ドルの買い戻し入りやすく(週報2016年8月第二週)

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ドルの買い戻し入りやすく(週報2016年8月第二週)

前週の主要レート(週間レンジ)

      始値    高値     安値     終値

ドル円   102.33   102.83   100.68   101.84
ユーロ円   114.28  114.82   112.32   112.87
ユーロドル  1.1167  1.1234  1.1046  1.1082
日経平均 16415.31  16677.49  15921.04  16254.45

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週の概況

8月1日(月)

週明けの為替市場は、金曜に乱高下を繰り返し過ぎて参加者も疲れたのか、終日狭い値幅でのもみあいに終始しました。東京9時からNY17時の56銭幅は最近特に振れの大きいドル円としてはかなり狭いもので今年に入ってからの下位10位以内に入りますし、50銭前後というのが今年に入ってからの最小値幅となっていました。ユーロドルも26ポイントと全く動かない一日でした。

8月2日(火)

前日の凪相場の後は再び大きく円高が進むこととなりました。東京前場こそ円安が先行してスタートしたものの102円台後半で頭打ち。経済対策の閣議決定とこれまでの一連の金融政策イベント通過から、材料出尽くしということもあって株安、円高へと回帰する流れ。大証の225先物は夜間取引で先週金曜に続き再び16000円を割り込み、ドル円も安値100.68レベルを付けました。ドル安の流れではあるものの、円独歩高の状況に近く、ユーロ円も113.01レベルまで水準を下げ、引けにかけてはドル円とともにやや戻してのクローズとなりました。

8月3日(水)

東京市場では英中銀MPCと米国雇用統計を前に、前日に円高が進行した分のポジション調整からドル買いが先行してのスタートとなりましたが、動き自体は緩やかなものとなり、株価が上下する中でも落ち着いた動きを続けました。欧州市場に入ると主役は欧州通貨へと移りました。イベントを前にしたポンド買いが対ユーロでも見られ、ユーロドルは下落。その後も全般的に底堅い動きを続けたドルの動きも手伝って、ユーロドルは1.11台半ばへと下押しし安値圏でのクローズ。ドル円も101円台半ばまで値を戻し、若干押しての引けとなりました。

8月4日(木)

東京市場では、日経平均株価が16000円を割り込む動きとともに安値100.86レベルを付けましたが、株価が急速に回復するとドル円も上昇し、後場には101.67レベルをつけましが、それ以降は101円台前半で方向感の無い展開となりました。ユーロドルは前日の下げの流れを継続しじり安、英中銀のMPCを挟んで下落後に上げる動きも見せましたが値幅は限定的でした。

8月5日(金)

雇用統計を前に、東京から欧州市場までは若干ドルの上値が重たかったものの動意薄の状態が続きました。雇用統計はNFPが+25.5万人と予想よりも強く、前月分の上方修正もありドルが上昇、ドル円は102円台に乗せてやや押してのクローズ。ユーロドルも1.10台半ばまで下押し後にやや戻してのクローズとなりました。米国株も大幅高となり年内の利上げ思惑は強まったものの、S&Pは史上最高値を更新し、ダウも200ドル近い上げでの引けとなりました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
8月8日(月)
08:50 本邦6月貿易収支
08:50 日銀金融政策決定会合(7月28・29日)主な意見
**:** 中国7月貿易収支
23:00 米国7月労働市場情勢指数

8月9日(火)
**:** シンガポール市場休場
10:30 中国7月CPI、PPI
17:30 英国6月貿易収支
21:30 米国4〜6月期単位労働コスト速報値
23:00 米国8月IBD景気楽観度指数
23:00 米国6月卸売在庫

8月10日(水)
12:05 豪中銀総裁講演
23:30 米国週間原油在庫発表
27:00 米国7月財政収支

8月11日(木)
**:** 東京市場休場
06:00 NZ中銀政策金利発表
10:10 NZ中銀総裁議会証言
20:00 南ア6月PPI
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国6月輸入物価指数

8月12日(金)
07:30 NZ7月製造業PMI
11:00 中国7月鉱工業生産
15:00 ドイツ7月CPI確報値
15:00 ドイツ4〜6月期GDP速報値
17:00 イタリア4〜6月期GDP速報値
18:00 ギリシャ4〜6月期GDP速報値
18:00 ユーロ圏4〜6月期GDP改定値
21:30 米国7月小売売上高
21:30 米国7月PPI
23:00 米国8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
23:00 米国6月企業在庫

今週の週間見通し

一連の金融政策イベント、そして米国雇用統計と目先の重要なイベントは一通り終わり、今週はやや材料不足といった感じです。雇用統計では強い数字からドルも米株も上げる動きとなりましたが、2か月続いて強い数字となりましたし、ブレグジットは長期的材料で短期的には世界経済を取り囲む環境にも落ち着きが戻っています。そうなると、米国の年内利上げの可能性は常に燻り続けますので、今後株価の流れに変化が出て来るようであれば、その時には注意が必要ということになるでしょう。

しかし、イベントやファンダメンタルについて目先は材料不足ですから、今週は純粋にテクニカルな動きを判断材料にします。先週までの動きをチャートで追うところから始めます。日足チャートをご覧ください。

ピンクの平行線で示した年初からの下降チャンネルは現在も有効で、ドル安トレンドの継続を考える場合、現状は5月高値を111.45を起点に6月安値99.00までの下げ、7月の戻し高値107.49までの戻しからフィボナッチエクスパンションピンクのライン)を考えます。すると、61.8%の水準が99.81となり、これまでも99円台が抜けていないことを考えると、次もまた99円台が下げ止まりやすい水準であると言えそうです。

そして、先週の動きを見ると、101円台で短期的な底固めに入っていること、また安値が100.68と6月安値と7月高値の78.6%(61.8%の平方根)押しにあたる100.83(赤いライン)にほぼ重なっていることを考えると、今週は先週の安値からのごく短期的な買い戻しを考える流れにあると言えます。

その場合、起点を7月高値107.49とし、先週安値100.68からのフィボナッチ・リトレイスメント(青いライン)を計算すると38.2%戻しが103.28、半値戻しが104.09となります。常識的には全社、ただ最近はドル円も結構動くことが多いため余裕をもたせると後者がターゲットです。いっぽう下値は先週の底固め圏と考えることが妥当でしょう。

今週のドル円相場は、ドル安の流れからの短期的な戻し局面にあると考え、101.00レベルをサポートに、104.00レベルをレジスタンスとする流れとします。

今週はユーロについても簡単に触れておきます。こちらも日足チャートをご覧ください。

             ユーロドル 日足

             ユーロドル 日足

 

ユーロは長期的な下降トレンドを続けていましたが、ポジション的にユーロ売りポジションがかなり膨らんでいるため下げる力が弱まり7月下旬以降は思いのほか上げてきたというのが正直なところです。しかし先週の戻し高値までの動きで短期筋のショートカバーが入り、雇用統計のドル買いの動きから再びユーロが売りやすい状況となってきました。

短期的には7月安値1.0952から先週高値1.1234までの上げに対して、61.8%の押しにあたる1.1060水準まで下げたというのが現状です。今後は78.6%(61.8%の平方根)押しに当たる1.1013をターゲットにしつつ、上値は金曜高値の1.1161がレジスタンスとなります。ユーロドルについては、1.1000レベルをサポートに、1.1170レベルをレジスタンスとする一週間を見ておくとよさそうです。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。

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