ドル円、約2週間ぶり安値から持ち直す展開。ユーロは約3ヵ月ぶり安値圏へ続落
〇ドル円東京時間の安値110.39から110.82に反発したもののFOMC議事要旨発表後110.65付近まで軟化
〇FOMC議事要旨には経済の上向きが報告されてはいるものの、テーパリングを急ぐ姿勢は示されず
〇ユーロドル続落米金利低下で1.1836まで上昇するも欧州指標不冴え等で1.18割れ、直近安値更新
〇ドル円テクニカルには買い地合い継続、いったん後退したもののテーパリング観測も燻る
〇短期、中長期ともドル円上昇をメインシナリオとして予想
〇本日は欧州圏のイベント多くユーロドル中心の動きか、本日の予想レンジ:110.30ー111.00
海外時間のレビュー
7日(水)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@米早期テーパリング観測の後退を背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは一時1.29%まで急低下。2/19以来、約4ヵ月半ぶり低水準)が重石となる中、アジア時間にかけて、6/22以来、約2週間ぶり安値となる110.39まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線をバックに下げ渋ると、A米FOMC議事要旨を控えたポジション調整(ドルショートの買戻し)や、B対資源国通貨でのドル買い圧力(原油先物価格の下落が背景)、C日本政府による「東京都を対象に4回目の緊急事態宣言を発令する方針を固めた」とのヘッドライン(円売り)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値110.82まで反発する場面も見られました。注目された米FOMC議事要旨では、「委員はテーパリングの開始基準に向けた進展が続くと予想」「多数の委員はインフレリスクが上向きに傾いていると判断」「委員は経済活動と雇用指標が強まったことに同意」等の見解が示されましたが、テーパリングを急ぐ姿勢が示されなかったことがドル売りを誘い、本稿執筆時点(日本時間午前6時20分現在)では110.65近辺まで軟化する動きとなっております。
7日(水)のユーロドル相場は大幅続落。@米早期テーパリング観測の後退を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となる中、米国時間朝方にかけて、一時1.1836まで上昇しました。しかし、その後は、A欧州圏における新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染拡大リスクや、B欧州経済の先行き不透明感(昨日発表されたドイツ5月鉱工業生産も冴えない結果)、C原油先物価格の下落を背景と対主要通貨でのドル買い圧力、D心理的節目1.1800台を割り込んだことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、4/5以来、約3ヶ月ぶり安値となる1.1782まで反落する場面も見られました。米FOMC議事要旨後に小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前6時20分現在)では1.1793近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時約2週間ぶり安値となる110.39まで下落するも、米国勢参入後に持ち直す動きとなりました。ダウンサイドに一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドが控えている他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーも継続しており、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(先週末以降の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整と判断)。ファンダメンタルズ的に見ても、市場で燻る根強い米年内テーパリング観測や、それに伴う過剰流動性相場の逆流リスク(資産現金化需要のドル買い)、本邦における金融緩和の長期化観測など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が複数残っております。当方では、来週7/14に予定されているパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言に向けてドル円相場が持ち直す動きを想定しており、短期的にも、中長期的にも、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は米国側のイベントに乏しいことから(米新規失業保険申請件数以外に注目イベントが見当たらないことから)、欧州圏のイベント(日本時間20時00分に予定されているECBによる金融政策の戦略点検の結果公表や、21時30分のラガルドECB総裁発言など)に振らされる展開に注意が必要でしょう(ユーロドルの上下に伴ってドル円が振らされる展開。ECBによるハト派的なスタンスが示されれば、対ユーロでのドル買いがドル円相場の上昇に波及する可能性あり)。
本日の予想レンジ:110.30ー111.00
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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