ドルの下値機運潰える、相場観はスクエアに
〇本日のドル円、109.45-50を日中安値に緩やかな右肩上がり
〇コロナウイルスの累計感染者数が2億人超え、世界全体のコロナ死者数はおよそ425万人に
〇移動平均では90日線に絡む動き、上抜けても109.90前後には同21日線が位置している
〇本日の米経済指標、6月の貿易収支や新規失業保険申請件数が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.20-110.10
<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場はドルが小高い。値動きは決して大きくなかったが、全般的にはドルの買戻しが目に付いた。
ドル/円は、寄り付いた109.45-50円を日中安値に緩やかな右肩上がり。日米株価の動きをにらみつつ、ドルの買戻しが終日優勢だった。しかし、109.70円前後ではドルの上値も重く、そのレベルからは上げ渋りの感も。とは言え、それでも16時現在のドル/円は109.65-70円と、日中高値圏をキープしたまま欧米市場を迎えている。
なお、昨日に続き本日もNZドルの動きが目を引く。対円では前日記録した直近の戻り高値を更新している。また、同じオセアニア通貨の豪ドルも連れ高推移だった。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米ファンダメンタルズと金融政策」について。
前者は、米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計で、新型コロナウイルスの累計感染者数が2億人を超えたことが明らかになった。ちなみに、1億人に達したのは今年の1月。そののちわずか半年あまりで倍増した計算だ。とくに7月以降の急増が目に付く結果となっている。また、世界全体のコロナ死者数は、およそ425万人にのぼっているという。
対して後者は、市場で注視されていたADP雇用統計が予想以上の悪化。事前予想値であるプラス68万人の半分以下(プラス33万人)にとどまった。しかし、もうひとつの注目指標ISM非製造業総合指数は逆に予想を上回ったうえ、クラリダFRB副議長が「23年の利上げ開始を支持する」旨の発言を行い、こちらはドルの強力な支援要因となっていた。さらに、ダラス連銀総裁やセントルイス連銀総裁も、別途金融緩和縮小などに肯定的なコメントを発していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日欧米時間に108.70円台まで一時続落。これでレンジを完全に下抜けたかと思ったのだが、前記したようなクラリダ発言などもあり、そののちドルは1円程度の急反発をたどっている。さらに、本日東京時間にもドルは続伸だ。下値トライ機運が完全に潰えたか。明日に米雇用統計が発表されるという環境下、相場観をいま一度スクエアに戻したうえで、次の動意に備えたい。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。ここ最近発表される米経済指標はマチマチながら、全体的にはやや冴えない内容が少なくなく、先で取り上げた雇用データ、ADP雇用統計の予想以上の悪化なども気掛かりではある。いずれにしても、明日の米雇用統計発表をにらみつつ、本日も週間ベースの新規失業保険申請件数などの指標内容に一喜一憂する展開となりそうだ。また、そんな米ファンダメンタルズにも大きな影響を与えかねない新型コロナの感染拡大をめぐるニュースにも引き続き要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日、109.06円という7月安値を一時下回るも、NYクローズベースでは109円半ばと元のレンジへと回帰してきた。足もと、移動平均では90日線に絡む動きで、上抜けても109.90円前後には同21日線が位置している。上値は重そうだが、昨日欧米時間から本日東京にかけての動きを鑑みると、ドルはいましばらくのあいだ底堅く推移する可能性が高そうだ。ちなみに、ごく短期のサポートは109.30-40円となる。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」、「衆院選など日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の貿易収支や新規失業保険申請件数が発表されるほか、ウォラーFRB理事などによる講演も実施される見込みだ。また米国以外、英国などに関する注目材料も本日は多く、あわせてポンドの動きにも注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.20-110.10円。本日東京高値の109.75円レベル、そして移動平均の21日線が位置する109.90円などが目先の抵抗。それらを超えれば再び110円台回復も。
対するドル安・円高方向は、短期的なサポートとして意識され始めた109.30-40円の攻防にまずは注目。割り込めば昨日安値108.72円が再び意識されそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2021.08.06
ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言で約1週間ぶり高値圏へ続伸(8/6朝)
5日(木)のドル円相場は約1週間ぶり高値圏へ続伸。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。