ドル円、心理的節目109.00を割り込み、一時約2ヵ月半ぶり安値圏へと下落
〇ドル円、原油価格急落米長期金利低下等で一時約2か月半ぶり安値108.88まで急落
〇その後、米主要株価指数の急反発、米指標好調に持ち直し109円台回復
〇ユーロドル、米長期金利の低下に1.1894まで上昇後、原油価格急落によるドル買いで1.18台半ばに戻す
〇ドル円、一目均衡表の「雲」下限や7/19安値109.07を割り込み見切り売りが発生
〇雇用統計前ポジション調整一巡であく抜け感も出て、ここからの突込み売りは注意が必要か
〇今晩のISM非製造豪指数、ADP雇用統計等の米指標に注目、ドル円はアップサイドリスクに要注意
〇本日の予想レンジ:108.70ー109.50
3日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@原油先物価格の急落を背景としたリスク回避の円買い圧力(資源国通貨・円下落→ドル円連れ安)や、A米長期金利の低下を背景としたドル売り圧力、B新型コロナウイルス(デルタ株)の感染拡大を背景とした米経済の減速懸念、C上記Bを背景とした米早期テーパリング観測の後退、DボウマンFRB理事による「労働市場が回復するには時間がかかる」との慎重な発言が重石となり、米国時間朝方には、5/26以来、約2ヵ月半ぶり安値となる108.88まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、E米主要株価指数が急反発に転じたことや、F上記Eを背景としたリスク回避ムードの後退(リスク選好の円売り再開)、G米6月製造業受注(結果1.5%、予想1.0%)の良好な結果が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では109.03近辺まで持ち直す動きとなっております。
3日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。@米長期金利の低下を背景に一時1.1894まで上値を伸ばすも、前日(8/2)高値1.1897や、心理的節目1.1900、先週末金曜日(7/30)に記録した約1ヵ月ぶり高値1.1910をバックに伸び悩むと、A原油先物価格の急落を背景とした対資源国通貨でのドル買い圧力(リスク回避のドル買い)や、B欧州圏における新型コロナウイルス(デルタ株)の感染拡大懸念、C上記Bを背景とした欧州経済の先行き不透明感(ECBによる金融緩和の長期化観測)が重石となり、米国時間にかけて、安値1.1853まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時00分現在)では、1.1864近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時108.88まで下げ幅を広げ、5/26以来、約2ヵ月半ぶり安値圏へと急落しました。市場参加者に意識されていた一目均衡表雲下限や、7/19安値109.07を割り込んだことで、短期筋を中心に見切り売り(上値の重さを嫌気したストップSELL)が発生したことが背景と考えられます。但し、直近安値を割り込んだことであく抜け感(米雇用統計前のポジション調整に一巡感)が出ていることも事実であり、ここからの突っ込み売りには注意が必要でしょう。
こうした中、本日は日本時間21時15分に予定されている米7月ADP雇用統計や、同23時00分の米7月ISM非製造業景況指数(特に雇用項目)に注目が集まります。市場予想を上回る結果となった場合は、週末の米雇用統計のポジティブサプライズを織り込む形で、米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の流れに波及する可能性もあり、本日は特にドル円のアップサイドリスクに注意が必要でしょう(先週のパウエルFRB議長の定例記者会見以降、米早期テーパリング観測後退→米長期金利急低下→米ドル売りの流れが過度に織り込まれてきた為、本日の米経済指標の結果次第でこうした流れが反転する可能性あり)。
本日の予想レンジ:108.70ー109.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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