ドル円、トランプ次期大統領による「関税引き上げ」を示唆する投稿を受けて続落(11/27朝)

26日(火)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、トランプ次期大統領による「関税引き上げ」を示唆する投稿を受けて続落(11/27朝)

トランプ次期大統領による「関税引き上げ」を示唆する投稿を受けて続落

海外時間のレビュー

26日(火)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値154.49まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)トランプ次期大統領による「中国から輸入される全製品に10%の追加関税を課す」「来年1/20の就任初日よりカナダやメキシコからの全輸入品にも25%の関税を課す」とのSNS投稿や、(2)上記1を背景としたリスク回避ムードの高まり(トランプ次期大統領による関税リスクの顕在化→日本にも関税がかけられるのではないかとの警戒感→日経平均株価急落→リスク回避の円買い圧力)、(3)一部メディアによる「イスラエル軍がレバノン南部を空爆し首都ベイルートで爆発音がなった」とのヘッドラインが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値152.99(11/11以来の安値圏)まで下落しました。

その後も、(4)米11月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果111.7、予想111.8)の市場予想を下回る結果や、(5)米10月新築住宅販売件数(結果61.0万件、予想72.5万件)の市場予想を下回る結果、(6)米11月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲14、予想▲11)の市場予想を下回る結果が上値を抑え、本稿執筆時点(日本時間11/27午前3時30分現在)においても、153.45前後での推移が続いております。

26日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。アジア時間朝方にかけて、安値1.0425まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)一部メディアによる「イスラエルの安全保障内閣はレバノンとの停戦について協議へ」とのヘッドラインや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値1.0545まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(3)ECB当局者による相次ぐハト派的な発言(デギンドスECB副総裁による「景況感の悪化が懸念材料」「基本シナリオ通りならば利下げを継続する」との発言、フィンランド中銀レーン総裁による「12月に金利を引き下げる可能性大」との発言、ポルトガル中銀センテノ総裁による「より大きな金利引き下げを議論する可能性あり」との発言など)、(4)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(ドイツ10年債利回りは10/4以来の低水準へ急低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間11/27午前3時30分現在)では、1.0465前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時152.99まで下落するなど、冴えない動きが続いています。次期財務長官にベッセント氏が指名されたことに伴うトランプ・トレードの巻き戻しと、トランプ氏による関税引き上げを示唆するSNS投稿に端を発したリスクオフの組み合わせがドル円下落の背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、依然として強い買いシグナルが複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていないと判断できます(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの継続(日銀による年内利上げ観測後退+米FRBによる年内利下げ見送り観測台頭)や、トランプ・トレードの本格化期待(スコット・ベッセント氏自らが「自身の政策上の優先事項はトランプ大統領のさまざまな減税公約を実行すること」「世界の準備通貨としてのドルの地位を維持する」と発言している他、トランプ氏による関税引き上げ投稿についても今に始まったわけではなく、あくまで相手からの譲歩を引き出すディールの一貫と考えられるため過度に警戒する必要性は乏しい)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

本日予定されている米景気関連指標(米7ー9月期GDP改定値、米10月耐久財受注速報値、米11月シカゴ購買部協会景気指数、米10月中古住宅販売成約指数)が市場予想を上回る場合や、米労働指標(米新規失業保険申請件数)が力強さを示す場合、米インフレ指標(米10月PCEデフレーター)が伸び率加速を示す場合には、一転してドル買い基調が強まる可能性もあるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの早期再開をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:152.50ー154.50

トランプ次期大統領による「関税引き上げ」を示唆する投稿を受けて続落

ドル円日足

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