ドル円 下値トライ失敗でドルは底堅い値動きも(7/7夕)

7日の東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進展、6月22日以来のレベルまで小緩んだものの、終盤にかけては買い戻されている。

ドル円 下値トライ失敗でドルは底堅い値動きも(7/7夕)

下値トライ失敗でドルは底堅い値動きも

〇ドル円、一時110.40へ軟落した後切り返しドル買い優勢に、110.70-75まで上昇し欧米市場を迎える
〇昨日のドル円は米金利の動きなどに左右され東京「ドル高」欧米「ドル安」と反対の動きに
〇本日東京時間はドル安進行後に切り返す展開で予断を許さない状況、この後も乱高下には注意か
〇6/15-16開催分のFOMC議事録要旨は公表予定、内容に要注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.20-111.10

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進展、6月22日以来のレベルまで小緩んだものの、終盤にかけては買い戻されている。

ドル/円は110.60円前後で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。安寄りした日経平均株価や軟調推移となったNYダウ先物の動きなどが嫌気されていたようだ。一時110.40円レベルへと軟落するも、切り返すと、その後はむしろドルの買い戻しが優勢に。寄り付きレベルを超える110.70-75円まで上昇し、16時現在でもそのまま高値圏を維持、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米中情勢」について。
前者は、ドイツ外相から「8月中に全国民へのワクチン供給、そののちコロナ規制解除も」といった発言が聞かれたほか、英保健相は「コロナ患者と接触でもワクチン接種完了なら隔離義務を解除する」と指摘していた。「ワクチン接種済み」という前提があるにせよ、欧州はコロナとの共生に舵を切った感もある。ただ、当初9日までとされていた豪シドニーのロックダウンは16日まで延長する見通しとされるなど、世界的にはまだら模様の対応だ。まだまだ予断は許さない。

対して後者は、中国外務省が「米中高官が電話協議、南北朝鮮の関係改善支持で一致した」と発表した。ただ、関係改善がみられたものはそれぐらい。ほかでは、中国国家主席が「技術封鎖」を行う如何なる国にも対抗すべきと指摘、中国を戦略的な競争相手と見なす米国をけん制する反面、米国はブリンケン国務長官が元収容者らと懇談したうえで、「中国にウイグル人の迫害停止を呼び掛けていく決意を表明した」と発表されている。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円は東京「ドル高」、欧米「ドル安」というまったく正反対の動き。米金利の動きなどに左右された結果だが、ともかく一筋縄ではいかない相場付きだ。本日の東京時間もドル安進行後、そのすべてを巻き戻す展開で予断は許さない。このあとも、仮にレンジは狭いとしても荒っぽい値動き、乱高下などには注意を払いたいところだ。
市場の関心は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向。前者との絡みでいえば、昨日発表された米経済指標はやや冴えず、期待外れと言ってもよい内容で、早期テーパリング観測などにも歯止めをかけるものとなっていた。再び「強気」に傾斜するのかどうか、本日以降も発表される米経済指標の内容には要注意。また、新型コロナに関するニュースや、交渉決裂を受けた原油相場の動きなども波乱要因として警戒しているようだ。

テクニカルに見た場合、昨日のドル/円は東京時間と欧米時間が正反対に動くという、まったくタチの悪い往来相場。そうしたなか、本日東京でドルは一時110.40円前後へと続落し直近安値を更新するも、レベルを切り上げている移動平均の21日線などに下値を阻まれた。断定するには早いが、ドルは下値トライ失敗で目先は底堅く推移する可能性もある。とは言え、一方で上値も重く、111円前後そして111.19円など細かな抵抗も多く散見されており、ドル上昇を阻みそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、5月の雇用動態調査[JOLT]が発表されるほか、6月15-16日開催分のFOMC議事録要旨が公表される予定だ。また、昨6日の夕食会からスタートし8日まで行われる「ECB戦略点検に関する特別会合」も引き続き警戒されている。欧州関係の情勢にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.20-111.10円。111円前後そして週初高値111.19円の攻防にまず注目。上値は重そうだが、超えれば111.66円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である110.40円レベルが最初の下値メド。6月29日や30日もほぼ同レベルで下げ止まっており、かなり底堅そうだがしっかり割り込む110円割れも意識されかねない。

下値トライ失敗でドルは底堅い値動きも

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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