トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、高値13.13で6月高値レベルに届かずじり安の一週間
〇利下げを懸念する動きがリラの利食いに、前週安値をわずかに割り込んでの引け
〇週明けの市場では若干買いも出て一段安の動きにはならず
〇今週は12日20時のトルコ中銀の政策金利発表一点に注目が集まる
〇現状は中銀の独立性を維持する姿勢、金利は現状維持(19.0%)がコンセンサス
〇6/21安値12.55レベルをサポートに、7月中旬のもみあい上値12.90レベルをレジスタンスとする
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「前週安値の若干上となる12.75レベルをサポートに、6月高値に近い13.15レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が12.69レベル、高値が13.13レベルとなり、レンジ的にはほぼ予想通りでしたが、思ったよりもじり安の一週間となりました。
先週のトルコリラは、週初こそ前週のトルコ中銀総裁による引き締めスタンスを維持するとの発言によるトルコリラ買い地合いが残っていましたが、13.13レベルという高値は6月高値13.18レベルに届かずその後売りが出たこと、またエルドアン大統領が4日にTVインタビューで「利下げでインフレの加速を防ぐことができる」という独自理論を繰り返しました。
今週はトルコ中銀による金融政策決定会合があり、その前に利下げ発言を出してきたことで、まさかの利下げを懸念する動きがトルコリラの利食いにつながり前週安値をわずかに割り込んでの引けとなりました。この下げで6月21日からのサポートラインに接しての週明けとなりましたが、週明けの市場では若干買いも出て一段安の動きにはなっていません。
今週はトルコ中銀会合の前に10日に失業率、12日に鉱工業生産はあるものの、それほど影響があるとも思えず、12日20時のトルコ中銀の政策金利発表一点に注目が集まる週と言ってよいでしょう。エルドアン大統領が前回利下げに言及した際にはトルコ中銀総裁は中銀としての引き締めスタンスを維持との発言を行いましたが、それがいつまで続けられるのかを懸念する市場参加者も多い状態です。
先週3日に発表されたトルコのCPIは前年比で18.95%と前月の17.53%から更に悪化していることを考えるとさすがに今回の会合での利下げは考えられません。現状では中銀の独立性を維持する姿勢を見せるためにも、金利は現状維持(19.0%)というのがコンセンサスとなっています。
テクニカルにはどうでしょうか。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
下のサポートラインは6月21日安値を起点としたサポートラインで、上にある水平線が6月高値です、上値は既に13.0円の大台も離れてきていますが、下値はサポートラインの下抜けは間違いないところです。
その場合の次のターゲットとしては7月8日安値の12.55レベルとなります。12.55レベルは6月21日起点のサポートラインが通っている水準でもあり、今後同水準を下回る動きとなると年初来安値の12.28レベルまで目立ったサポートはありません。
今週は中銀会合では現状維持で市場の反応も限定的なものに留まるという見方をしていますので、6月21日安値12.55レベルをサポートに、7月中旬のもみあいの上値と重なる12.90レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
※ポイント要約は編集部
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