ドル円はレンジ割れうかがう、108円台も(8/3夕)

3日の東京市場はドルが小安い。一時109.10円レベルまで下落し、7月安値109.06円をうかがう局面も。

ドル円はレンジ割れうかがう、108円台も(8/3夕)

ドル円はレンジ割れうかがう、108円台も

〇ドル円、基本的には小動きでじり安に推移し右肩下がりへ、夕方に日中安値109.10前後へ下げる
〇米ISM製造業景況指数は予想を下回り米長期金利も低下、ドル円のドルじり安に繋がったか
〇ウォラーFRB理事が条件付きで10月までにテーパリング縮小着手の可能性と見解、ドル下支えの要因に
〇本日発表の米6月製造業受注指数、同耐久財受注や昨日からのASEAN会議の内容に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.70-109.70

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場はドルが小安い。一時109.10円レベルまで下落し、7月安値109.06円をうかがう局面も。

ドル/円は109.30-35円で寄り付いたものの、基本的には小動き。実際、値幅は25ポイントほどにとどまったが、そのなかでドルはじり安に推移した。緩やかな右肩下がりをたどると、夕方には日中安値の109.10円前後へ。16時現在でもそのままドルの安値圏、109.15円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米ファンダメンタルズなど」について。
前者は、豪州のブリスベンが「ロックダウンを8日まで延長する」と発表するなか、隣国ニュージーランドのアーダーン首相が体調不良を訴え、コロナ検査を受けたと報じられている。2月以降は市中感染者が確認されていないニュージーランドだが、果たしてどういった結果が示されるのだろうか。なお、米国ではNY州知事が港湾局員など運輸当局職員にワクチン接種を義務付けると発表。引き続き警戒感の強い状況に変化はみられないようだ。
対して後者は、一部で注視されていた米ISM製造業景況指数は予想を下回る結果となり、米長期金利もそれを嫌気し低下。そんな一連の動きが前述したドル/円のドルじり安に繋がった面も否めない。ただ、ウォラーFRB理事は条件付きながら、「10月までに量的緩和措置の縮小に着手する可能性がある」との見解を述べていたようで、こちらは逆にドルの下支え要因に。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は大局的に見た場合、いまだレンジ内。ただ、レベルを少しずつ切り下げると、本日東京ではレンジ下限である109.06円に接近する局面も観測されている。このあと欧米市場に掛けてドルは続落し、レンジ下限を割り込んでくるのかにまずは注目だ。ちなみに、レンジ下限の109.06円は4月安値107.48円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにもほぼ合致する。それからすると、しっかり割り込んだ際のターゲットは同76.4%戻し108円半ばとなりそうだ。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高い。そうしたなか、昨日発表されたISM製造業景況指数は期待外れに終わったが、今週はまだまだ注目の米経済指標発表が相次ぐ。本日も耐久財受注など、まずは発表される米指標に要注意だ。また、それともに昨日は値動きマチマチとなった米株の動きを警戒している向きも見られた。本日東京時間、先物取引の動きから推測すると堅調推移しそうな感じがするが果たして現物市場の動きは如何に。

テクニカルに見た場合、ドル/円は3週間程度109.06-110.69円というレンジ取引をたどっているが、その下限割れが近づきつつあるようだ。
過去に何度もレポートしているようにダマシが非常に多いところが気掛かり。しかし、リスクはドル安方向で109円割れを見込む声も聞かれた。ちなみに、底割れした場合のターゲットは108円半ばとなるが、失敗に終わった際には移動平均の90日線が位置する109.60-70円程度までのプルバックも。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の製造業受注指数や同耐久財受注などが発表されるほか、昨日から始まったASEAN会議の行方にも一応要注意。そのほか、ボウマンFRB理事によるイベントでのあいさつや、米企業決算発表などにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.70-109.70円。昨日までサポートだった109.30-40円が一転して今度は抵抗に。超えれば移動平均の90日線がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、7月安値109.06円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば108円台突入が予想され、少し遠いが108円半ばを目指し続落も。

ドル円はレンジ割れうかがう、108円台も

ドル円日足


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