東京市場のドルはトランプ発言さく裂で下落、FOMC議事録公表のタイミングに警戒(24/11/26)

【本日の東京市場】

東京時間（日本時間8時から15時）のドル・円は、トランプ次期大統領による関税発言が影響してドル独歩高の展開となったが、株式市場の下落などが重しとなり153円台半ばまで売られた。

昨晩の海外時間では、次期財務長官の政策を織り込む動きや米10月シカゴ連銀全米活動指数が予想を下回ったほか、中東情勢悪化懸念の緩和で長期金利が低下し、ドル売りが優勢となり153円台半ばまで下落した。その後、米11月ダラス連銀製造業活動指数の改善や実需のドル買いに下げ止まり、リスク選好の円売りに反発。154円台を回復した。

東京時間では、トランプ次期大統領が、「カナダ、メキシコに対しては25％、中国には10％の追加関税を課す」とSNSで発信したことから、瞬間的にドルが買われる場面も見られたが、世界的な貿易摩擦への懸念が意識されて株式市場では日経平均が大幅安。リスク回避の円買いが進み、153円台半ばまで下落した。

ドル・円（日本時間8時―15時）
始値：154円12銭
高値：154円49銭
安値：153円55銭
終値：153円72銭　

ユーロ・円（日本時間8時―15時）
始値：161円76銭
高値：161円80銭
安値：160円59銭
終値：161円03銭

豪ドル・円（日本時間8時―15時）
始値： 100円22銭
高値： 100円23銭
安値： 99円08銭
終値： 99円75 銭

ポンド・円（日本時間8時―15時）
始値：193円75銭
高値：193円75銭
安値：192円55銭
終値：192円89銭

日経平均（日本時間9時―15時30分）
始値：38596円76銭
高値：38596円76銭
安値：38020円08銭
終値：38442円00銭（前日比−338円14銭）

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時00分、欧、ビルロワドガロー仏中銀総裁が会議出席
18時00分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が講演
18時15分、欧、ビルロワドガロー仏中銀総裁が講演
19時00分、欧、レーン・フィンランド中銀総裁が議会出席
22時00分、欧、ミュラー・エストニア中銀総裁が講演
22時30分、欧、カザークス・ラトビア中銀総裁がイベント講演
23時00分、米、9月S&Pケースシラー住宅価格（20都市）、前回：5.20％、市場予想：4.70％
24時00分、米、10月新築住宅販売件数、前回73.8万件、市場予想：72.0万件
24時00分、米、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、前回：108.7、市場予想：111.9
24時00分、米、11月リッチモンド連銀製造業、前回：−14
28時00分、米、FOMC議事録（11月6日−7日開催）

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

本日の海外時間は、トランプ次期大統領の発言を受けて、改めてトランプリスクが意識され、米株もドルも軟調推移となりそうだ。

トランプ次期大統領の発言直後は、ドルインデックスが107.4水準まで上昇するなどドル独歩高の展開となったが、ドル買い一巡後は、世界的な貿易摩擦への懸念が先行しリスク回避の円買いの流れが強まった。為替市場は一時、右往左往するような状況となったが、日本株安を受けて、改めてトランプ次期政権の方向性に対する警戒感が意識されたようだ。

今晩は11月のFOMC議事録が公表されることで、12月利下げ実施の有無を見極める展開となりそうだが、懸念されていたトランプリスクが顕在化されたことから慌ただしい海外時間となりそうだ。

日足の一目均衡表では、基準線水準で下げ止まっており、転換線が位置する155円水準を意識した展開はまだ期待できそうだが、基準線割れとなれば15日の156円74銭をピークとした調整入りが続く可能性もあろう。売り圧力が強まりそうな状況ではないが、感謝祭ウィークで参加者が少ないこともあり値幅が大きくなるような展開は警戒したい。

今晩の海外市場では、FOMC議事録公表のタイミングで上下に警戒。上値メドは155円00銭、下値メドは153円00銭とする。