かなりスクエアに近いポジション領域に入っていますが、まだポジション調整をしてゆく感じです。
先週のシカゴは、ロング300枚増、ショート1,000増で、差し引き700枚のショート増になり、ネットショートで1,000枚になりました。まだ相場の方向性を示すポジョションの傾きになっていません。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6820〜0.7170レンジ内の下限に近付く動きになっていますが、シカゴは大きく動いていません。
さて実際の相場は、短期的なNZドル安トレンドライン0.6820〜0.7050を形成しています。先週の高値0.7063はこの抵抗線に当たっています。このレンジ間では短期的にNZドル切り上がりを続けており、サポートが0.6940にあります。従い現在は0.6940〜0.7050間で収斂しているところです。今週は18日にNZ中銀の金融政策が予定されており、この結果を見てからの動きになりそうです。と言うのも、世界の先進国中銀の先頭をきって利上げ開始の予想をしているエコノミストが出てきています。今日・明日は小動きが予想され、水曜日にその結果により大きく動く可能性が高いと思います。その内容次第で、シカゴはポジションメークを開始していくと思われます。尚、0.7050の上限抜けると0.7180〜90に強い抵抗線が控え、0.6940の下限切ると、トレンドライン下限である0.6820の強いサポートとなっています。そして、もし利上げし、次回以降の金融政策でも引き締め気味を示唆する結果がでると、豪ドルにも影響を与えそうです。
(1NZドル=0.7025ドル、8月16日13:00)
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